第六十二話 ~ シラクニア長期出張 ⑥ ~
第六十二話 ~ シラクニア長期出張 ⑥ ~ 序章
マノンがシラクニアで巣籠生活を続けている頃、ガリア王国ではある噂で広まっていた。
それは……"大賢者の呪い"である。
マノンは以前にマリレ-ヌの実家が薬の販売を始めるにあたり競合する大商人の嫌がらせや圧力からマリレ-ヌとその家族を守るために一通の手紙をエレ-ヌに託した。
その手紙はガリア王国の最高司祭クロード・ベクロンに届けられる事になる。
マノンが書いた手紙の内容は……
我が意思に背き暴利を貪る者共よ。
我が秘術を以て呪いをかけるものなり。
悔い改めぬ者共は命は取らぬが大きな代償を払う事となるであろう。
この手紙の内容をそれとなく大商人の達の耳に入るようにして欲しいという内容であった。
予てより、王都の大商人の強欲ぶりに嫌気がさしていた最高司祭クロードはこの提案に快く賛同し、それとなく"大賢者の呪い"を流すこととなる。
当然、強欲で厚顔な大商人たちはこんな話など鼻で笑い飛ばすのである。
しかし、その呪いは現実のものとなる。
マノンが実際に"呪いの秘術"を行使したわけではないが偶然が重なる事が本当にあるのである。
大商人の一人は取引で大損をし財産の多くを失った上に建てたばかりの豪邸が火事で全焼する。
またある大商人は乗っていた馬車の馬が落雷に驚き暴走し雨で増水した川に転落、そのまま流され橋の橋脚に引っ掛かり一命は取り留めたものの増水し勢いを増した川の水にズボンとパンツを流されフ〇チンのまま救助されるまでの数時間の間、通行人の晒し物になった。
またある大商人は不倫が正妻と4人の側室に発覚し股間を蹴り上げられたうえに袋叩き似合いハイヒールで尻を踏まれた時に長いヒールが尻の穴にめり込んだ、それだけでも相当に痛いのだが彼は重度の痔であった……。
彼の悲鳴は近所全体に響き渡たり、悲鳴を聞き駆けつけた王都の警備兵に醜態を見られ王都中に噂が広まった。
他にも災難が次々と王都の大商人を襲った。
どれもこれも、命に別状はないが死んだほうがマシ……いっその事、殺してと言いたくなるような災難ばかりであった。
単なる偶然だったのだが、なにせ相手は超常の力を持つ大賢者の"呪い"である
流石の厚顔無比の強欲大商人達も徐々に"大賢者の呪い"を信じ恐れるようになり高額だった薬は適正価格へと是正される事となる。
かくして"大賢者の呪い"は遠くへベレスト山脈やピオ-ネ山脈を越え他国にまで広まるのであった。
マリレ-ヌとその家族にも大商人の実害が及ぶ事も無くマノンの思惑通りになったかのように思えた。
しかし、その噂に尾鰭が付くのは世の常である。
マノンがシラクニアに来て7週目のぐらいの頃の話である。
当然、そんな事になっているとは当の大賢者様は知る由もないのであった。
第六十二話 ~ シラクニア長期出張 ⑥ ~
今日は朝からいろいろとあったが今、私は試合のために王族区画の3‐B貯蔵庫跡に来ている。
何処から聞きつけたのか既に20人ぐらいの見物人がいる。
私の前には試合相手のユーリア・ハルヴァリが立っている。
私と変わらないぐらいの長身で細身だが良く鍛錬されているようだ。
年齢は二十歳すぎぐらい黒髪の長髪を束ね凛とした顔付の女騎士である
皮の鎧に身を包み長さ1メートル以上はある大剣を持っている。
「ほほう!大剣使いの女騎士か」
「なかなか、骨がありそうじゃの」
爺の口調からウキウキしているのが分かる
「それでは、お手並み拝見と行こうかの」
爺はユーリアの前に進み出ると
「お初にお目にかかる、私はマノン・ルロワと申す」
「お手柔らかに……」
爺が挨拶と口上を述べるとユーリアもそれに答える
「私の名はユーリア・ハルヴァリ、シラクニア王国、親衛騎士団副団長である」
「本日は私の申し入れを聞き届けて頂いたことに感謝する」
「高名な"大賢者"殿と手合わせできることを光栄に思う」
ユーリアは口上を言い終え剣を構えると爺も剣を構える
(爺の剣は短め60センチ程度ので軽量な剣である)
「……んん~隙が無いの」
「しかし、女の身であのような大剣を使いこなすのは難しかろう」
爺はそう言うと物凄い速さでユーリアの間合いに飛び込む
ユーリアは大剣を振り下ろすと爺の一撃を上手く止め、身を捻って振り下ろした大剣のスピードを落とすことなく横から斬撃を加える。
爺は大剣を受け止めようとはせず寸前の所でユーリアの大剣の平地の部分を叩き剣筋を逸らす。
スピードの乗った大剣を軽量な剣で受け止めることは危険だからだ。
ユーリアは大剣のスピードを殺すことなく自在に振り回し次から次へと斬撃を加えてくるが爺は片手でそれをかわし続けている。
"おおっ!"見物人のどよめく声が聞こえてくる。
「どうして……」
ユーリアは自分の渾身の一撃を難なく片手でかわし続ける爺の剣裁きに焦っていた
「私の斬撃をあんな剣でしかも片手でかわすなんて」
今まで戦ってきた者達とは次元が違うと感じているのだった
「相手にとって不足なし」
ユーリアは爺から間合いを取ると自慢の大剣を上段に構えると爺の方を見る
「これが私の最大の攻撃技……骨の一本ぐらいは覚悟してください」
ユーリアはそう言うと大きく息を吸い込む
「はぁぁぁぁ」
ユーリアは気合の入った声と共に全身の力を大剣に込める。
その時、爺か目の前から消える
「えっ……」
わが目を疑うユーリアの喉元にはいつの間にか爺の剣先があった
「まっ参った……」
額から冷汗を流しながらユーリアが震える声で負けを認めると大剣を地面に落とした
「おおおっっ」
見物人が大声を上げると歓声が上がる
「凄いっ! ユーリアに勝ったぞ」
「圧勝じゃないか」
見物人達が話しているのが聞こえてる
爺はそんな事など無視して呆然と立ち竦むユーリアの耳元に小さな声で話しかける
「お主、今のまま大剣を使えば取り返しのつかぬことになるやも知れぬぞ」
爺のの言葉にユーリアか一瞬ビクッとする
「それはどういう事でしょうか?」
ユーリアは爺に問いかける
「その大剣はお主には大きく、そして重すぎる」
「このままではお主の体が持たぬ」
「いや……既に影響が出ておるな」
爺の言葉にユーリアの顔色が蒼白に変わる
「気が向けば、後でわしの部屋に参られよ」
「少しは役に立てるやも知れぬ」
爺は小さな声でユーリアに言うと貯蔵庫を後にした
その日、ユーリアは私の部屋には来なかった。
ユーリアとの試合の事は都市中に光の速さで伝わった。
小さな木の板は暖炉の薪に使えるほどになり、流石の爺も困り果てているのだった。
ルメラの意見を聞きながら爺は効率よく試合をこなしていった。
当然、全戦全勝の無敗である。
そんなある日の夕刻、ルメラたちが帰った後に私は愛読書の"エマの書"を読んでいた。
コンコンコンとドアをノックする音が聞こえる
「アスラクが薬草でも分けてもらいに来たのかな」
私はそう思いドアを開けると、そこにはユーリアが1人で立っていた
「こんな夕刻にお邪魔して申し訳ございません」
「恥ずかしながら……」
「未熟者故、現実に向き合うのに些か時間を要しました」
ユーリアは深々と頭を下げた
私の部屋に入ったユーリアに椅子に座ってもらい、ハーブティーとクッキーを出す。
ユーリアはハーブティーとクッキーを珍しそうに見ると
「これが、噂になっているハーブティーとクッキーですか」
そう言うとクッキーをかじるとハーブティーをすする
「美味しいっ!」
思わず声が出しまうユーリアを私は微笑ましく見ている
「あっ、その……」
顔を赤らめ恥ずかしそうにするユーリア
「気にしなくていいよ」
「今は、騎士ではなく一人の女性なんだからね」
私はユーリアを見つめながら言う
「はっ、はい……そうですね」
「今は騎士ではないのですね」
ユーリアは更に顔を真っ赤にして言う
「この前の話の続きなのですが……」
ユーリアの表情が急に真剣になる
「私に大剣は向かないとおしゃられました」
「大賢者様の言ったその通りにございます」
ユーリアの表情が曇っていき悲しそうである
「貴女は良い騎士だ」
「だからこそ、余計な事を言ってしまった」
「大剣は大きく重い……」
「ラッセル殿のような"ゴリマッチョ"ならばともかく」
「女性の身には負担が大きすぎる」
ユーリアはクスッと笑う
「貴方、既に腰を痛めてますね」
次の私の言葉にユーリアは笑うのを止め黙り込むと俯き小さく頷いた
「今ならば、痛めた腰は回復するかも知れない」
私がそう言うとユーリアは急に顔を上げる
「本当ですかっ! 大賢者様っ!!」
ユーリアは吃驚するような大声を出す
「まぁまぁ、落ち着いてユーリアさん」
私は鼻息を荒くしているユーリアをたしなめる
「ここにうつ伏せになってこのベッドに寝てくれない」
ユーリアは頷くと言われた通りにベッドに横になる
「悪いけど、ズボンを下げて少し腰とお尻に触れるけどいいかな」
私はユーリアに問いかける
「気遣い無用、好きなだけ触っていただいて結構です」
ユーリアの言葉に躊躇いは全く感じられなかった
私はユーリアのズボンを少し下げると引き締まったウエストとお尻が見える
ユーリアは少しビクッとしたようだ。
私はユーリアの腰からお尻にかけて触診を行う
"どう、何か分った"
私の問いかけに爺が答える
"腰の辺りの骨に異常がある"
"腰椎にズレがあるの神経を圧迫している"
"既に痛みもあるはずじゃな"
"今ならば、直せるやもしれん"
ベッドから身を起こしたユーリアに爺の触診結果を伝える
「驚きました、大賢者様のおっしゃる通りにございます」
ユーリアは感心したように言う
「本当に治るのでしょうか」
悲痛な表情でユーリアが私に問いかける
「治せると思う」
「但し、治っても二度と大剣を使わぬ事」
「約束できるかな」
私の出した条件にユーリアが"そんな殺生"なと言わんばかりの表情をする
「安心して、貴女にあった武器は何とかするから」
私はユーリアの表情に負けて安請け合いをしてしまった
「本当ですねっ!!!」
ユーリアの嬉しそうな声と表情に"どうしよう"と焦るのだった
"取り合えず、施術を施すから"
"もう一度、ベッドに横になって貰えんかの"
私は爺と入れ替わるとユーリアにベッドに横になるように言う
爺はベッドに横になっているユーリアの腰に親指を当てるとグッと押す
「あっああああ」
ユーリアは小さな声を上げる
「少し痛いが我慢しておくれ」
爺はそう言うと更に押し続ける
「あっ! あんっ! ああああああああ!」
段々とユーリアの声が大きくなっていく
そして、お尻のほっぺの部分をグリグリと押す
「やっぱり、ここが固くなっておる」
そう言うと爺は更に強くグリグリと押す
「あっ!あっ!あっ!あっ!」
爺のグリグリに合わせてユーリアの喘ぐ声が部屋に響く
「すまぬが、もう少し声を小さくしてくれぬかな」
爺がユーリアに言う
「もっ、あっ!、申し訳ござ、あっ!、いません……あっ!あっ!」
ユーリアは声を殺すように言うが
「あっ!あっ!あんっ!!いいっ!気持ちいいっ! そこ凄くいいっ!」
喘ぎ悶えるユーリアの姿がセシルと重なる、爺は太もも、脹脛、をグリグリと押し続ける
「あうっ! ああああっ! あはっ! ううっ! ああっ!!」
再びユーリアの声が大きくなっていく。爺はユーリアの声が大きくなっていることも気にせずに
最後の仕上げに入る。
今度はユーリアの片方の足を九の字に曲げると再びお尻のほっぺの固くなっている部分をグリグリと押す
"やはり、腰を痛めているのでここの筋肉に負担がかかっておるな"
"まだ、硬さが取れておらぬな……念入りに押しておくとするか"
爺は少し考えると
「尻の筋肉をほぐすから少し痛いが我慢しておくれ」
既に悶絶状態のユーリアにそう言うと爺は以前より更に力を込めてグリグリとお尻のほっぺの部分を押す
「あっ!! はっ! はっ! はっ! あふっ! あっ!あっ!あっ!」
「あっ! いいっ! いいっ! そこいいっ! あっ! あっ! あっ! ああんっ!!」
爺の容赦のないグリグリがユーリアの喘ぎ声を更に大きくする。
45分後にベッドの上で涎を垂らし半尻状態で昇天しているユーリアの姿があった。
「なにこれ……気持ち良すぎ……」
「こんなの初めて……」
「私もうダメかもしれない……」
爺の善意は、また1人の女性を虜にしてしまうのであった。
セシルの時と違うのは、ユーリアの喘ぎ悶え悶絶する声がドアの外に駄々洩れだった事である
それも45分間も休みなくである……
当然、ご近所の噂になるのは必定……
この手の噂が都市中に広まるのに大した時間はかからなかった。
かくしてシラクニア王国では"大賢者様、超絶倫説"が広まるのであった。
第六十二話 ~ シラクニア長期出張 ⑥ ~ 終わり




