プロローグ:悪魔の嘆き
なぁ、誰か俺様の声を聞いてくれ。
……神様なんて奴らはイケすかねぇ奴ばっかなんだ、
クソ天使様も、ソイツらに甘えてるにすぎねぇ……
それなのに……、
どいつもこいつも「俺達」を悪者扱いしやがって……
「俺達」と奴らの間になんにも違いなんてねぇのにさ。
天使様だろうと神様だろうと、
人間の魂を食べて生きてんだ、大した違いなんてねぇよ。
ある方が可笑しい!
おい!
なぁにが幸あれ、富あれ、恵みあれだ、あぁ?
お願いされてるソイツらは
不幸を、貧しさを、災いをもたらしてやがる張本人だぁろうが!
……ま、
願いたきゃ、願えばいいさ。
祈りたきゃ、祈ればいいさ。
裏切られるのはお前ら。
そうやって裏切られたお前達が、
すがるように
また願い、
また祈り、
また奉り、
そして……
「俺達」を恐れる。
なぁ、……これって理不尽じゃねぇか?
そろそろ気付いてもいい頃じゃねぇか?
願ったって変わりはしねぇってさ?
あぁ?
今宵は宴の予兆。
もうすぐ聖戦が始まる。
お前達は気づくだろうさ、
自分達が祈りを捧げていたソイツらがなんだったのかを。
……だが俺様は知っている。
そうなったお前らは何よりも強ぇってことを。
だから「俺達」は手を差し出す。
裏切られたお前らが求めてきやがるから、だ。
だって……祈ることを止め、願うことを止め、すがることを止めた人間共は、皆揃って求めてくるのさ……
「俺達」が与える「力」ってやつを____。