孤独のガイガーカウンター
走り去る 紅のジャーマンシェパード
あの精神力はもはや狂犬
警笛だけが鳴り響く 魂の地下防空壕
この廃液に首まで侵食される
群集に流される 敗北が耳朶をうつ
いま倒れれば楽だろう
それは孤独のガイガーカウンター
誰の耳にも聞こえてくる
立っているのは気付いていないだけ
投げ棄てる孤独 慈悲もなく
やはり生来の体質だったのか
襲来する暗黒の日々 終生の後悔
そうなることを知っていた
偶然は必然 突然の権利義務
債務不履行にはならない
それは孤独のガイガーカウンター
誰の耳にも聞こえてくる
立っているのは気付いていないだけ
同濃度の薬剤 同程度の症状
だけど死ぬのはぼくじゃない
立ちつくすのは阿呆だけ
泣き崩れるのは女神だけ
生き残るのは死神だけ