第四十話 ~ 王立アカデミ-の休日 ④ ~
第四十話 ~ 王立アカデミ-の休日 ④ ~ 序章
自室に戻った後に、レナの部屋で自分がした事の記憶を取り戻した私は後悔し、この後どうすればよいのか悩んでいた。
「爺……魔法で何とかならない」
困り果てて爺に相談してみるが
「もう手遅れじゃな……強烈に記憶が固定されてしまってはな」
「強制的に記憶を改竄することも可能じゃが……お前さんは、それを望むまい……」
と爺は言う
「そうだね……自分で何とかするしかないね」
私は爺に言うのだった
同じ頃、レナもまたエレ-ヌの誤解を解くのにはどうすればよいのか悩んでいた。
そのエレ-ヌも二人の関係に薄々感ずいてはいたが、まだ清らかな関係だと思っていた二人の衝撃的な現場を目撃してしまい……この後、二人に会った時にどうすればよいのか悩んでいた。
三人はそのまま眠れない夜を過ごすことになるのだった。
そんな、悩み多き年頃の事情などお構いなく夜は明けて、また日は昇るのであった。
第四十話 ~ 王立アカデミ-の休日 ④ ~
一晩かけてマノンの出した答えは単純明快なものだった……とにかくレナに謝る
地に伏して地面に頭を擦り付けてでも謝って許してもらう事だった。
覚悟を決めたマノンは女子寮に再びやってきた。
あんな事をしても会ってくれるのか不安もあったが、レナは会ってくれるようだった。
同じように面会窓口でルシィに許可を貰いレナの部屋まで来ると深呼吸をしてドアをノックする。
昨日と同じようにレナがドアを開けてくれる。
私は部屋の中に入るりドアを閉めると
「昨日は、ゴメンっ!! 私……どうかしてました」
「レナをベッドに押し倒して無理やりオッパイ揉んじゃうなんて」
私はそう言うと床に土下座するのだった。
こんなことするは嫌だし、こんなので許してくれるとは思えないけど、今の私に出来ることはこれしかなかった、レナに嫌われたままなのはもっと嫌だった……
「もう……いいのよ……マノン……私も悪かったから」
「その……"ド貧乳"って言った事許してくれる」
と小さな声で恥ずかしそうに言う
「はぁ~、よかったぁ~」
私は安堵の余り体の力が抜けるような感覚がした。
私は、ゆっくりと立ち上がる……するとレナが私に
「エレ-ヌの事だけど……絶対に誤解してるわよ……」
レナは心配そうに言う
「誤解って……私がレナを襲ったとでも思っているのかな」
私が申し訳なさそうに言うと
「そうじゃなくて……私とマノンが……その……そういう関係だって」
下を見て小さな声で恥ずかしそうに言う
「そういう関係って……どういう関係……」
私が不思議そうにレナに問うと
「恋人同士って事よっ!」
レナは少し呆れたように言うと
「こっ恋人って……私とレナが……」
私は驚いて言うと
「私とじゃ……嫌なの……」
レナは少し悲しそうに言う
「嫌じゃない……誤解されてもいいよっ……私……レナことが大好きだから」
「レナがいいなら……エレ-ヌに誤解されたままでもいい……」
私は、素直な自分の気持ちを言う
「そう……だったら私も誤解されたままでもいい……」
「……マノン……好きよっ」
レナは私に抱き着いてくるとキスをした……
「えへっ、今度は私がマノンを襲っちゃった」
レナは恥ずかしそうに笑った。
こうして、私とレナは恋人同士となった……
「私……マノンの言った通り、凄くやきもち焼きだから覚悟してね」
少し意地悪そうにレナは微笑んだ……昔から"災い転じて福となす"か……これからどうなるのか分からないけど……。
私はレナと一緒にいたいから……マノンは心の中でそう呟くのだった。
二人で話し合った後、エレ-ヌの部屋に行く事にする。
レナに案内されてエレ-ヌの部屋の前まで来るとレナが私を見て目で合図をする。
レナがドアをノックすると
「エレ-ヌ、私……レナよ……話があるんだけど、いいかな」
レナがドアの前で言うとガチャとドアが開きエレ-ヌが顔をだす
「あっ……マノンも一緒なの……」
私を見てエレ-ヌが言う
「私、外で待っていようか」
言ってエレ-ヌの様子を伺う
「いいよ、マノンも一緒に入って」
言ってエレ-ヌは私も部屋に入れてくれた。
レナの部屋とエレ-ヌの部屋は、ほぼ同じ間取りのだった
「あの~昨日の事なんだけど……」
レナが言い難そうに言うと
「あっ……昨日の事ねっ」
「ごめん、大事な時に乱入しちゃって……自分でも最低だと思ってる」
エレ-ヌは、あからさまに動揺し謝罪する
「いいのよ、気にしないで……」
レナが言うと
「レッ……レナとマノンがあんな関係だなんて全く気が付かなかったよ」
エレ-ヌが恥ずかしそうに小さな声で言う
「違うのよ……アレはそんなんじゃなくって……その」
レナが言葉に困るのをみていた私は
「あれは、私が悪ふざけしてエッチなことレナにしちゃっただけで、エレ-ヌのが思ってるような事じゃないよ」
そう言うとエレ-ヌが不思議そうな表情に変わる
「そうなんだ……よかった……」
「私、てっきりマノンが欲情してレナを襲ったのかと思っちゃったよ」
エレ-ヌはホッとした表情になった
「酷いよっ、エレ-ヌって私の事、そんなふうに見てたんだ……」
「だったら……今度は、エレ-ヌのオッパイ揉んじゃおうかな……」
冗談交じりで私がエレ-ヌの胸を見て言うと、エレ-ヌは慌てて胸を両手で隠す
「マノンっ!」
レナが殺意のこもった厳しい口調で私に言う
「すいません……調子に乗りました」
「レナのオッパイもこんなノリで揉んじゃいました……」
私が卑屈になってすまなさそうに言うと
「アハハハ……私って馬鹿みたい、一人で悩んで損した気分」
とエレ-ヌが急に笑い出す
どうやら何とかなったようだ……と私は。心の中で安堵した。
一通り笑って気が済んだのがエレ-ヌはレナの方を見ると意地悪そうに
「……でもさ……あの時、レナってば凄く気持ちよさそうだったよ」
「……レナの声もそんなふうに聞こえたし……もしかして……本当は……」
ニヤニヤしながらレナの胸を見ながらスケベそう言うと
「そんなことないわよっ! エレ-ヌの勘違いよっ!!」
レナが顔を真っ赤にして慌てて否定する。
「そうなんだ……私の勘違いなんだ……だったらそれでいいけどね」
と言うと、また笑うのだった
「だからっ! そんなんじゃないのよっ!」
と必死になってエレ-ヌに訴えるレナだった。
こんな、たわいもない無駄ともいえる時間が、マノンが大賢者であることを忘れて一人のごく普通の人間として生きている事を実感することのできる最も欲しているものだった
しかし、マノンは普通の人間とは隔絶した能力を持つ大賢者であることは否定しようのない事実なのである。
その頃、店番をしながらマリレーヌはあれこれとマノン攻略を練っていた。
彼女は、諦めの良い性格ではない……。
たとえマノンが既に誰かのものであることを知ったとしても……。
そして、マノンが既に誰かのものであったとしても諦める必要などないからだ。
そう、この世界は多夫多妻……一人の男が何人もの女性と関係を持っても良いからである。
第四十話 ~ 王立アカデミ-の休日 ④ ~ 終わり




