青いコーラの空き缶は、殺人の依頼
今日も退屈な一日が始まる。
女子高生の蜜理は、朝食のトーストを目の前にしてため息をついた。
今日も昨日と変わらない退屈、そして憂鬱な日だ。
機械的に手を動かして、大してお腹はすいていないけれども、パンをかじっていく。
習慣的につけているテレビでは、今日もくだらない芸能人の不倫や、しょうもない詐欺事件の話をしていた。
いや、ひとつだけ変わったことがあった。
速報で伝えられたそのニュースでは、伝説の殺し屋『TD』が活動を再開したと伝えていた。
伝説の殺し屋といわれても、私は聞いたこともなかった。どうやら、十数年前から活動を休止しているらしい(アイドルかよ、と私は思った)。TDに殺害された人数は百人を超え、どれも証拠はまったくというほど残っていないらしい。TDに殺されたとわかるのは、苦しまないように、見事に銃弾で急所を一発で打ち抜かれているからだ。それほどの技術をもっているのは彼くらいだろう。都市伝説的な噂によるとTDは依頼されて、人を殺しているらしい。どういう手段で殺す人を伝えているのかはよく分からないが、きっと裏サイトとかでもあるのだろう。
面白い、と私は思った。確かに恐ろしいけれども、退屈な日々の刺激にはなるだろうし、なによりどうせ私には関係ない世界でおきているニュースだろうと思った。
でも急にそのトキメキを暗澹たる思考が塗りつぶす。そう、私には関係ない世界で起こっていることなのだ。私は、これからも苦痛な日々を一歩一歩進むしかないのだ。
「早く学校に行かないと遅刻するわよ~。私もそろそろ仕事に行かないといけないのよ」
何も知らないお母さんの声がする。
私は頑張ってできるだけ明るい声で返事をし、重い足取りで玄関に向かった。
玄関の扉がとてつもなく重く感じる。唐突に湧き上がってくる吐き気を抑えて家の外へ出ていく。
心配をかけさせてはいけない。
いつものように時間ぎりぎりで二年E組の扉をあけ、自分の席に着く。
カバンから荷物を取り出していると、教室の窓のあたりで談笑していた、いかにも陽キャといった女子数人のグループが駆け寄ってくる。
そして、おはようと声をかけてくれて談笑の輪の中に入れてくれる、とかだったらよかったのだろう。
「おっせーんだよ、このゴミ蜜が」
「私たちの課題を終わらせてなかったら、どーなるかわかってるよねぇ」
一斉に罵詈雑言を浴びせられて、私は小さくなる。そして、恐る恐るノートを差し出す。
そのうちの一人がそのノートをひったくってパラパラとめくり始める。そんな制服の着方で、よく先生に怒られないものだ。
「ちゃんと筆跡変えてんだろうな。もしもA判定取れなかったら、殺すからな。私はいがくぶいきてーんだよいがくぶ」
医学部のことを言ってると理解することにしばらくかかった。こんな低偏差値のかたまりみたいな奴が医学部にいけるはずがないと思うけど。
殺すなんて簡単に言ってるけど、この細胞の集合たちが何も考えずに本当にやってきそうで私は恐怖を感じる。しかもどうせ、TDみたいにきれいなやり方ではないだろう。
数人の手が私の財布に伸びる。様々なひどいことを今日も飽きずに繰り返される。
もう、死んじまえ死んじまえ死んじまえ。
何回目だろう。今日も劇的な変化などあるはずもなく、ただくだらなかった。
絡まれる前に、急いで荷物をまとめ学校を出る。
家に帰れることは嬉しいが、でも喜ぶには疲れすぎた。
いつもと変わらない帰り道。人を避けるために幾度も回り道をする通学路。
通りかかった家の生垣に、青い空き缶が捨てられているのを見つけた。
この青い缶にはもとはコーラが入っていたはずだ。どういう考えで作ったのかもしれないが、なんとシーチキン味のコーラ。一時期話題になったものの、おいしさというものが全く持って存在していないので、もう世間では完全に忘れられている。
なぜ私がそんなことを知っているのかというと、うちのとなりの駄菓子屋でなぜかこのコーラが永遠に売ってるからだ。全く買われているところを見たことはないけれど。どうやら店主のおばあちゃんの孫が開発した商品らしい。
ひどいポイ捨てだ、と思いつつ、私はそのまま通り過ぎた。
けど、あの青い缶がなぜかすごい印象に残った。
家に帰ってすぐ布団をかぶる。こうするとものすごく安心する。
でも、あいつらの宿題をやらなきゃ……
次の日のニュースで結構衝撃的な内容をみた。
私はその日も相変わらず、味のしないトーストを機械的に食べ続けていた。
TDがさっそく動いたらしい。最初の犠牲者が出たらしい。
その被害者の家を見て、あっと思わず声が出た。印象に残ってた家だったからだ。
あの青い缶が捨ててあった家だった。
さらに不思議なことが起きた。
その日の登校中、私は違う家で、またあの青い缶が捨てられているのを見つけた。
今度は塀の上に置いてある。
随分変な嗜好をするポイ捨て魔がいることだ。
なにを思ったのかは分からない。私はその空き缶を持ち、隣の家の庭の木の枝に乗せた。
私は走ってその場から逃げ出した。
その日の私はどうやら様子が随分おかしかったらしい。
なんか、いつもいじめてくる人たちも少し違和感を感じたのか、最低限しか接触してこなかった。
そして、その次の日のニュースは私を震えさせた。
まさかと思って、でも少し期待しながらニュースを見ていると、待ちわびていたニュースが入った。
またTDの被害者がでた。そして、その被害者は私が空き缶を木の枝の上に乗せた家の人だった。
私は荒くなる呼吸を落ち着かせる。
きっと偶然に決まっている。けれどもし、これが偶然じゃなかったとしたら。
賭けてみる価値はあるかもしれない。
私はその日、登校する前に駄菓子屋に寄り道をした。
青い缶にはいったコーラを買う私をおばあちゃんが不思議なものを見るような目で見つめた。
さっそく駄菓子屋をでて、飲んでみる。
みんな不味い不味いばかり言うけれど、私は別になんの味も感じなかった。
ただ、すこし舌に刺激のあるトロトロした液体を口に含んだだけだった。
そして、私の家の生垣の中にそっと置く。
TDに殺されるなら、苦しまずに死ねる。
それは救いのように思えた。
「おい、なにボーっとしてんだよ」
次は理科なので理科室に向かっていると、廊下で急に、後ろから背中を叩かれ、教科書をばらまきながらコケる。
「あはは、どんくさー」
振り返ると、いつもの集団が私を取り囲んでいた。そういえば今日の朝絡んでこなかったことに、今更ながら気づく。
「最近、ただでさえちょー変な顔してるくせに、変な表情浮かべてて気持ち悪いんだよ」
「ひどーい」「それは流石にかわいそー」と思ってもない同情を口にしながら、周りから笑い声が湧く。
廊下には私達しかいない。この人たちは、こういう誰にもバレない状況でしか絡んでこない。なぜかそういうところだけは、立ち回りがうまく、ずる賢い。
「あーもしかしてもしかしてー」
集団の中で一番背の低い、ツインテールの女子が飛び跳ねながら、高い声でわめき始める。自分のことをウサギだとでも思っているのだろうか。私から見れば完全にカエルだ。
「恋でもしてるんじゃなーーい!」
この世の真理を見つけたというように自信満々にいう。私達の間に沈黙が流れる。
私は瞬間的に馬鹿だ、と思った。自分たちの世界の価値観を、当たり前のように他の人達もそのように世界を見ていると決めつけている。自分の世界が狭すぎて、自分たちの考え方が全てだと思っている人たち。
その沈黙は超音波のような気持ち悪いキャー、という悲鳴で破られた。
「ええ、そういうことだったのー!?」「うわ、きっしょ」「あんたみたいなブスがまともに恋愛できると思ってるの?」「あんたなんかゴキブリがお似合いよ」「私のミナト君に手を出したら潰す」
口々に好きなことを言ってくる。なんて生産性のないのだろう。そんなこと言って何になるんだろう。
いつもだったらものすごい惨めな思いにかられて、うつむいてしまうところだが、今日は気持ちに余裕があった。
「そうかも知れないわね」
私はニコリと笑い、教科書を拾ってスタスタ理科室へ歩いていった。そんな私を彼女らは唖然としたように見つめている。
どうせ今日でこんな生活は、人生とともにオサラバなのだ。
ふと理科室前の扉を開けるときに思いついて、くすっと笑った。
確かに私は恋をしているのかもしれない。救世主TDに。
家の扉を開けたときには、清々しい気持ちにかられていた。
とてつもない開放感を抱え、私はバックを置くとすぐに布団に潜り込んだ。今日は奴らの宿題など、もう何もしなくていい。なんて素敵なことなんだろう。
眠ったまま終わりを迎えようと、もう目覚めることはないと思っていた矢先、玄関の戸が開き、誰かの倒れ込む音で目が覚めた。
驚きながら玄関のほうに向かうと、そこには母が倒れこんでいた。大分息が上がってる。
「どうしたの、大丈夫」
私が慌てて駆け寄る。苦しそうな顔をしながら母がうめく。とりあえず困惑しながらも母の体を支え、背中をなで続ける。
水、と母が言うので私は急いでキッチンに適当なコップに水道の水をくんで母のもとへ運ぶ。
母が苦しそうに水を飲むが、水を飲んだら大分楽になったようだ。
「ごめんね、仕事、体調が悪くて切り上げて帰ってきたの。そしたら、帰っているときに悪化しちゃってねぇ」
「大丈夫だから、ゆっくり休んでいいよ」
ごめん、と繰り返す母を寝室まで運ぶと、母はすぐに寝てしまった。
母は、きっと一人娘の私のために頑張りすぎたのだろう。父がいなくなって、約10年。一人で支えてくれているのだ。
そのとき、猛烈な感謝とともに、どす黒い感情が体の中に湧き上がった。
なんで、私が死ななくてはならないのだ。それに、母がせっかくここまで頑張ってきたものをどうして崩さなくてはならないのだ。
ふと思う、私の依頼は完ぺきではない。あの缶は、私の家に置いたわけであり、私と母両方が殺されてしまう可能性だってあるのだ。それだけは絶対に嫌だ。母だけは幸せになってほしい。
気が付くと、学校のプリントが置いてある中から一枚の紙を取り出し、私は玄関のドアを開けて外に飛び出していた。
生垣をあさり、青い缶を取り出す。
日が沈みかけて、空は茜色に染まっている。
私はとにかく走った。近頃全く運動をしていないため、息がすぐに上がったが、それでも止まっているわけには行かなかった。
プリントに載っている目的地は、案外近くにあった。
こじんまりとした一軒家で、窓からは明かりが漏れ、かすかにテレビを見ている音がする。
こんなところに住んでいるのか、と私は無機質に思った。なんだ、あんなにきゃぴきゃぴして、自分はほかの人とは違うみたいな空気出しているのに、ただの一軒家に住んでるお姫様でも何でもない一般人じゃないか。
私はいつも私をいじめてくる主犯格の家を見上げていた。
興味もなくなったので、適当に家の敷地に缶を放り投げて、家に帰ることにした。
日はもう完全に沈み、街灯の明かりが私の影を道路に映していた。
次の日の朝、私はいつもより早めに目が覚めた。
うとうとしながらベッドで転がっていると、急に昨日のことを思い出して慌ててリビングに行きテレビをつけた。
震える手で、リモコンのチャンネルを変えニュースを流す。
三十分くらい見続けても私が期待していたニュースは流れてこなかった。
ひどく落胆したが、まあそれはそれで良かったのかもしれない。きっとあの2件は偶然だったのだろう。第一、青い缶で依頼なんて馬鹿げた話だ。
そこまで考えると、私は自分が期待していたことや、馬鹿みたいな推論を行動に移したことがひどく恥ずかしいことのように感じられた。
ため息をついて、意識は今日の学校をどうやってやり過ごすかという方向に進んでいった。
私が学校に着くと、どうやらいじめてくる陽キャのグループがひどく困惑しているようだった。
聞き耳を立てていると、どうやらリーダ的存在、私が昨日空き缶を置いた家の子がまた来ていないようだ。どうやら迎えに行っても、何も反応がなかったらしい。
「大丈夫かなぁ」「どうしたんだろう」と口々に言うのを横目に、私は荒れる鼓動を必死に抑えていた。
もしかして、が現実になったのは1時間目と2時間目の間だった。
キャー、とスマホを見ていた女子から悲鳴が上がり、どうしたのだとクラスの人々が彼女の周りに集まっていく。普段なら無視をするところだが、私もついていく。
覗き込むと、○○市一家惨殺事件と題されたネットニュースには、あの家の写真が載っていた。
クラスメイト達が半狂乱として騒ぎだす一方、私の心にはある感情が広がっていった。
私の心の中には、恐ろしいことに安堵が広がっていった。
その日から私の世界は一気に色彩を取り戻し、輝かしいものになった。
もう、私に怖いものはなくなったからだ。
ひどいことをしてくる奴には、そいつの家の前に青い缶を置いてあげればいいのだ。
そうすれば、例の殺し屋が殺してくれる。
放課後、私は大量に駄菓子屋でコーラを買った。
空き缶を作るために、コーラを飲み込むとひどく気持ち悪い味がした。私は思わず吐き出し、残りのすべてを流しに捨てた。
その日から私は制裁にかかった。いじめてきた奴を皆殺しにすることにした。
ただ、ひとつだけ気を付けたことがある。それは、1日に1個しか依頼をしなかった。なぜなら、TDを働かせすぎるのもよくないと思ったから、ただそれだけだけれども。
もちろん、青い缶を捨てるところは誰にも見られないように細心の注意を払ったし、絶対に移動されたりしないように、奇麗に隠した。
TDにも見つけられないんじゃないか、と思ったこともあるけれど一回たりともそんなことはなかった。きっとTDにはこの青い空き缶を見つける能力がものすごい優れているのだろう。もしかすると、発信機でも缶についているのかもしれない。
そういえば、一度だけ人に見られたことがある。
私はその日もある人の家に缶を置いた。そして、その家を眺めていた時に、小5くらいの男の子に声をかけられた。
「ねえ、お姉さん、ぼくの家見てどうしたの? お姉ちゃんに用があるなら呼んでこようか」
私はしばらく、その子をじっと見ていた。この子は今日の夜、死ぬ。
「ねえ、聞こえてる?」
しびれを切らして聞いてくる。私は静かに口を開いた。
「もしさ、罪を持っている人がいたら、その家族や環境にも問題があると思わない? 江戸時代とかには連座とかいって一族ごと罰をくらったじゃない」
「急に何言ってんだ?」
「だから、その子をそういう風に育てたのは、その人たちの責任だから、一緒に制裁されるべきなのよ」
男の子は私が急に変なことを話し出しだしたのが怖くなったらしい。慌てて、家の中に戻っていった。
怖いのなら、家の中に逃げちゃだめだよ、と私は呟いて、その場から去っていった。
クラスの中はすっかり人気が減って、悲壮感が漂う空気になっていた。
相次ぐTDの事件、そしてこのクラスの人が狙われているということで、休んで家にこもっている人が多く、学校に来ても恐怖で震えているひとがほとんどだ。私が指示を出していることも知らずに。
「なあ、蜜理ってこんな状況なのにすごい余裕だよな。次は自分の番かもしれないのに」
隣の席の男子が話しかけてくる。目の下にはひどいクマができている。
「ええ、大丈夫よ。私の推測によると、もうこれ以上の被害者はでないわ」
これは事実だった。もういじめてきた人たちは全員粛清が終わっており、もうこの件から手を引こうと思っていたからだ。
「けっ、随分お気楽だな。あーなんで学級閉鎖しないんだよ」
消え入るようなやつれた声で彼はブツブツ独り言を言い続けていた。
その日の夜、私は突然目が覚めた。
おかしい。最近は悩むこともなくなり、心地よい睡眠しかしてこなかったはずなのに。
「おい、てめぇ。目覚めるの遅ぇんだよ」
ハッと覚醒すると、ベッド寝ている私の体の上に、見知らぬ男が仁王立ちで立っていた。そして、手には暗くてよく見えないが、形的に拳銃らしきものが握られていた。そして、その先端は間違いなく私に向けられていた。
まさか、この人が……
「ああ、そうだ俺がTDだ」
野太い声が言った。顔はよく見えないが、よく引き締まっていてスポーツ選手のような体形をしている。
恐怖で声が出せない。
「最近妙に依頼が多くてよ。しかもこんな平凡な家族ばっかりでさすがにおかしいと思ったんだよ。それでな、契約していた依頼主に頼んだら、そんなに依頼していない、自分もおかしいと思ってたっていうんだ。っということで、誰か依頼を悪用している人がいると思ったらこんな小娘だったとはな」
撃鉄をおろす音が聞こえ、私の口を無理やり開け、その中に拳銃が突っ込まれた。
ものすごい気持ち悪さと怖さて涙が止まらず、しゃべろうとしてもウーウー呻き声が出るだけだ。
「まあ、いつもなら1依頼あたり1億円ほど貰っているんだが、お前の借金は絶対払いきれないよな。とんだ無駄仕事をしてしまったもんだぜ。それでも、ただ殺すのじゃ面白味もない」
TDは私の口から拳銃を抜き、
「明日を楽しみにしときな」
とだけ言い残し去っていった。
私はとんでもない疲労とともに安堵を感じ、ベッドに倒れこんだ。
翌朝目が覚めると、私はいつも通り母の用意してくれたトーストを食べ、玄関に向かった。
昨夜のことは、きっと悪い夢だったのだろう。
そんな甘い期待は、家の外に一歩踏み出した途端に打ち砕かれた。
コン、と足のつま先に青い空き缶があたった。
うちの家の敷地内めいいっぱいに数えきれないほどの青い空き缶がうち捨てられていた。
家の前を通る人々が怪訝な目で私の家を見て、通り過ぎていく。
母が窓からこの惨状を見て、悲鳴を上げる。
私はとにかく、青い缶をかたずけ始めた。さもないと、依頼が成立し殺されてしまう。
数時間近くかけて、目に入る青い缶を回収し、捨てた後も私は何かに取りつかれたように目に見えないところにある空き缶を探し始めた。
きっとまだ見えないところに何個もある。巧妙に隠されているはずだ。
その結果が功を奏し、15個くらいの空き缶がいたるところから見つかった。
私は不安になりながらも、日が暮れてしまったので作業を中断し、非常に困難な眠りについた。
夢の中でも青い空き缶を探し続ける。もしも、一つでも残っていたら私は明日を迎えられないのだ。せっかく人生が楽しくなってきたところなのに。
そして、無事に私は次の日の朝を迎えられた。
目が覚め、私は嬉しさで部屋の中を飛び跳ねまわった。
トーストを食べ終え、玄関の外に出ると、目の前に大量の青い空き缶が散らばっているのが見えた。
私は、その場に力なく座り込んだ。
やがて、狂ったように青い空き缶を掃除しだす。
絶対に不正解してはいけない宝探しゲームを私はこれからも続けなくてはならないのだ。
読了ありがとうございました。
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2作目
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