第八章 友達の家庭訪問(1)
真夏。
目が眩みそうに暑い日が続いている。
「まさか、生まれないよね?」
来月半ばに出産予定の真由に総一は苦笑いを向けた。
「多分…」
真由も苦笑いをする。
今日から4日ほど、総一はレースの為に家を空ける。
その間。
家には大学夏休み中の真由の親友、生野 かれんが泊まりに来てくれる。
更にはかれんの彼氏、松原 大輝も来るらしい。
プチ同窓会か。
総一と結婚して中々友達とも会えない日々が続いていたのでちょうど良いかもしれない。
−少しはストレス発散になるかな−
二人ともそんな風に思っていた。
「こんにちは」
総一が出発する前にかれんはやって来た。
「いらっしゃい」
総一に優しく微笑まれたかれんは少しドキドキする。
友達の旦那とはいえ綺麗な顔立ちの青年。
多少は意識してしまう。
「ごめんね、厄介な話を頼んで」
そんな総一の謝罪にかれんは首を横に振った。
「じゃあ真由」
視線をかれんから真由に移した総一はそっと真由の体を引き寄せた。
お腹を見つめるともう、いつでも生まれますよー!!というような大きなお腹をしている。
「行ってくるから…」
真由も頷いて
「気をつけてね」
総一も頷くと真由の唇にキスをした。
…かれんがいるにも関わらず。
「映画みたいだったよ〜!!」
総一が出て行ってからかれんは興奮状態で言うと真由は照れ笑いをする。
「二人とも顔立ち整ってるし、俳優、女優って言ってもいいくらいなのに〜
キスがあんなにいやらしくないの、初めて見た気がする」
「誉め過ぎ、かれん」
真由はそう言ってキッチンの冷蔵庫から飲み物を出した。
「…でも、仲良くて良かったよ」
かれんはホッとした様子でクッションに腰を下ろした。
「柏原くんの事がネックになってるんじゃないかって心配してたから…」
「…ゴメン」
普通は心配するだろう。
結局、優しさ以上に総一に責任感がないとこんな事は出来ない。
拓海の兄貴分とはいえ。
こんな厄介な話は普通はゴメンだ、とかれんは思う。
「そーちゃんは…」
真由は顔を赤らめながらかれんを見つめた。
「拓海くんの事がなかったかのように接してくれる。
まるで…」
真由は言うのを躊躇った。
モジモジしているとかれんは早く言うように催促をする。
「…ずっと前から付き合っているみたいな感じなの」
総一と一緒にいて違和感は全くなかった。
最近ではこのお腹の子供が本当に総一の子供ではないかと思うくらい、違和感がない。
「じゃあさー…」
かれんは少し意地悪な笑みを浮かべた。
「エッチはしたの?」
かれんの目がランランと輝く。
−かれんってこういうキャラだったっけ?−
真由は言うか言わないか迷った。
親友はどうも大学に行ってから色んな事に興味を覚えて、こういう事に関しては人一倍興味があるみたいだ。
まあ、真由は知らないけどいい大人の至でさえ総一に聞いた訳だからかれんなど年頃の女の子だと尚更だ。
「ご想像にお任せします」
「真由〜!!」
期待ハズレな顔をしたかれんを見て真由は笑った。
なかなか進まなくて本当にすみませんm(__)m
数日、鈴鹿にいまして…レース三昧でした(言い訳)
素晴らしいレースを見てきたので作品作りに活かしたいと思います。