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校長に上げてみますか!

 智奈と美沙がおやもとを訪れた次の放課後、職員室の岳間を訪ねた。


「あ、小砂さんに浅間さん。第三面談室にいきましょうか?」


 岳間は面談室予定表に予約が入っていない事を確認して「使用中」のマグネットを、第三面談室の欄に貼った。


「じゃ、いきましょうか」

「は、はい」


 智奈は岳間の手際の良さに歓心しながら美沙と共に第三面談室に向かった。


「すいません! 三十分ほど生徒達と会議してきます!」


 岳間は他の教員達に言い残して職員室をあとにし、第三面談室に入った。


「お待たせしました。エロ刑事さんのアポは取れましたか?」


 美沙は「エロ刑事って」と智奈に耳打ちした。


「事実じゃん、まあ言わせないから」

「何を? 言えないって!」


 岳間は蒲生が何かアブナイ発言をしそうになったら、ホイッスルでも吹こうかと思案した。


「あの、先生」

「なんでしょ? 小砂さん」

「もう一人、講師を呼びたいんですが」

「ダブルブッキングですか?」

「刑事さんと教祖様との対談です」

「面白い組み合わせですね。教祖様ってのはヤバい教団の教祖ですか?」

「先生! ヤバい教団なんてかかわり持つわけないでしょ!」


 憤る美沙をなだめる智奈である。


「まあまあ。先生、宗教団体って言うよりサークルに近い感じなんで」

「その教祖様に会ってみたいですね」


 美沙は「先生、ヤバくない?」と智奈に耳打ちした。


「今更? 先生、その宗教団体本部に行ってみたいですか?」

「本部? 近くにあるんですか?」

「電車で15分くらいです」

「その本部の住所と電話番号をこの紙に書いてください」


 岳間は面談用紙を智奈に差し出した。


「先生、おやもとに行くつもりですか?!」

「おやもと?」

「美沙、本部って言わないとわかんないって」

「色々と略語があるみたいですね」


 智奈は面談用紙の空欄におやもとの住所と電話番号を書いて岳間に差し出した。


「エロ刑事さんには会えないですかね?」

「さすがに警視庁に行くのは・・・」

「刑事さんは忙しいでしょうしね」

「いや、おやぬし様だって説法でご多忙です」


 美沙がムキになった事に驚く智奈と岳間である。


「おやおや、浅間さんは『おやぬし様』という御人に御心酔のようですね」

「なんか、他の大人には無い発想と言うか視点と言うか・・・」

「小砂さんは?」

「美沙ほどじゃないですが、面白い大人だとは思います」

「分かりました! 私も一度おやもととか言う本部に行って、他の生徒達に悪影響がないか判断した上で、この件を校長に上げてみますか!」

「せ、先生ひとりで大丈夫ですか?」

「私も教師になる前は営業マンとしてあらゆる顧客と向き合ってきました」

「は、はあ」


 岳間は腕時計を見て智奈と美沙に下校を促した。

 

 

いつもご愛読いただき、ありがとうございます!


智奈と美沙からおやぬし様こと生谷を講師としたい旨を聞いた岳間は、彼女らを心酔させる「魂の家族」に興味を抱いたようです。


元営業マンとして岳間は生谷らとどう接するのか?


では、次回もお楽しみに!

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