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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第446話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~  ダキア王国様、御一行……②

 第446話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~

 ダキア王国様、御一行……②




 ピオーネ山脈越えをしてやっと辿り着いたガリア王国の王都ガリアンの発展ぶりはコレット達の想像を遥かに越えていた。



 アルセリアが宿舎の扉の鍵を外す。

 宿舎の扉を開けると室内は綺麗にリフォームされている。


 国が違えば生活様式も異なる。

 コレット達にとっては初めて触れる他国の生活文化である。


 石積みの壁には白い珪藻土の壁土が塗られ、天井は草花の絵が描かれた天井板が嵌め込まれている。

 天井からは円形の照明器具がぶら下がり壁にその昇降機が備え付けられている。


 窓にはダキア王国では珍しいガラス板が嵌め込まれている。

 床も木の板が貼られ歩きやすい大きな木のテーブルと椅子が何客も並べられている。

 その奥に2階に登る階段、その奥は台所と物置きがある。


 コレット達はまるで探検するように家の中を見て回る。

 自国のダキア王国では見た事もないような物がたくさんある。


 「これ?何なんでしょうか?」

 台所に入った世話係の子達が不思議そうに見ているのは井戸の手漕ぎポンプである。


 昔、日本の家庭にもあったのとほぼ同じ物である。

 ガリア王国でもあまり普及していないマノン・ルロワ開発、ルモニエ商会製造販売の最新式の手漕ぎポンプである。

 

 「さて?何でしょうかね?」

 物知りのアルセリアにもわからない。

 

 「アルセリアにもわからないようではお手上げですね」

 手漕ぎポンプを見ながらパレルラが諦めたように言う。


 「これって、何処となく船の底に溜まった水を抜くやつに似てね?」

 イラーナはそう言うと手漕ぎポンプのハンドルを上下にキコキコと動かし始める。


 「ちょっと!やめなさいよ!」

 「訳もわからず動かすと壊れますよっ!」

 力任せにポンプを動かすイラーナをパレルラが止めようとするのだが……


 "ぶしゅ!ぶしゅ!"

 手漕ぎポンプの口から水が出始める。

 本来なら呼水をしないと汲み上げできないのだがイラーナは筋力だけで水を汲み上げだのである。


 「これって、井戸の水を汲み上げる機械なのね」

 アルセリアは手漕ぎポンプの使い方を理解する。

 「それにしてもよくできてるわね……」

 「これの方が釣瓶より遥かに楽で効率的よ」

 手漕ぎポンプの有用性を即座に理解するアルセリアであった。

 汲み上げられた水は樋を通って台所の水瓶に入っていく。

 樋は途中で分岐するようになっているのがわかる。

 

 アルセリアは分岐した樋を伝っていくとトイレと風呂場に繋がっているのがわかる。

 

 トイレの横の水瓶には蛇口が取り付けれて用を足した後で流せるようになっている。

 もう1つの樋は風呂場の木桶に繋がっている。


 「本当によくできてる……」

 「凄く衛生的で便利なようにできてるわ……」

 「ガリア王国って本当に進んでいる」

 「我が国も絶対に取り入れるべきだわ」

 アルセリアは心の底から感心しするのであった。


 「これ、船の底に溜まった水を抜くのにも絶対にいいぜっ!」

 手漕ぎポンプを動かしながらイラーナは嬉しそうに言う。

 そんなイラーナをの純朴な笑顔に惹かれるパレルラであった。


 台所では世話係の子達が何か騒いでる。

 「これなんなの?」

 世話係の子達が不思議そうに見ているのはストーブである。

 調理と暖房の両方を兼ねる優れものでガリアでもようやく普及し始めた代物である。

 

 マノンがシラクニアで作った物が北国を中心に大陸中に普及し出しているのである。


 「これは……確かストーブって言うやつです」

 「私も実物を見るのは初めてですが知り合いの商人から聞いたのと形が似ています」 

 アルセリアはそう言うとストーブの焚き口を開く。

 「間違いないですね」

 「ここから薪を入れて火を起こすんです」

 「商人からは凄く便利だと聞いています」

 アルセリアがふと横を見ると扉がある。

 扉を何気なく開けるとそこには大量の薪が積まれている。

 「本当、よくできてますね」

 アルセリアはつくづく感心するのであった。


2階に上がると物置きと8畳程の部屋が4部屋ある。

 一つ部屋にベッドが2台づつ置かれている。

 この階が世話係の子達の部屋になる。

 そして、3階は大きな部屋から2つとある。

 1つはベランダ付きで南向きでコレットとアルセリアの部屋となりもう一部屋はパレルラとイラーナの部屋となるのである。


 世話係の子達も気の合うもの同士の2人部屋、コレットも世話役のアルセリアと同室、丁度良い人数での部屋割りは何の問題も無かったのだが……


 「げっ!お前と同じ部屋かよ」

 イラーナは嫌そうな表情をするのだが……

 "パルレラと同じ部屋って……"

 嫌そうな表情をしながらも心臓が激しく拍動する。


 

 「貴女と同じ部屋だなんて……」

 パレルラも迷惑そうな表情であるが……

 "イラーナさんと共同生活……"

 パルレラは考えただけで顔が熱ってくる。


 好きな人と同じ部屋での共同生活、2人とも心の中では嬉しくて仕方がないのである。

 典型的なツンデレ女子のイラーナとパレルラであった。


 そんなこんなで、ダキア女子達のガリア王国での新生活がスタートするのであった。


 


第446話 ~ マノン不在の王立アカデミー  ~

 ダキア王国様、御一行……②


 終わり

 


 

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