第五十八話 ~ シラクニア長期出張 ➁ ~
第五十八話 ~ シラクニア長期出張 ➁ ~ 序章
マノンがシラクニアに旅立って7週間が過ぎた。
マノンがシラクニアに旅立った次の日、レナはルシィとエレ-ヌに連絡を取った。
3人が集まったのはルシィの部屋だった。
エレ-ヌは状況を理解していたために何と言う事は無かったがルシィは何故か感動したようだった。
それから暫くしてアカデミーでマノンを探すマリレ-ヌの姿を頻繁に見かけることになったレナはマノンの正体をマリレ-ヌに話しても良いのではないかと思い始める。
レナがマリレ-ヌにマノンの正体を明かす気になったのはマリレ-ヌはマノンを自分と同じぐらいに愛しており口が堅くそうで秘密を守りマノンにとってもそれが良いと判断したからである。
この四人がルシィの部屋に集まって自分の事をネタに盛り上がる事になろうとはマノンには知る由も無かった。
第五十八話 ~ シラクニア長期出張 ➁ ~
"アイラのお尻撫で回し事件"のほとぼりが冷めるまで私は暫く部屋に引き籠っていた。
ルメラは相変わらず私の部屋によく来る。
今日は、ドライフルーツを入れたスコーンを頬張りながらハーブティーをすすっていた。
「なぁマノン、アイラの事そんなに気にしなくてもいいぞ」
ルメラはスコーンをかじりながらそう言うと
「今日はアイラとエルナも来ているんだ」
「部屋の外にいるけど部屋に入れてもいいか?」
ルメラは私の方を見て言う
「そうなの、早く入ってもらってよ」
私がそう言うとルメラはスッと立ち上がりドアの方に歩いていく
「失礼します」
アイラとエルナの2人が私に挨拶をする
「先日はごめんなさい」
「勘違いしちゃって……」
私がアイラに謝罪する
「いいんです、気になさらないで下さい」
「私の身を案じての事ですから」
アイラは顔を真っ赤にして言う
「二人ともここに座って」
私は2人に座るように言うと
「では、遠慮なく」
そう言って2人は椅子に座る
「これ、口に合うかどうかわからないけど……どうぞ」
私は。ライ麦のクッキーと出来たてのスコーン、それにハーブティーを出す
「これがルメラ様のおっしゃっていた」
2人はそう言うとお互いに顔を見合わせ目の前に置かれたクッキーとスコーンとハーブティーを珍しそうに見ている
「凄く美味いぞ」
ルメラの言葉に2人は再び顔を見合わせ
「それでは、頂きます」
2人はそう言うとクッキーを口にする、2人の顔に笑みが浮かぶ
「美味しい」
そしてスコーンも口にする
「これも美味しいです」
2人はとても幸せそうに言う
「どう、お口に合ったかな」
私が二人に尋ねる
「合いますっ! 本当に美味しいです」
アイラはそう言うと
「ルメラ様がどうして毎日、ここに通われるのか分かりました」
アイラはルメラの方を見る
「まぁ、それだけじゃないと思いますけどね」
アイラか意味ありげな笑いを浮かべてもう一度ルメラの方を見る
「私もルメラ様と同じ気分ですから」
そう言ってアイラは私の方を見てにっこりと笑った
その様子を何も言わずに見ていたエルナがハーブティーをすすりながら
「ルメラ様、大変ですね」
「ライバルが二人も増えましたね」
そう言うとエルナも私の方を見て微笑んだ
そり様子を見ていたルメラとアイラの表情が険しくなる
「エルナ……あんたまで……」
アイラが呟くように言うと三人ともニッコリと笑う
何故だか部屋の空気がピリピリするのが分かる……こんな時は
「ねえ、3人ともお風呂に入れば」
私が何とかその場を切り抜けようとする
「風呂ですか……?」
「……なにそれ???」
アイラとエルナの2人は顔を見合わせ不思議そうに言う
「アスラクの言っていたアレの事か……」
「俺は遠慮しとくよ」
呟くようにルメラが言う
「どうして、ルメラはお風呂に入らないの」
私は以前から疑問に思っていたことをルメラに問う
「そっそれは……その……」
ルメラはといも言い難そうにするので
「何かあるんだね……私に出来ることがあれば協力するよ」
困っているルメラの方を見て私が言うとルメラは少し躊躇っていた
「じつは……肌荒れが酷くて、特に背中が」
「お湯なんかに入ると肌荒れに沁みて……」
ルメラは少し悲しそうに言う
「そんなに酷いの」
驚いた私がルメラに問うとルメラは少し躊躇った後
「見てみる……マノンなら直せるかもしれないし」
そう言うと服を脱ぎだす、そして私の方に背を向ける
「これは……酷い……」
ルメラの背中を見た私は思わず声に出す
背中一面が真っ赤になり皮膚の薄皮が捲れた状態だった
すると、爺の声が聞こえてくる
「お前さん……この前に作った薬が良く効くぞっ」
「ルメラの背中に塗ってやるがよい」
私は立ち上がると戸棚の方に歩いていき薬を手に取る
「ルメラ、この薬が良く効くと思うよ」
「じつは、私も背中が痒くて困っていたんだよ」
私はそう言うとルメラに薬を手渡す
「そんな薬があるんだ」
「だったら、今ここで塗ってくれよ」
そう言うとルメラは下着まで脱いで上半身裸になる
大きな胸を隠すことも無く私に薬を渡すと私の方に背を向けた
シルビィと言いマキシミリアンと言い、こいつも王族だから裸になる事を何とも思わないんだな……などと思いながらルメラの背中に薬を塗る
「少し沁みるがすぐに痒みは止まる」
「朝と寝る前に塗れば直ぐに良くなる」
私はルメラに説明しながら薬を塗り塗り終える
「すげえな、本当に痒みが止まった」
「マノンは本当に……すげえな……」
ルメラは胸を丸出しにしたままで私の方を向く
「さっさと服着て」
私がそう言うとルメラはニヤリと笑い
「俺のオッパイ見て照れてやのか」
ルメラは意地悪そうに言うと
「触りたいなら、触ってもいいんだぜ」
ルメラは私に大きな胸を突きだす
「馬鹿なこと言ってないで服着ないと風邪ひくよ」
私が呆れたように言うとルメラは
「けっ! 」
ルメラはそう言うと何かブツブツ言いながら服を着る
「アイラとエルナはお風呂に入る……!!!」
私が2人の方に振り向くと何故かアイラとエルナも上半身裸だった
「えっ……なんで……」
驚いている私にアイラは
「じつは、私もエルナも背中の肌荒れが……」
そう言うと2人は私の方に背を向ける
ルメラほど酷くは無かったが肌荒れを起こしていた。
私は2人の背中にも薬を塗ると痒みが止まったと言って喜んでいた。
アイラの話によると、冬場の肌荒れはシラクニアの人々を相当に悩ませいてるらしく特に女性に酷い肌荒れが多いそうである。
当然、この薬の事は直ぐに都市中に広まり……都市住民総出で薬草を集め薬の製造に乗り出すのであった。
因みに、アイラの話ではシラクニアの人々は冬場は寒さで着膨れているが夏になり暖かい陽ざしが差すようになると休日は老いも若きも男も女も殆どの住人が上半身裸で日向ぼっこをするそうで、中にはパンツ一丁、全裸の者までいるそうである。
そのためにシラクニアの人々は人前で裸になる事に羞恥心が殆ど無いのである。
我々の世界でも冬が厳しく陽ざしの少ない北欧や東欧などの国々で見られることである
また、シラクニアでは"交わり"も男女ともに自由でいわゆる"フリーセックス"だそうである。
アイラが私の耳元で囁いた。
"大賢者様が御望みであれば私はいつでもOKですよ"の言葉が耳に残っている。
因みにアイラとエルナは異父姉妹だそうである。
アイラが19歳、エルナが17歳だそうである。
第五十八話 ~ シラクニア長期出張 ➁ ~




