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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第二十五話 ~ 王立アカデミ-受験① ~

 第二十五話 ~ アカデミ-受験① ~ 序章



 情け容赦の無いレナ大先生のシゴきになんとか耐え抜いた私は今日晴れて王立アカデミ-の地方試験会場のあるポルト-レの地方都市カルベネへ旅立つ。


 マノワール村からカルベネまでは歩いて丸一日かかる、全工程二泊三日の予定である。

 (カルベネには転移ゲ-トが無いので普通に歩いて行かなくてはならない)

 暫くの間、この村やレナともお別れだ……。


 長かった苦行の日々を思い出しつつ、私は大きな荷物を背負い家族の見送りを後に家を出た。

 途中でレナの家にも立ち寄り挨拶と今までのお礼を言うつもりだ。

 レナの家に着くとドアをノックする

 「ハ~イ」

と返事がしてドアが開くとそこには旅支度をしたレナの姿があった


 「えっ…」

レナの姿を見た私は状況が理解できず凍りつく、それを見ていたレナは


 「私も王立アカデミ-を受験するんだよ」

と笑顔で言う


 「えっ!えー!!、聞いてないよっ!!初耳だよっ!!!」

と私が慌てていると爺の声がしてくる


 「いや~じつはな、お前さんの教育係を頼んだときにレナちゃんも一緒に受験すると言い出してな」

 「まぁ……そういうことじゃ……後はよろしくな」

と言うとまたもや気配を消した


 呆然としている私にレナの両親が

 「大賢者様がご一緒ならば安心です、道中娘をよろしくお願いします」

深々と頭を下げた。


 「じゃ行って来るね」

とレナは両親に言うと私の手を引いて歩き出した。


 こうして私の受験旅行は私の全く予想だにしない幕開けとなった。





 第二十五話 ~ 王立アカデミ-受験① ~




 まだ少し雪の残る道を、私は呆然と歩いていた。

 私の前をレナが歩いている……。

 これは夢だ……きっと夢なんだと自分に言い聞かせるが、頬を打つ冬の風の冷たさがこれは現実なんだと思い知らせてくれる。


 前を歩いているレナに

 「レナどうして王立アカデミ-なんかを受験する気になったの」

と私が尋ねると


 「実はね、王立アカデミ-なんか受験する気もなかったんだよ」

 「でも、死熱病になってもう駄目だ…私は死ぬんだって思ったときにマノンが助けてくれた」

 「その時に、私はお医者さんになりたいって本気で思ったんだ」

 「パトリックさんからマノンが王立アカデミ-を受験するって聞いたときに決心がついたの」

 「両親に話したら条件付きだけど許してくれた」

 「推薦状は学校に頼んだら書いてくれたわ……」

 「オレリア導師が協力してくれたの」

 「そして今ここに私はいる」

とレナは歩きながら幸せそうに話す。

 その様子を見ていると私もなんだか嬉しくなっている。

 (私は、この時に"条件付き"と言うレナの言葉をさほど気にはしていなかった)


 途中の村や町で休憩を取りながら日が沈みかけた頃に地方都市カルベネに到着した。

 カルベネは、古くから交通と物流の要所として栄えてきた都市でそれなりの都会である。

 「凄いわね…」

 「あれが試験会場のカルベネ庁舎ね」

とレナが街を見回して言う


 確かに、田舎育ちの者から見れば結構な都会であるが王都ガリアンには遠く及ばないなと私は思った。


 これから、今日の宿を探さなくてはいけないのだが、何件か宿屋をあたったが相部屋の宿屋には幾つか空きがあったのだが、個室の宿屋は何処も満室でようやく探し当てた宿屋も二人部屋一室しか空きが無かった。


 「仕方が無いわね…ここにしましょう」

とレナが言うと宿泊手続きを始める


 「ちょっと、レナ」

と私が困ったように言うと


 「野宿でもする気なの、私は嫌よそんなの」

と言うとさっさと手続きを済ませると私の手を引いて部屋に行く


 「へえ~結構、いい部屋じゃない」

 「気が利いてるわねシャワ-ル-ムまであるじゃない」

とレナは部屋を見て言うが、私は部屋に大きなベッドが一つしかない事が気がかりだった。


 「ベッドが一つしかないから、私はソファで寝るよ」

と何気なく言うと 


 「何言ってるのよ、こんな時期に……風引いちゃうわよっ!」

 「一緒に寝るに決まっているでしょうっ!」

 「今更、恥ずかしがる相手でもないでしょうが」

 「それに明日は試験なのよ、ぐっすり眠って疲れを取らないと」

とレナは平気な顔をして言う


 私としては一緒に寝るほうが眠れないような気がするのだが…言わないほうがいいような気がしたので何も言わなかった。


 荷物を解き明日の用意を済ませ、簡単に食事を済ませ部屋に戻る

 「ちょっと、シャワ-浴びてくるね」

と言うとレナはシャワ-ル-ムのカ-テンを引いた。

 中から服を脱ぐ音が聞こえシャワ-の音がする…そしてシャワ-の音が止まるりカーテンが開くと、タオル一枚を巻いただけの姿でレナが出てくる。

 私に憑依したときの記憶が蘇って来る……


 「早く、マノンも入って」

レナは呆然としている私を見てと何も気にする様子も無く言う


 「うん」

と返事をすると私はカ-テンを閉めて服を脱ぎシャャワ-を浴びた。

 

 そして体を拭いてタオルを巻いて外に出ると、レナは既に寝間着に着替えていた。

 レナは貫頭衣に下はズボンをはいていた、これなら多少寝相が悪くても大丈夫だ。


 私も、寝間着に着替えようとするとレナは後ろを向いてくれたので安心してタオルを外して寝間着に着替えた。

 因みに、私は貫頭衣だけである……明日の朝が心配だ……


 何だか、気まずい空気が流れる。

 「明日のこともあるし、もう寝ようか」


とレナが少し赤い顔をして言うので、やっぱり恥ずかしいんだなと思った。

 「うん、寝よっか」

と私も同じように言った。


 ランプの火を消すと部屋は暗くなったが星の明かりに徐々に目が慣れてくる

 同じベッドの中に入るとレナの体温が微かに感じられる。

 不埒な事を考えることも無く何故か不思議と落ち着いてくる気がする。

 一日中歩き詰めだったこともあり、私はいつものように数分で眠りに着いた。


 朝、顔に当たる日差しで目が覚めた、隣にはまだレナが寝息を立てている。

 同じように歩き詰めだったので疲れているんだろうと思ったが、そろそろ起きた方が良いと思いレナを起こすと目を覚ました。

 「おはようレナ……よく眠れた」


と私が聞くと 

 「うんっ、いつの間にか眠ってた」


と少し眠そうに眼を擦りながらベッドの上に座るように上半身を起こす…その時私の目はレナのある一箇所に釘付けになった。


 「どうしたのマノン……」

と言うと私が釘付けになっている部分にレナが目をやると見る見る顔が真っ赤になっていく

 「見たっ! 見たのねマノンっ!!」


と言ってレナは体のある一箇所を慌てて隠す。

 ……そう……お腹だ……。

寝間着のズボン前の上に見事にお腹の肉が乗っかっていたのだった。


 「だっ大丈夫だよ……そっそれぐらい……」

と私は"何でも無い"と言おうとするが声が引き攣る


 「……お会い子……」

と小さい声でレナが言うと私のほうを見て

 「じつは昨日、マノンが着替えてるときね」

 「……あの鏡に丸映りだったんだよ」 

と顔を赤くして言う


 「えっ! そうなの」

そういえば、着替えた後でレナの顔が赤かったのって


 「レナのエッチ」

と私が目を細めて言うと


 「あれは、偶然なのっ!本当よっ!」

と必死になって言い訳をすると


 カ-ン、カ-ン、カ-ンと教会の音がする。

 「ヤバイよっ!遅刻だ」

と二人して焦って着替えだす。


 ふと気が付くと私もレナもパンツ一枚になっていた。

 お互いがお互いの裸を目の当たりにすると…何も言わずに背を向けてシズシズと着替え終えてから

 「さあっ、行こうか」

と言って何も無かったことにするのであった。

 

 二人で歩いて庁舎に向かう、受付の役人に推薦状を渡すと受験者証をもらい別の部屋へと行くことになった。

 「頑張ってね、マノン」

と言うとレナは別の部屋へと入っていった。

 

 私も部屋に入り指定の席に座る。

 暫くすると、二人のアカデミ-の服を着た人が入って来る…試験官だ。

 いよいよ、試験開始だ…んっ…もしかして…あの瓶底メガネの大きな体…ルシィだっ。

 間違いない、試験官の一人はルシィだっ…ちゃんとした服装だったので分からなかったが…これはまずいっ…試験が始まる前にいきなり窮地に追い込まれた。


 

 第二十五話 ~ 王立アカデミ-受験① ~ 終わり





  

 

 

 


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