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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第三十六話 ~ レナの憂鬱 ~

 第三十六話 ~ レナの憂鬱 ~ 序章




 時計塔がらみの一件から数ヶ月が過ぎ、生徒たちの記憶からも消えていき王立アカデミ-平穏を取り戻していた。

 季節は、春になりロ-ル川に駐留していたゲルマニヤ軍も本国に撤収しガリア王国も落ち着きを取り戻しつつある


 そんな中で、レナの気分は晴れなかった……と言うのも最近になりマノンの噂をよく耳にするようになったからだ。


 噂と言っても、悪い噂ではなくどちらかと言えば良い噂ばかりなのだが、レナは素直に喜ぶ事が出来なかった。


 入学時のスピ-チの一件もあり、マノンに対する生徒たちの反応は冷たく関りになる事を避け遠まきにしてきたが最近はそうでもなくなってきたのだ……。

 

 今までは、寄り付く女子はエレ-ヌぐらいだったのだが、徐々に他の生徒と会話を交わすようになり請われれて講義の内容を説明したりしているうちに生徒間での人気は高まっていき外見の良さも手伝って女生徒の中には本気で好意を寄せるものまで出始めたのである。


 これは、レナにとっては一大事であった。





 第三十六話 ~ レナの憂鬱 ~ 



 レナは、いつものように中庭のベンチでマノンと一緒に講義のレポ-トを見直しているとマノンの方を見る。

 "やっぱり、いつ見ても素敵だわ"……と心の中で呟くのだった

ボ~っとマノンの顔を見ていると


 「レナっ! どうしたのボ~っしちゃって調子悪いの」

マノンが心配そうに私の顔を覗き込む


 「何でもないわ、ちょっと考え事してただけ」

私は慌てて言う……"本当の事なんて言えるわけないでしょう"


 「悩み事なら、いつでも相談してよ力になるから」

マノンはにっこりと笑って言う


 「ありがとう……大した事じゃないから」

私も作り笑顔で答える……"マノン……貴方が原因なのよ、この鈍感ヤロ-めっ" 


 「レナも、中級科目に進級したんだったね……おめでとう」

マノンは、嬉しそうに言う


 「マノンは、もう上級科目なんでしょう……凄いよね」

私は感心して言うと……"本当に凄いよね……マノンって……"


 「じつは、明日から最終科目なんだ」

マノンは照れ臭そうに言う


 「えっ! もう最終科目なの……嘘でしょう」

 「このままの調子なら半年で卒業じゃない……最短コ-スね」

私は少し焦って言う……"もう少しで卒業科目じゃない……先に卒業するなんて嫌よ"


 「……でバロ-導師が、新制度の特別推薦生の第一号にならないかって言うんだ……」

と少し俯いて小さな声で言う


 「凄いじゃない、特別推薦生なんて」

私は嬉しそうに言う……"特別推薦生なら在学期間が延びるから、マノンと一緒にいられるわ"

 「特別推薦生……か……」

マノン言うの目は、私には何か遠くを見ているような気がした。


 マノンと別れて女子寮に戻り自分の部屋に入る……。

 最優秀生徒の特別室に比べれば狭いが、個室として机や椅子などの最低限の備品は揃っている。


 鞄を机の上に置くと、ベッドに倒れこむ……ハアッとため息が出る。


 "私って臆病なのかなもっと積極的にアプロ-チした方がいいのかな"

 "でも……マノンって鈍いし……私にはそんなこと出来そうにない……"

 "それにマノンって、どうも男子らしくないんだよね……"


 "他の男子生徒は私の胸ばかりいやらしい目で見ているのに……"

 "やっぱり、ちょっと前まで女子だったからそういうのに疎いのかな"

 "それに……出発前にはキスしてくれたし……"

 "でも、一緒のベッドに寝てても何もしてこないのよねっ!"

"……私ってマノンから見ればそんなにも魅力ないのかしら……"

 "もしかして……このお腹の肉のせいでその気無くしちゃったとか……"

 "あ~もういいや……さっさとレポ-ト纏めてシャワ-を浴びて寝よっ"


 レナはベッドから起き上がると椅子に座り昼間マノンと一緒にやっていたレポ-トを纏める。

 マノンは教えるのが上手なのでレポ-トを纏めるはいつも楽だった。


 私は、マノンに本当に感謝している……"村にいる時は私がマノンに教えていたんだよね"

 とレナは少し前に受験勉強したときの事を思い出すのだった。


 "村の学校で習う内容と王立アカデミ-で習う内容は全くの別物だったわね"

そう呟くとレポ-トを纏めるレナであった。


 レポ-トを纏めるとシャワ-室へ行く、そこには何人もの生徒がいる。

 トイレと同じでどうしても時間がかかるため女子シャワ-室は混むのである。


 "仕方ないな出直すか"

 シャワ-室を出て暇を潰そうと休憩室へ向かう途中で三人の先輩生徒が話をしているのが耳に入る。


 「……ねぇアリエル、マノンって子、知ってるよね」

一人の女生徒が言うと


 「知ってるわよ、有名人じゃない」

 「入学式のアレは凄かったわよね……ヤバいよ彼奴って思ったわよ」

アリエルが笑いながら言う


 「確か、フランセットは同じ薬学科じゃなかったの」

もう一人の女生徒が言うと

 「そうよ、……多分、天才よあの子、もう明日から最終科目だって」

 「それに、アリエルやジャネット達が思っているようなヤバい奴じゃないよ」

 「成績がいいからってエラそうにしないし、優しいし、親切だし、私はああいう子は好きだよ……薬学科にはガチで狙ってる子もいるよ」

そうフランセットが真面目そうに言うと


 「うぇっ! フランセットが真面目な顔して好きとか言ってるよっ」

 「まぁ、確かに……よく見ると凄い美形だし、頭もいいんだったら……いいんじゃない」

ジャネットが意味ありげに言うと


 「何が……"いいんじゃない"よっ……アンタみたいな貧乳女にゃ無理だよ」

フランセットが軽蔑するかのように言う


 「酷っ!、そんなに小さくないわよ……ホレホレ」

ジャネットがそう言いながら両手で胸を持ち上げて見せる、それを払い除けながら

 「それにねっ、私らみたいな、平民出の奴が出る幕はないよ……」

 「どうせ良家のお嬢様に持ってかれっるて」

そう言うと他の二人は急に何も言わなくなった。


 それを聞いていたレナは急に不安になっていく。

 ……マノン……やっぱりモテるんだ……

 いつかエレ-ヌが耳元で囁いた。

 "彼、ここの女生徒には特にモテだろうからしっかりねっ"が脳裏に鮮明によみがえる。


 "このままじゃ……やっぱり、ダメだよね"でも、私はどうすれはいいのかな……

 レナの憂鬱は増すばかりだった。


 "エレ-ヌさんにでも相談した見ようかな……"とレナは悩んでいるのだった

 しかし、誰が見ても彼氏いない歴がレナの年齢よりも長い独り身に相談するのは間違いである。


 同じようにマノンもレナの噂話が耳に入るたびに、日ごろの行いが良くない事も含めてレナの心移りが不安になるのであった。


 自室のベッドに寝転がりマノンは……

 もうすぐ長期の休みがあるからレナも誘って工房の温泉に行こうと決心するのであった。



 第三十六話 ~ レナの憂鬱 ~ 終わり


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