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3.この世界に生まれて[修正しました]

「耐性」を「適性」に変更しました。教えてくださってありがとうございました。

さて、落ち着いたところで、状況を整理しよう。


・どうやらこの世界は、前世の私がハマっていた「月の光は花園に降り注ぐ」略して月花の世界らしい。

・この世界には、魔法という(前世では夢か脳内妄想でしか見たことのない)ものが存在している。

・魔法には属性があり、光・闇・火・木・土・雷・水の7種が存在するとされている。

・私はその全てに適性がある。なんてチート。

・魔法を使える人は、16歳になると魔法の使い方を学ぶ学校に通わなければいけない。通わなくても良いが、その学校を卒業しないと、日常生活で魔法を使うことができない。結局強制。

・ゲームのスタートは、私が16歳になって学校に通うことになってから。

・攻略対象は、5人。王太子(5種[光火土雷水])、神官(2種[土水])、騎士(1種[雷])、魔法博士(4種[火木土水])、隣国の王子(3種[闇火水])。こいつら全員が同じ学年なんて、なんてお約束。そこに、主人公(2種[光水])が入学してくるという設定。

・現在、攻略対象と主人公及び私は5歳。


忘れないように、ノートに記録を取っておこう。

そうそう、この世界にはノートとかペンとかは存在しているんだよ。

テレビやゲームはないけれど。

本も、歴史とか政治とかのものばかりで、娯楽本がないのが辛いところだな。

あっても絵本なんだよなー。まあ、初めて読むものばかりだから、それなりに楽しませてもらっていますよ。

日本語とは違う文字がこの世界では使われているらしく、本を読めるか最初は不安だったけれど、リーゼロッテは読んだり書いたりすることはできるみたい。


家庭教師の先生が、5歳でこれだけできるのは素晴らしいとかリップサービスをくれたけれど、先生も大変ですねと心の中で呟いておいた。


…話が逸れた。

何が言いたいかというと、日本語で書いておけばこの世界の人には読めないということです。

思い出せることだけでも書いておかないとね。




この世界での私の名前は、リーゼロッテ・アルフバルドという。

アルフバルド家は、父、母、兄そして私の4人家族。

こんな大きな家に4人家族って、なんてお金の無駄遣い…って、前世庶民の私は思うのですけれど。

権力って目に見える形にしないと、この世界では舐められるらしいです。

大きな家は、掃除も大変だろうなーと思うのですが、そのためにメイドさんたちを雇っているということで。

雇用を担っているのですねー。このブルジョワが!!

おっと、そんな私もブルジョワのお仲間でした。自重!



父であるシュナウザー・アルフバルドは、王宮で国王の補佐を務めている優秀な35歳。混じりけのない純金のような金の髪に、キリッとした目元と菫色の瞳が麗しい男前さんです。

母サーランドは、ハニーブラウンのふわふわな髪と柔らかい目元に碧色の瞳を持つ、父と同じ35歳の美人さんである。

ふわふわな見た目にも関わらず、父のいない間の侯爵家を侯爵夫人としてしっかり切り盛りしている。なにこのギャップ!!お母様、素敵。

そして、10歳の兄ユーディストは、父と母の血を継いだ金髪碧眼の美形さん。

才能があるのに、ひけらかさず、話し方も穏やかで怒ったところは見たことがない、まさにリアル王子様である。

10歳って、小学校4年生なんだよ!私の知っている小学4年生は、馬鹿ばっかりやて女の子に叱られている感じなんだよ!こんな泰然としてないんだよ!!

5歳の妹に嫌な顔一つしないなんて、どれだけ大人なの、お兄様!!


そして、今の私ですよ。

前世の世界では、美形同士の子供は地味になるという、都市伝説がうようよしていたけれど、運が良いことに私には当てはまらなかった。

肩まである父親譲りの金髪に、母親譲りの瞳はまるで海の様な深い碧色をして、形の良い鼻と、ふっくらした唇を持つ、自分でいうのも何だが、いわゆる美少女である。

前世は、黒髪黒目の純日本人だったから、金髪碧眼は嬉しいのだけれど、鏡を見るたびに、目がチカチカします。碧い瞳って、景色も碧く見えるのかな…って興味があったのだけれど、世界は黒目時代と同じようにしか見えなかったです。そりゃそうか。


王太子に挨拶した後、体調を崩した私は侯爵家で大人しく過ごしていた。

前世の意識と現在の意識がうまく共存してくれたらしく、元気だけど動けない私はノートに一心不乱に乙女ゲーの内容を書いていた。

やはり、ところどころ思い出せないところもあるけれど、それはまた読み返したときに思い出そう!

起きてからの私は、現在の世界に拒否反応を示すことはなかった。

前世でハマっていた乙女ゲーに転生した可能性が高い事実は、私を打ちのめしたけれど、あの世界に生きて、攻略対象を直に見れるという興味を上回ることはなかった。

個人的に、攻略対象たちとお近づきになりたいけれど、イレギュラーな自分がいることで、主人公とのイベントが発生しないのは困る。

私は、攻略対象も好きだったけれど、主人公との甘酸っぱい恋話も大好きだったのだから。

主人公の敵になるのは悲しいけれど、敵として頑張って主人公を苛めましょう!!

そして、主人公を助けに来る攻略対象たちとのイベントを目の前で見るのだ!!


そのためには、ゲームのスタートまでに私も頑張らなければ!

全ての属性が使えるのなら、死んだふりをして逃げることもできるのではないだろうか?

悪知恵とも言うが、やはり怖いものは怖いのだ!

出来ると信じなければ、前に進む勇気が持てない。

私が知らないだけで、誰かが考えているかもしれないから、本を読むために図書館には通い、学校に入る前に魔法も勉強も真剣に学んで、本がなかったときに自分で何とかできるように頑張らねば!



…とりあえず、王太子との婚約はどうしよう…?

前世で29年+現在5年の私が、5歳児の王太子に5歳のリーゼロッテとして押しかけ婚約者にならないといけないのだろうか?ハードル高っけえなー。









ゲーム開始まで後11年。

読んでくださってありがとうございます。

ここまでプロローグと言っても過言ではないかも…な内容になっております。

次からは、本編になる…はず。

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