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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第178話 ~ 2人だけの暮らし 二日目 ⑥  ~

第178話 ~ 2人だけの暮らし 二日目 ⑥  ~



序章


シルビィの様子が落ち着いたのを見届けた爺は王立アカデミ-に向かって王都の上空を飛んでいた

 "んっ! この気配っ!!!"

 "まさか……"

爺は動揺したかのように呟くとパックは広場の塔の方に急旋回する


広場の塔の頂上に降り立つとすぐさま転移ゲ-トを開いて魔法工房へと転移していくのであった



 「ဤနေရာ この場所だな」

 「ရှေးခေတ် စာရွက်စာတမ်းတွေအရ ပင်လယ်ကမ်းစပ်မှာ ရှိသင့်တယ်။ 古文書では、海辺のはずなのだが」

頭らしき人物がそう言うと辺りを見回す


 「ရှေးဟောင်းစာရွက်စာတမ်းများတွင် ဖော်ပြချက်များအရ သိရသည်။ 古文書の記述通りなら」

 「ဒီနေရာကို မှားသွားလို့ မရပါဘူး။ この場所に間違いありません」


タブレットほどの大きさの石板を手にした人物がそう言うと頭は背負っていたバックパックからスマートフォンほどの大きさの白い石板を取り出す

 「မြေမျက်နှာသွင်ပြင် ပြောင်းသွားပုံရသည်။ 地形が変わったようだな」


そして、スマートフォンを操作するように石板を指で撫でるようにすると…


 "ゴゴゴ……"

重い音を立てて床の魔力転換への入り口が開く

3人は少し緊張している様子で顔を見合わせると中に入ろうとすると……


 "ピィー! ピィー! ピィー!"

ナビゲーター役の人物が手にしているタブレットほどの大きさの石板が音を立てる

 「နှိုးစက် 警報っ!」

 「တစ်စုံတစ်ယောက် လှုပ်ရှားနေသည်။ 何者かが転移してきますっ!」


ナビゲーター役の人物の鬼気迫る言葉に残りの2人は身に着けていた白い棒のような物を素早く抜くと背中合わせになり身構える

頭らしき人物が手にしているのは長さ60センチほどの細い棒状で片手に構える

もう一人はそれよりも長く1メートル以上で太めである

両手でしっかりと握ると丈のように構える


ナビゲーター役の人物は片手に石板を手にしたまま、20センチほどの短い棒を反対の手に構える



静まり返った遺跡に警報音だけが響く


 「လာ! 来ます」

ナビゲーター役の人物が小声で呟くように言うと同時に遺跡に眩い閃光が走る


 「တိုက်ပွဲကိုယ်ဟန်အနေအထား!!! 戦闘態勢」

頭らしき人物が緊迫した声で叫ぶ

白い石の棒を構える3人の手が僅かに震えているのが分る

額からは冷汗が流れている


眩い閃光が収まると3人の目の前にはオウムのパックがいるのであった


 「ဟမ်? へっ?」

 「ငှက်?…… 鳥?……」

緊張の極限状態にあった3人は同時に気の抜けたような声を上げるのであった


パックが南側の魔力転換炉の遺跡で異界からの訪問者と対峙している頃……

マノンは下着専門店の"女の城"でレースが付い黒色のたかなりエッチな上下の透け透け下着を試着して店中の女性の視線を一身に浴びているのであった




第178話 ~ 2人だけの暮らし 二日目 ⑥  ~



 "シルビィが出産って……"

流石のマノンも動揺を隠せない


 「どうしたの……」

急に顔色が悪くなった私を見てカルラが心配そうに尋ねてくる


 「へっ」

 「べっ!べっ!べっ!別に何でもないよ……」

私は平静を装って答えるがカルラは明らかにマノンの様子が変である事に気付く


 「……まぁ、いいか……」

カルラはそう言うとそれ以上は何も言わなかった

2人で王都の大通りを歩き広場の塔の頂上へと向かう

転移ゲ-トを作動さ魔法工房へ戻る


 「これからだと、サボンの村へ明るいうちに帰るのは難しいね」

私がそう言うとカルラも頷く

 「ここに泊っていく」

私がそう言うとカルラは嬉しそうに微笑むと大きく頷いた

 「だったら、夕食の用意するね」

私はそう言うとカルラと一緒に図書室へと向かう


マノンは図書室に入ると女体化した身体を男体化させる

 "やっぱりこっちの方がしっくりくるなぁ……"

元々女子であった頃の感覚を忘れかけつつあるマノンであった


性転換には腹が空くという副作用がある

マノンは食事を作るために図書室の片隅にあるキッチンに行くと何やら置手紙のような物がある


 「何だこれ……」

マノンは手紙を手にすると何やら文字らしきものが書かれている

 「南…の遺跡…異界…来訪者」

文字が下手くそ過ぎてよく読めないでいるとカルラが横から手紙を覗き込む


 「これって……」

 「"南側の魔力転換炉の遺跡に異界から来訪者"」

 「"先に向かう"じゃないかしら……」

カルラは難なく手紙を解読する


 「カルラって凄いね」

 「こんな下手くそな字が読めるなんて」

私は思わず感動しているが……

 「えっ……"異界から来訪者"って」

 「大変だ~っ!!!」

手紙の内容に焦って動揺するマノンにカルラが冷静に話しかける


 「どういう事なの……」

 「よければ話してくれない」

落ち着いているカルラに事情を話す


 「なっ! なっ! なっ!なんですってぇ~!!!」

マノンから事情を聴いたカルラは事の大きさに慌てふためく


 「落ち着いてよカルラ……」

今度は私がカルラを冷静になるように話しかける


 「何にせよ、遺跡に行ってくるよ」

 「悪いけどカルラは温泉にでも入ってゆっくりしててよ」

私はそう言うと魔装服に着替えリュックの中から必要そうな魔道具を身に付ける


 「必ず帰ってきてよね」

 「マノンが帰らないと私も帰れなくなっちゃうから」

カルラはそう言うと私の頬に軽く口づけをした


 「すぐに帰ってくるよ」

私はそう言うと転移ゲ-ト室へと向かう、転移ゲ-トを作動させて南側の魔力転換炉の遺跡へと転移する


眩い閃光がマノンを包み込み南側の魔力転換炉の遺跡へと転移させる


ここに、ゲルマ帝国とアル・マノース共和国の末裔が3500年ぶりに会いまみえることとなるのである

後に大陸史上に残る大事件として記録される事となるのだが、当事者の今のマノンにはそんなこと知る由も無いのである



因みに、図書室のキッチンに置かれていた置手紙はパックが嘴でペンを銜えて書いたのであるから字が下手なのは当たり前である……




第178話 ~ 2人だけの暮らし 二日目 ⑥  ~


終わり


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