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亀のキロ  作者: TIjohnX
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はじまり

 地球が生まれて結構経ったくらい


砂の中で僕はもがいている

自分は最後に生まれたようだ

仲間たちが僕の頭上で、いそがしく動いている

くるしい

だけど、みなぎる生まれたての命がその苦しみを超えて僕たちに活力を与える

光が指した

生まれて始めて見た光だ

僕はそれがなにか知らない

だけど知っている

僕には目が2つついていて粒子の光線を僕の細胞が浴びる

すると細胞たちはまたたくまにスポンジのように世界を学んでいく

僕は世界に誕生した

呼んでいる、波が僕たちを呼んでいる

僕たちはその調べに導かれる

この一歩を進んだら、もう何が起こるかわからない

そこには法もない優しさもない世界が待ち受けている

だが、いつかは愛を知るのだろう

さあ行こう、大海原へ



 地球が生まれてもっともーっと結構たったくらい


僕は亀のキロ

大きな緑色のきのこを削ってその中に住んでる

今日のお昼ごはんは何かな

僕は玄関を出た

今日もいい天気

熱くもなく寒くもなく、すごしやすい

心地よい風が吹く

僕は背伸びをした

家の隣には木がなっている

木にははしごがかけてある

僕ははしごを登ると頭の大きさくらいある木の実を採った

「楽しみだなぁ」

僕は家にお昼ごはんを持ち帰った

木の実は先っぽの茎の部分を引っ張ると簡単に開くようになっている

僕はわくわくと木のみを開いた

「おいしそう」

今日のお昼ごはんは温かいレーズンパンだった

「そうだ、この前お隣のきつねさんが甘いものが好きって言ってたなぁ」

僕はきつねさんの家にお昼の誘いに行くことにした

きつねさんの家は歩いて1分だ

僕は石畳の上を歩いて行く

お花畑は今日も風に揺れてる

きつねさんの姿が見えた

きつねさんはぼーっとして家の前に立っていた

きつねさんはいつもこんなかんじで、あまりしゃべらない

口が大きいからしゃべりづらいのかなぁ

きつねさんは僕が5メートルほどの距離でこっちに振り向いた

「あ」

きつねさんはしどろもどろだ

きつねさんは口下手だ

でも顔がちょっとこわいところがある

なぜなら目が黄色くて肌が灰色で口が大きいからだ

でもぼくはきつねさんとけんかしたことは一度もない

きつねさんはとてもやさしい

ちなみにきつねさんは甘いものが大好きだ

ぼくはきつねさんの好みもしってるんだよ

ぼくはきつねさんのぎょろっとした目を見ていった

「きつねさん、元気?一緒にお昼でもどうだい」

「いいですねぇ、キロさんはお昼まだだったんですね、ちょうど私もまだだったんです」

きつねさんはこんなしゃべりかただ

ジェントルマンだ

「僕の家まで行こうよ、今日はレーズンパンだよ」

僕たちは僕の緑のきのこの家に向かった


  緑のきのこの家で


きつねさんがおかしなことを言った

「ところでキロさん、わたしたちはどうしてここにいるんでしょうね」

きつねさんはよくフィロソフィカルなことを言う

「きつねさんってやっぱりおもしろい!」

「このレーズンパンにしても、なぜ木から生えてくるのか、わたしはわからない・・・」

僕は難しいことを考えるのが苦手なのでこう言った

「でもすごくおいしいよ!しあわせ!」

「この前図書館に行ったのです」

「きつねさんってあの暗号みたいなぐじゃぐじゃしたやつの意味がわかるの?すごい!」

「いえ、よくわからないのです、ただ絵がかいてありました、それはそう、とても美しい絵でした」

「僕は青色が好きだな!」

「わからないのです、青色とはなんなのか、そしてわたしが青色だと思っているものが、本当にあなたにとっても青色なのか・・・わたしにはこの世界のすべてが灰色に見えるのです」

きつねさんは意味があるようで意味がないようなどっちつかずのフィロソフィカルなことを言う

「あーおなかいっぱい!お昼寝しようよ」

そんなふうにして、今日のお昼は過ぎた



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