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第一章 真由の妊娠(3)

「お待たせ」


総一は仕事を一区切りつけると事務所で待っている真由に声を掛けた。


「忙しいのに、すみません」


真由は申し訳なさそうに頭を下げる。


「いいよ」


総一は微笑んだ。


わざわざ卒業式の帰りに寄っているんだから、何も謝る必要はない。


総一は駐車場に向かう。


真由もその後を追った。




店の軽トラに乗って二人は真由の家に向かった。




他愛のない世間話をしていた最中。


「うっ…!!」




真由が口を押さえた。




「真由ちゃん?」


真由の異変に気がついた総一は慌てて車を路肩に停めた。


「大丈夫?」


…ではなかった。


真由の意識がなくなり、ぐったりとする。


総一は真由の口元に手を当てた。


呼吸はしている。




貧血か…?




とにかく家に運ぼう。


…いや、ここからなら柏原家が近いか。




…いや。


自分のマンションが一番近い。





この部屋にこんな形で女性を入れた事はない。


総一は自分のベッドに真由を寝かせた。


今は眠っている状態だ。




車酔いか…?


いや、今まで何度かレースの時に一緒に車には乗っているけど、車酔いはしたことがない。






…まさか。


まさか?






…えっ。






ありえない訳じゃない。





もし…そうなら。


拓海、お前はとんでもない事をしでかしたんだぞ!!




総一は天井をキッ、と睨んだ。




そして立ち上がると、そっと真由に上布団を掛け直して部屋を出た。

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