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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第四十二話 ~ 王立アカデミ-の休日 ⑥ ~ 

第四十二話 ~ 王立アカデミ-の休日 ⑥ ~ 序章



 爺から衝撃の事実を知らされた私だがそれほどの精神的なダメ-ジは無かった。

 それは、私がレナと一緒にいられるだけで幸せだという事でそれ以上の関係を求めないという事でもあった。


 しかし、"レナは違う"……そんな、爺の言葉が私の胸の奥で今も響いている。


  一人、温泉に漬かりながら微睡(まどろ)んでいると……何だかのぼせたきたような気がする。

 "そろそろ、上がるかな……"私は心ので呟くと温泉から上がり服を着る。


 暫く、休憩して体を覚ました後で図書室へと向かう。

 図書室に入るとレナは机に無造作に積み上げられた本に囲まれ一心不乱に本を読んでいる。


 そんなレナの姿を目の当たりにした私の脳裏にいつかどこかで見たような光景が浮かんでくる。

 "こっ、これはっ! ルシィだっ!!"

 "大変だっ! レナがルシィ化しているっ!!"

 "このままだとレナが汚ギャルになってしまうっ!!!"

焦った私は急いでレナの傍に駆け寄るがレナは全く気付かない。


 「レナっ! ねえレナってば!!」

私が少し大きな声で呼ぶとレナは本を手にしたまま見向きもせずに


 「あ~マノン~なんか用~~」

レナは上の空で適当な返事をする。


 "マズいっ! このままだと本当にルシィ二世になってしまうっ!!"

焦った私はレナに

 「ねえ、読書はひとまず止めて休憩しない」

 「ここには温泉があるんだよっ!」

私はレナを温泉に誘うとするが


 「え~温泉~私は、後でいいわ」

 「マノン、先に行ってきて、私はこれ読んでから行くから~」

レナは完全に読書に夢中になってしまっている。

 すると、困っている私の脳裏に爺の声が聞こえてくる。


 "本当に、仕方が無いの~"

そう言うと私と入れ替わる


 「レナちゃんや……本好きなのは良い事じゃが」

 「読書も程々らせんとな、度を越えるようなら……」

 「これ以上は閲覧禁止にせねばならん」

爺の"閲覧禁止"の言葉にレナはビクッと反応する、そしてゆっくりとこちらを見ると


 「えっ!……閲覧禁止っ!!!」

今にも泣きそうな表情だ

 「はいっ! 分りました、パトリックさんっ!!!」

 「ですから……それだけは勘弁して下さい」

 「お願いします!」

レナは床に平伏すと媚びるような目して懇願する。


 かくして、レナは爺のウンチクじみたお説教を長々と受けることとなるのであった。

 

 爺曰く……。


 ① 読書は連続三時間まで、一時間に一度は五分程度の休憩を入れること。

 ➁ 読書の途中でも食事、風呂、睡眠はきちんととる事、身嗜みにもきちんとする事など。   

 これらをきちんと守れなければ以後、本の閲覧を禁止するとの事であった。


 爺はレナにきちんとその説明もしている……。


 ①は視力の低下や首や肩のこり、などを防ぐため。

 ②は生活リズムや体裁を守るためだそうである。



 床に正座して俯いたまま肩をすぼめてお説教を受けるレナの姿に同情を感じるが、何故か爽快感も感じる私だった。


 爺は一通りお説教を終えると気が済んだようで私と入れ替わる。


 「レナ……」

 「温泉に行こうか」

私がレナにそう言うと、レナは顔を上げてゆっくりと立ち上がる。


 「マノンに恥ずかしい所を見られちゃったわね……」

 

 「あんなに凄い量の本は初めて、しかも原本や完全写本ばかりだし」

 「本の数もそうだけど、質も逸品なのよ」

 「だから私、つい夢中になっちゃって……」

レナは顔を赤くしてモジモジしながら小さな声で言のであった。



 この世界の本は一冊の原本が存在し、それを書き写した写本が多く存在する。

 項目の多い本などは重要な部分のみを書き写した部分写本も多い、レナがカルベネの本屋で買った医学書は部分写本である。

 医学書のような専門書の完全写本は極めて高価で庶民に手の届く代物ではないのである。


 そんな代物が本棚いっぱい15万札もあるのだから本好きのレナが夢中になるのも無理のない事なのである。

 レナにとっては"猫にマタタビ"状態だったのである。 



 私はレナの手を取ると図書室を出る、そして温泉へと向かった。


 



  第四十二話 ~ 王立アカデミ-の休日 ⑥ ~ 



 温泉を始めて見るレナは、目をパチパチさせながら

 「ここは……」

私に聞いてくる。


 「温泉だよ……疲れているときは、これが一番だよ」

 「レナは、温泉は初めてでしょう」

 「レナの疲れを癒したくてね……私も入りたかったし」

私がレナに言うと


 「これが温泉なの……私、始めてよ温泉なんて」

嬉しそうに言う


 「ゆっくり入ってよ……」

 「私はさっき入ったから」

そう言って外に出ようとするとレナが私の手を掴む


 「いっ一緒に、一緒に入りましょう」

レナが小さな声で恥ずかしそうに言う


 「えっ……でも……」

私が困ったように言う


 「わっ私が一緒に入りたいのよっ…私とじゃ、嫌なの」

レナが少し俯いて言う


 「嫌じゃないよ……じゃ……一緒に入ろうか」

私も小さな声で言うと、レナが頷く

 

 二人並んで服を脱ぐ、何故か恥ずかしくない。

 私はレナが気がかりでレナの方を向くとレナと目が合う。

 ……お互い目を逸らすと無言になり服を脱ぎ終わる。


 湯煙の中で二人一緒に温泉に漬かる……やっぱり、気持ちがいい……。

 横を見るとレナも気持ちよさそうに目を潤ませている。

 「どう、初めての温泉は」

私がレナに話しかける


 「凄く気持ちがいいわ……疲れが飛んでいくみたい……」

そう言って手を組み伸びをすると大きな胸がゆれる……私は慌てて目を逸らす

 「なにを今更、目を逸らしてるのよ……」

レナは少し怒ったように言うので


 「確か、"私の前で裸になるのが恥ずかしい"って言ってなかった」

私がレナに言うと


 「もういいのよっ! マノンには恥ずかしいところ全部見られちゃってるんだから」

 「今更、隠す必要なんてもうないのよ……マノンはどうなの」

私の方を見て言うので


 「思ったほども恥ずかしくないよ……私もレナと同じかな……」

少し笑って言うと


 「私、昨日……マノンが"下着と着替えの用意して"って言った時にちょっと焦っちゃった……」

レナが恥ずかしそうに言うので


 「どうして焦ったりするの、温泉に入るから着替えは必要でしょう」

私が不思議そうに言うと


 「そうよね……私は温泉のことなんて知らなかったから……」

 「その……別の事、考えちゃって……」

と言うと黙り込んでしまった。


 「ごめんね……温泉の事、驚かせたかったのはホントだけど」

 「説明するより見てもらうしか早いと思ったんだ」

私がすまなさそうに言うと


 「もういいわ……そんな事……ほんとに温泉っていいわね」

言うと両手で湯を掬っている、私はそんなレナの姿を見ながら


 「ところで、レナがさっき言ってた"別の事"ってなに」

私が聞くとレナの動きがピタリと止まる。


 「さっき言ってた"別の事って"なんの事かな~」

惚けたように言う……レナの目が泳いでいる


 「レナ……嘘つくの下手だね」

私が言うと、レナの顔色が変わると


 「私って……マノンから見れば魅力が無いのかな……」

レナがお湯に映った自分の顔を見ながら小さい声で言う……。


 その時、爺の言っていた言葉が蘇る……。

 "レナちゃんは、お前さんと"交わって"もいいと思っている"……

 

 爺の言葉を思い出していると、私は急にレナを意識しだしてしまう。

 私が答えに困っていると

 「少し、熱くなってきちゃったから……上がるね」


そう言ってレナは私の前で立ち上がる。

奇麗なレナの裸体が私の目に映る……

 「うっ……何だか、頭がぼんやりする……」


私は少し俯くとお湯が真っ赤になっている。

 「あれっ……」

と思った瞬間に意識が遠のいていく中で爺の声がする

 「おいっ! しっかりせんかっ!!……」

爺の声が段々と遠のいていく

 「ちょっと! マノンっ! どうしたの……」

レナの慌てた声がする……そのまま、私は意識を失った。


 意識のない中で、夢を見る……。

 攻め寄せる物凄い数の軍勢……。

 燃え盛る炎の中で逃げ惑う人々、それを見下ろす自分の姿……。

 眩い閃光の下に一つの都市が一瞬で消え去り、その後で目の前に広がる巨大な穴……。

 周りが明るくなり、徐々に意識が戻っていく……。

 目の前に頂上の尖った変な形をした大きな山が二つ見える……。

 「気が付いた、マノン……」

レナの声が頭にこだまする、気が付くと私は裸のレナに膝枕されていた。


 「あれっ……私……どうしちゃったの……」

まだ頭が少しはっきりしない状態でレナに聞く


 「のぼせて、鼻血を出して倒れちゃったんだよ」

レナが私の顔を見ながら優しそうに言う、意識がはっきりとしてくる。


 「夢を見ていたよ……」

私は呟くように言う


 「どんな、夢……」

私は、夢で見た事をレナに話す


 「多分……戦争の夢だと思うよ……」

私が小さい声で言う。

最後に見た二つの山は、レナのオッパイだと思ったが流石にそれは言わなかった。


 私は、ゆっくりとレナの膝から体を起こすと

 「ごめん、レナ……心配させちゃって」

 私はレナに謝ると、レナは恥ずかしそうに私をチラチラ見ながら目線を逸らす


 「どうしたの……」

不思議に思った私がレナに問いかける


 「えっ……あの……あの……それ……」

レナが指さしたところに目をやると……股間が大変な事になっていた。


 「うわっ!」

私は、焦って自分の股間を手で押さえて隠す

 「あっ……こっこれは……その……」

 私は、余りの恥ずかしさに声が出ないでいると


 「アハハハ……」

レナが大声で笑いだす


 「酷いよっ! そんなに笑わなくったて……」

私は、レナに半泣きで言うと


 「大丈夫よ……これでも私、お医者さんの卵なのよ」

 「その……男の人の生理現象も少しは理解しているつもり」

そう言うと意地悪そうに笑う。


 「もしかして、レナって……私より男の人の体に詳しいのかな」

私がレナに問いかけると


 「そうかもね」

そう言うとレナは、私の目の前で大きな胸を両手で持ち上げるとちょっとエッチなセクシーポ-ズをした。


 「うっ!」

 「やめてよっ……レナっ!……また鼻血が出ちゃうよ」

私が泣きそうに言う


 そんなマノンを見ながらレナは、マノンが気を失っていた時にパトリックが話した事を思い出していた……。


 わしは近いうちに、こ奴に吸収され同化するじゃろう。

 ……その時、こ奴は真の大賢者となり、そして、その運命を背負うことになる……。



 ~第四十二話 ~ 王立アカデミ-の休日 ⑥ ~  終わり


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