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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第五話 ~ 王都ガリアン ~ 

 第五話 ~ 王都ガリアン ~



 私は今、魔法工房の転移ゲート室にいる……

 昨日の夜は、レナの日記が気になって寝つきが悪かった。

 爺の言う通りに装備を整え、もうすぐ王都ガリアンへ転移する、田舎者なら誰でも一度は華やかな大都会に行ってみたいと思うのはごく普通。

 私も少し楽しみにしている……そうしていると爺の声がしてくる


 「どうしたんじゃ……元気がないような気がするが……」

 「昨日の事もあるし調子が悪いのなら延期してもいいぞ……」

爺が心配そうに言う


 「……きのう……寝つきが悪くて……」

私が眠そうな声で言う


 「????寝つきが悪かった……????」

 「お前さん、ヘッドに入って5分ほどで爆睡しておったぞ」

爺が不思議そうに言うと

 「何やら、レナちゃんの名前を呼んでおったが……」

 「どうせエッチな夢でも見たんじゃろ……」

そう言って爺が高笑いをする


 「そっ! そんなんじゃないよっ!」

私は否定するがレナの日記の"どうして女の子なの"の一文が脳裏を過る

 「はぁ~」

溜息をつくと爺に

 「何なのよこの服っ! ダサいにもほどがあるわよっ!」

 「これじゃ……完全に男じゃないのっ!!!」

爺に着るように言われた服があまりにもダサいので抗議する私


 爺に着るように言われた服は茶色の長袖に長ズボンに厳ついバックルの茶色のベルトには剣がぶら下ってる、その上が茶色のフード付きの長いローブを羽織りこれまた茶色のブーツを履いている、肩掛けバッグも茶色である

 

 「何を言っておるか! 最高水準の魔道具で固めてある」

 「何があってもお前さんを守るためになっ!!!」

爺は力強く私に言う


 「これから行くのは"王都ガリアン"なのよっ!」

 「この国の首都で"花の都"なのよっ!」

 「私はっ!こう見えても年頃の女の子っ!!なのよっ!!!」

 「もう少し可愛いのないのっ!」

私は更に爺に抗議する


 「そうかの……本当に良く似合っておるぞっ!」

 「派手さも無く目立たんし」

 「儂の目には完ぺきに見えるがの……」

爺にはどうして私が抗議しているのか全く分かっていない


 「わ・た・し・は・お・ん・な・の・こっ! なのよっ!!」

一番譲れない部分を強調して言う……すると、爺は溜息をすると


 「……まぁ……言いたい事は分かるがの……」

 「身長180センチ近いイケメン顔がフリフリの可愛い服を着ている所を想像してみよ」

 「目立って仕方がないし……それに……儂はそんな恰好で王都を歩き回るほどの勇気はないっ!!!」

爺の余りに核心を突いた言葉に私は"ぐぅ"の音も出なかった……


 「ぅぅぅぅっ……」

声にならない私の心の苦悩の叫びに


 「すまぬ……儂が悪かった」

爺のらしからぬほどの愁傷な物言いが私の無い胸を更に深くえぐった

 「そっそれでは、参ろうか……」

爺は話をはぐらかすと転送ゲートを発動させる、眩い閃光のが私を包み込む




 「ここ何処……」

辺りが真っ暗で何も見えない

 「痛っ!」

何かに頭をぶつけた、手探りで暗みの中を確認する

どうやら狭い部屋の中らしい……。


 「ライトニング……」

爺が何やら呪文を唱えた声が聞こえてくる……辺りがうっすらと明るくなった

部屋には出口らしきものはなく頑丈な石造りの壁と天井、真ん中には小さな祠があるだけだった


 「どうしよう……出れないよ」

私が小声で困ったように言うと


 「おかしいのう……ここ確か小さな教会のはずんなじゃが」

爺が困惑したように言う

 「誰かが教会を改築したのか……それとも……」

爺は途中で言うのを止める……何かに気付いたようだ

 「お前さん、正面の石壁に手を当ててみてはくれんかの」

私は爺に言われた通りに石壁に手を当てる……するとフッと石壁が消える


 「えっ!」

私は驚き声を上げた


 「これは、魔術による結界封印術じゃ……」

 「誰かがこの祠を隠すために施したものじゃな……」

爺が納得したかのように言う



 私は恐る恐る出口に近付くとそっと外の様子を窺う

 外には誰もいなかった、そこには高い天井を支える立派な巨大な石の柱が数多く林立している広大な空間が広がっていた

 どうやら、かなりの規模の大聖堂のようだ……私は辺りを見回して誰もいない事をもう一度確認すると外に出ると後ろを振り返る

 教会の立派な祭壇の下にポッカリと穴が空いている


 「やはりな……教会を建て直した時に誰が術で外から入れぬように祠を隠したのじゃな」

 爺が確信を得たかのように言う


 私は誰もいない大聖堂の中を出口らしき大扉の方に向かって歩いていく

 途中には巨大な絵画が沢山飾られている……

 絵のモチーフは恐らく村の教会と同じ"大賢者"……つまりこの爺の事だ……

 私はやや怯えながら重厚で立派な大扉の前に来るとゴクリと唾をのみ込んだ、そして大扉を手でゆっくりと押す

 「ギィィィィィィ~」

 少し耳障りな音と共に扉は開いた

 私は教会の外の光景に目を奪われる、綺麗に並べられた石畳の広い通りは馬車が多数往来している、その両側には歩道が整備されよく手入れされた街路樹が植えられている。

 5~6階建ての立派で大きな建物がズラリと並び多くの人が行きかっている

 馬車の輪の音、人の雑踏の音、そして話し声……それらの音が混じり合い喧騒となって私の耳に飛び込む

 「凄いっ!何という活気なんだろう」

 田舎の村では体験することがなかった初めての体験する大都会の喧騒と活気に呆然とする私


 「随分と賑やかになったのう……」

爺の感心する声が聞こえてくる

 「このまま、真直ぐに通りを行くとこの王都で一番高い鐘楼があるはずじゃ」

 「まずは、そこまで行こうかの」

爺の言われるままに私は大通りの歩道を歩いていく……すれ違う人、すれ違う人がこちらをチラ見する


 「……ねえ……私って浮いてない……」

私は冷めた声で爺に問いかける

周りを歩く王都の人々のカラフルな服装とは明らかに違ってる地味な私の服装はその身の丈の高さもあり非常に目立っている

 「これって……地味過ぎて逆に目立ってない……」

爺の思惑を完全に打ち砕く私の一言に


 「……」

今度は爺が"ぐぅ"の音も出ないようだ……何だかとてもスッキリした気分だ


 「ハッキリ言って、凄く恥ずかしいんですけど……」

私は更に嫌見たらしく爺に言っていると、正面から私と同じぐらいの歳の女の子3人連れが歩いてくる


 私を見て3人で何か言っている……多分、私の服装の事を噂しているのだろう        

 何だか、嫌な気分だ……すれ違った時に女の子たちの会話が耳に入ってきた

 「ねぇねぇ、今の人すっごく恰好良くない」

 「背も高いし、それにイケメンよっ!」

 「剣持ってるし騎士様なのかしら」

女の子の会話は私の想像していたのとは全くの逆だった


「……」

私は何も言わずに黙り込む


 「よぉ! 色男っ!!」

突然、爺の元気な声がする

 「恰好いい!、イケメン!!、騎士様っ!!!」

 「どうじゃっ! 儂の見立てに狂いはなかったじゃろうか!!」

爺の勝ち誇った声が聞こえる


 私には爺の勝ち誇った声よりも男と思われている事が辛い……

 褒められているのにこれほどまでに悲しいとは……

 現実の無常さ非情さ残酷さをひしひしと感じながらも王都ガリアンをウキウキで散策している自分が健気に思えてくる。

 暫く歩いて大きな広場に出るとあの恥ずかしい銅像が建っている、しかも巨大だ恥ずかしい銅像の石造りの台座には文字の入った銘板がはめ込まれている



      "我が師、パトリック・ロベールの偉業と英知を称賛し

      この像を建立するものなり"


         王国歴 元年 

         初代ガリア国王  クリストフ・ド・ガリア


 この巨大な恥ずかしい銅像は爺を称えるために国王が建てたもののようだ

 しかし、広場のど真ん中にこんな恥ずかしい物を建てるなんて……しかも、全身が鳩の糞だらけだ


 「ええいっ! 止めんかっ!!」

 「さっきから黙って聞いておれば……」

 「"恥ずかしい、恥ずかしい"と連発しおってからに」

 「クリストフの奴が頼みもせんのに勝手に建てただけじゃ!!」

爺が遂にキレた……


 「もしかして、初代国王と知り合いなの」

私が何気なく言う


 「知り合いも何も儂の弟子の一人じゃよ」

 「魔法の才能には余り恵まれんかったがの……正義感が強く賢い奴じゃった」

懐かしそうに爺が言う

 「おそらく教会を建て直した際に祠を祭壇の下に隠し結界封印術を施したのもクリストフの奴じゃな」

 「あ奴は結界や封印の類の術は得意じゃったからの……」

 しばらくの間、爺の昔話を子守歌のように聞きながら歩いていくと高い塔が見えてくる


 「あれが鐘楼じゃが……今は鐘が無いようじゃな」

 「一番てっぺんまで上がれるはずじゃ」

爺の指示通りに進んでいくと鐘楼の裏に回り込む、そこには階段が延々と続いていた


 「これ登るのっ!」

私は延々と続く階段を見ただけで挫折しそうになるがここまで来たのだから行くしかないと階段を上り始める

 「はぁっ、はあっ、ぜぇぜぇ」

 「何とか着いたよ」

息を切らしながらも鐘楼の頂上に辿り着く、そこからは王都ガリアン全体が見渡せる……周りを高い城壁に囲まれた城塞都市である



 私が鐘楼の階段を登っている頃、私と爺が出てきた祭壇のある聖パトリック教会は大騒ぎになっていた。

 伝説にある祭壇の隠し扉が開いているからだ、祭壇の伝説の扉は過去に何度も調査されたが発見できず単なる伝説だと思われていたからだった。

 その、扉が現実に目の前に存在し、しかも開いているのだ



 「扉の中には隠し部屋があり祠があります」

  「間違いありません、伝承通りです」

 神官の一人が立派な神官の衣装を纏った背丈165センチほどの小柄で痩せた白髪の初老の男性に報告する、ガリア王国の最高司祭クロード・ベクロンである


 「そうか……ならば、もう一つの伝承も真実だと言う事か」

最高司祭クロードが祭壇に空いた扉見つめて小さな声で呟く

"祭壇の扉、開かれし時、大賢者この地に降臨せり"もう一つの伝承がクロードの頭に浮かんでくる


 「最高司祭様……アレをご覧ください……」

神官が祭壇の扉の床を指差す、そこには扉から外に向かって足跡が付いていた


 「……もはや、疑う余地はなさそうだ」

 「もう一つの伝承通り"大賢者"様が降臨なされたようだ」

 「城に急ぎ使いを……"大賢者降臨せし"それだけだよい」

そう言うとクロードは教会の壁に飾られた絵をじっと見つめていた

 「再び、何かが起ころうとしているのか……」

 「福音か、それとも……災いか……」

遥かなる昔より"大賢者"は多くの災厄から人を救い、福音を与えるこの世の守り神として伝承されているからだった。

 「まさか……本当に実在するとはな……」

記録の上では、最後に大賢者が現れてより既に300年近くが経ち今では伝説上の存在とされ教会内部ですら大賢者は実在しないとされていたからだった。


 

教会が大騒ぎとなっている頃に騒ぎの元の大賢者様は鐘楼の頂上で景色を楽しんでいた

 「いい眺めだね……風が気持ち良いや……」

すっかり観光気分に浸っている私に


 「そろそろ、魔法の書を探したいのじゃが」

爺の声がする


 「あっゴメン……忘れてた……」

 「どうすればいいの」

私が爺に指示を乞う


 昨日と同じように布を敷き、上の魔法陣に髪の毛の代わりにこの魔法の書を載せる……これで完成……魔法陣に置かれた魔法の書が盗まれた魔法の書と引き合い場所がわかるのだそうだ


 私は布の上に仰向けに横になると爺のナビゲートで探査魔法を発動する

 今度は鳥になったような感覚だ空を飛んでいるようで気持ちが良い

「どうじゃ……なにか感じ取れるか」

 爺の声が微かにする


 「この当たりには何もないみたいだよ」

 「もっと遠くまで行くね」

私がそう言うと


 「余り無理はせんでくれよ……」

 「肉体と意識が離れすぎると後々に面倒な事になるからな」

爺が心配そうに忠告するが私の意識はより遠くへと飛んでいきヘベレスト山脈に達する

 「もういいっ! もういいから戻ってくるのじゃ!」

少し慌てたような爺の声が聞こえてくる、その時に何かを感じる


 「もう少しっ!もう少しで見つかりそう 」

爺の必死の呼びかけを無視して意識を飛ばし続ける


 「これ以上は危険じゃ、もういいから戻ってくるのじゃ!!!」

爺が必死で戻るように私に叫ぶ


 「あっ! あれっ! あれだっ!!!」

 「見つけたよ!」

その瞬間に私は暗闇の中に沈んでいった

 「あれっ……」

そのまま、私は気を失ってしまった


仰向けで横になっていた私がゆっくりと身を起こし立ち上がる

"すまんな……随分と無理をさせてしまったようだ"

私は気を失っている、体を操っているのは爺だ

"早く魔法工房に戻って対処せねば障害が残るやもしれん"

爺は布と魔石をバッグしまい込むと急いで階段を下り広場へと向かう


"ん……広場に人がいない……"

"気付かれたか……"

爺がそう思った時に何処からか野太い男の大きな声がする


 「儂は王都騎士団長のラザール・バルゲリーである」

 「大賢者様とお見受けするがいかに……」

と問いかけてくる


 「そうじゃが、ちと先を急ぐでこのまま失礼する」

と爺も大きな声で答える


 「それはなりません、王がお連れするようにと申しております」

 「我らにとって王の命令は絶対であります」

 「ご同行願えないのであれば……」

相手が大きな声で返すと広場を囲むように100人以上の兵士が姿を現す


 "厄介な事になったな……この距離では転移ゲートを発動させるにはまだ遠いか"

 "広場の反対ぐらいなら何とかなるか……"

爺は心の中で自問自答するとゆっくりと歩き出す


 「仕方がありませぬ……御無礼の程、お許し願う」

と大きな声で先程の男が言ったとたんに全兵士が一斉に飛び掛かってくる

武器を携帯しているが剣を抜くわけでもなく、本当に取り押さえるだけのようだ


一人目の兵士が爺に飛び掛かろうとした瞬間に何かに打ち付けられたように兵士が後ろに弾き飛ばされる

 それを見た兵士たちは一瞬動揺するが、今度は数人で別方向から同時に飛び掛かるが同じように一瞬で弾き飛ばされる


 後ろにいた兵士達が大きな網を爺に投げかける、網で絡めとろうとするが投げられた網は霧となって消え去った

 信じがたい光景に兵士達は動揺を隠せないでいる


爺は歩みを止めることなく何事も無かったかのように進み続ける、その姿に兵士たちは更に動揺して後ずさりする


 「もうよいっ!」

何処からともなく凛とした女性の声が響いてくる

爺が声の方を見ると一際煌びやかな鎧と兜を纏った騎士が兵士の後ろから姿を現す


 「指揮官とお見受けするがいかに」

 「今は急ぎの用がある故に同行いたしかねる」

 「後日改めて推参致す故に通してはもらえぬか」

爺は大声でその騎士に向かって言う


 「王の命令は絶対にございます」

 「このまま帰すわけには参りません」

そう言うと腰の剣は抜かずに横に立っていた兵士の持っている罪人などを捕縛するを刺股を手にすると物凄い勢いで爺に迫る


 "天晴! 自ら恐れる事も無く来るか"

 大概の指揮官などと言う類の連中は自ら進んで前に出る事はないからだ

 爺は心の中で騎士を称賛すると魔法を発動する、一瞬で騎士の鎧も兜も手にしていた刺又も消え去り丸裸の状態で地面にへたり込む

"えっ! 何なのっ!!"と言う表情だ

 鎧の中はまだ若い女性たったので反射的に胸と股間を隠し、いきなり自分が丸裸になっている事が信じられず戸惑っている


 へたり込んでいる女性騎士に爺は近付いていく、それを阻もうと兵士達が次々と爺に襲いかかるが弾き飛ばされ指一本触れることが出来ないでいると一人の兵士が感極まり腰の剣を抜き斬りかかる

 「まてっ! 剣を収めよっ!!!」

丸裸にされつつも女性騎士が兵士に命令する、しかし、既に剣先は爺のすぐそこにあった

 "ブォン!!"

と言う音と共に兵士の剣は真っ二つになり折れた剣先が宙を舞っていた。

 

 爺の腰の剣は抜かれておらず、その右手には白い石の棒のような物から青白い光が剣のように突き出している 


 「ひっ! 光の剣っ!!」

剣を真っ二つに折られた兵士が声にならない声で叫ぶ

これぞ大陸史上最強の剣士と言われ伝説となっている大賢者の得物、"光の剣"である


 その直後に爺から凄まじいオーラが流れ出しいくる

 殆どの兵士が戦意を失ってしまう


爺は裸のままで地面にへたり込んでいる女騎士のすぐ傍まで近づく

 「ひぃっ!」

気丈だと思われた女騎士もたまらず悲鳴を上げる

 ゆっくりと爺が女騎士の前に来ると手を差し伸べる、爺の予想外の行動に呆気に取られている女騎士の前に膝をつくと左の掌を前に差し出すと掌が光る。

 光が消えるとその浸りていは白い布が握られていた


爺は魔術錬成した純白の布を裸で地面にへたり込むの女騎士に被せる

 「えっ! これは……」

爺が立ち上がる時に不意にローブのフードが外れる

 「えっ!」

女騎士の目に映った大賢者の素顔は想像していたのとは余りにも違い過ぎた

 「あっあっ……」

女騎士は体に稲妻が走ったような衝撃と心臓が張り裂けそうなぐらい早く脈打つのを感じる

 「あのっ! お名前を……」

爺に名を問おうとするが言葉を最後まで言う前に爺はフードを直ぐに被り直すと光の中に消えていった


呆然としている女騎士に老練そうな騎士が駆け寄ってくる

「大丈夫でございますかっ!! シルビィ様!!!」

「お怪我はございませぬかっ!」

騎士の呼びかけにもシルビィはただ呆然としているだけだった


 時を同じくして聖・パトリック教会の祭壇下の扉も一瞬の閃光と共に消え去るのだった

 「お帰りになられたようだな……」

 最高司祭クロードがそう呟く、周りの神官達は祭壇下の扉のあった付近を調べまわっている

 しかし、いくら探そうとも扉の痕跡すら見つける事が出来なかった。


第五話 ~ 王都ガリアン ~ 終わり



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