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26.

どうしてこうなった…?


私は今、チェブリアンヌ公爵令嬢と他の3人のご令嬢と同席しています。

最初はチェブリアンヌ公爵令嬢が私の隣に座るということだったのですが、チェブリアンヌ公爵令嬢が他のご令嬢たちに断りに行った結果、皆様チェブリアンヌ公爵令嬢と同じ意見だったようで、だったら元々ご令嬢たちが座っておられたテーブル席にご一緒に…ということになりました。


そこで、私はマスターにお願いして、カフェオレが出来たら運んでもらうことにして、今ここに座っています。

本当にどうしてこうなった。


「お待たせ致しました、アルフバルド様、皆様。」

「ありがとうございます、ランド様。」


ギャルソンのランド君がカフェオレを持って来てくれました。


「まあ、アルフバルド様はこちらによくいらっしゃるの?」

「ええ。図書館に寄った日はお邪魔させていただいておりますの。」

「そんなに良く図書館にいらっしゃるのですか?」

「何かお調べものでも?」

「何をお調べになっているのか、気になりますわ。」

「ええ、ちょっとしたことを…。」

「まあまあ皆様、アルフバルド様にそのようにたくさんの質問をして。

困っていらっしゃるでしょう?」


シルバーブロンド!!そう言いますが、最初の質問は貴女だったでしょう?

まあ、口には出しませんが。


「あら、本当。私たちったら…。」


そう言って恥ずかしそうにしているご令嬢たち。

顔を赤らめる様は可愛らしいではないですか。高感度アップですよ!!


「いいえ。でも、ありがとうございます、チェブリアンヌ様。皆様も気になさらないでくださいませ。」

「アルフバルド様!!」


とりあえずチェブリアンヌ公爵令嬢にはお礼と、他のご令嬢へのフォローはしておきました。ご令嬢を敵にまわすと家同士の確執がありますからね。


「あの、アルフバルド様。私のことはライラとお呼びになってください。」


シルバーブロンドライラ様からの提案に、他のご令嬢も続きました。


「私のことは、エリーヌと。」

「私はネリアと。」

「アストリアと呼んでください。」

「わかりましたわ、皆様。私のことはリーゼロッテとお呼びください。」


チェブリアンヌ公爵令嬢ライラ。腰まであるストレートのシルバーブロンドを持つ、4人のリーダー的存在。8歳。

サザンヌボーア伯爵令嬢エリーヌ。猫っ毛な黒髪を持つ7歳。

オースフェン子爵令嬢ネリア。ダークレッドのゆるふわヘアーを持つ7歳。

サランドール子爵令嬢アストリア。茶色のツインテールが特徴の6歳。

これが、私を両側から挟んでいるご令嬢たちの名前と特徴です。

どうやら、ご令嬢たちのお家は私とルーの婚約には賛成派らしいです。


「私、ご婚約を披露された場でのお二人を拝見して、こんな素敵なお二人の婚約を応援したいと思いましたのよ!!もちろん、お父様も私と同じ思いですわ!」

「私もですわ!!お二人のダンスを拝見して、そこだけスポットライトを浴びているように輝いておりましたもの!」

「私は、お二人でにこやかにお話されている姿にうっとり致しました。」

「私も!!私もお二人がお似合いだと思いました!」


と、皆様が熱弁をふるってくれたことからもわかりました。


「私など、他にもっと素敵なご令嬢がいらっしゃると思ったのですが…。」

「リーゼロッテ様以上に王太子殿下のお隣にふさわしい方はおりませんわ!!」

「あ、ありがとうございます。」


この押しの強さはいったい何なのでしょうか?


「あら、私としたことが。カフェオレが冷めてしまいますね。

リーゼロッテ様はいつからカフェオレをご存じでしたの?」

「数週間前でしょうか?こちらのお店に来た時に、マスターが薦めてくださったのですわ。」

「まあ。私もですわ。コーヒーは苦手でしたけれど、カフェオレはおいしいですわよね。」

「ええ。コーヒーは大人の味ですからね。」


2人でカフェオレについて話をしていると、他のご令嬢たちもおそるおそるカップに口をつけていました。


「あら、美味しいですわ。」

「本当に。」

「コーヒーは苦いだけでしたが、カフェオレはまろやかですわね。」

「皆様の口に合ったようで、ようございました、」


ランド君がさっと寄って来て言いました。マスターも嬉しそうにしています。

良かった。ここで、私が開発者だと暴露されなくて。

ありがとうの意味を込めて、2人には軽く目礼しておきました。

口が軽いと良いことなんて一つもありませんからね。

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