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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第170話 ~ 2人だけの暮らし 一日目 ① ~

第170話 ~ 2人だけの暮らし 一日目 ① ~



序章



ルイーズの他にもう一人、王立アカデミ-でマノンを探している女生徒がいた

そう、"リリアーヌ・テリエ"である

ルームメイトであり恋人の"メラニー・ソニエール"のいたずら(背後から乳揉み攻撃)に遭い大切な"儀礼の書"を破いてしまい新たに実家で書き直してもらったために少し焦っているのである

 「いったい何処にいるのよ……」

リリアーヌは制服のポケットの奥深くに忍ばせた"儀礼の書"を気にしながら呟く

 「流石にこれ以上遅れると実家の父が黙ってないでしょうね」

 「破いてしまった"儀礼の書"もワザと破いたように疑っているようだったし」

リリアーヌは心の中で呟くとため息を吐く

 「これも全部、メラが悪いのよね……」

 「今日、見つからなかったら……お仕置きね……」

今日、一日中マノンを探しまわっているのに見つからないイライラをメラニーのせいにするのであった

当然、マノンは見つからず……


その日の夜は、リリアーヌに八つ当たりされたメラニーのいつもより激しい悶絶する喘ぎ声が両隣の部屋に聞こえてくるのであった……


そして、メラニーがリリアーヌの体に良いお仕置き(性感マッサージ)で昇天し、そのまま裸で朝を迎えた頃……

マノンは、カルラに股間を踏みつけられた上に後頭部に鈍器(水瓶)を投げつけられ同じように昇天しているのであった……





第170話 ~ 2人だけの暮らし 一日目 ① ~



熱が下がり命の危険性は無くなったとはいえ、カルラは激しく消耗しており数日間の養生が必要があるのは明白であった


 「2日ほどここにいるよ……」

私は、少しやつれた感のあるカルラに言う

 「大したことは出来ないけどね」

少し苦笑いしながら言う


 「ホント……」

カルラは信じられないと言った表情で私の方をジッと見ている

 「そう……」

小さな声で呟くとそのままベッドに入り毛布を被ってしまった


 「……どうしたの……」

 「気分が悪いの……」

いきなりベッドに入って毛布を被ってしまったカルラの事が心配になり問いかける


 「何でもないわよ」

 「早くよくならないとね」

カルラは小さい頃から悲しい事や嬉しい事などがあるとこうしてベッドで毛布を被ってしまう癖があるのである

言うまでもなく今回は後者、嬉しい事だからである


ベッドの上で毛布を被ったままのカルラを見ていると宿屋のおばさんが食事を持ってきてくれる

 「カルラちゃんの具合はどうだい」

ベッドの上で毛布を被っているカルラの方を気にしながら言うとカルラが毛布から顔を出す


 「もう、熱も下がったし大丈夫よ」

 「心配かけて、ごめんなさい」

そう言うとカルラはニッコリと笑った


 「もう、大丈夫そうね……」

 「爺さんにもそう言っとくわね……」

おばさんはカルラの様子を見て安心したような表情になる

 「熱が下がったからと言って無理しちゃだめだよ」

頑張り屋さんのカルラが無理をしないかと心配の様子だった


 「それに、マノンが2日ほど家にいてくれるって」

カルラがそう言うとおばさんの表情がニヤリとする


 「そうかい……それは良かったね」

 「大したものは作れないけど……」

 「三食、私が作ってここへ持ってきてあげるから食事の心配はしなくていいよ」

おばさんはそう言うとカルラの方を見てニッコリと笑うとなんだか嬉しそうに部屋を出て行くのであった


 「カルラの調子が良くなって、おばさん嬉しそうだったね」

私がそう言うとカルラは少し恥ずかしそうに小さく頷くのであった

おばさんが何を考えているのかをカルラは分かってがマノンには全く分からないのであった

かくして、マノンとカルラの2人だけの生活の一日目が始まるのであった



カルラの付き添い……とは言ってもマノンには何もする事がない……

自分で食事も出来れば、着替えも出来るし下(排泄)の世話もする必要がないからである


カルラもせっかくマノンが来てくれたのに一緒に畑仕事をしたり、その後で山の温泉に行く事も出来なけば料理を作ったもしてあげられないのである

……当然、夜の営みもである……これがカルラにとって一番辛いのである


カルラはベッドに寝たまま、私はその横で椅子にすわったままである

2人ともどうしていいのか分からずに時間だけが流れていく……

 「マノン、どうして急にここサボンの村へ来たの」

突然、カルラが沈黙を破るかのように問いかけてくる


 「ただ……何となくかな……」

私は呟くように言う


 「そう……何となくね……」

カルラは少し笑って言うと私の方を見る

 「私、熱で魘されている時に"助けて"って願ったのがマノンなのよ」

 「気が付いたら、本当にマノンがいるんだもの驚いちゃった」

カルラはそう言うと私の顔をジッと見つめている


 「そして……股間踏みつけられて、後頭部を鈍器で強打されるのね」

私はボソッと言うとカルラの表情が急変する


 「ごめんなさいっ!」

 「本当にごめんなさいっ!!」

 「知らなかったのよっ!」

カルラは必死になって謝罪する


 「ぷっ! ははははは」

 「冗談だよっ」

私が笑って言うとカルラは拗ねて毛布を被り横を向いてしまった

 「ごめん、ごめん、私が悪かったよ」

素直にカルラに謝罪する

 「今日一日、様子を見て何も無かったら体の慣らしに外に出ようか」

私が拗ねて横を向いているカルラに話しかけるとカルラは毛布から顔を出す


 「だったら、温泉がいい……」

 「それで、今のは許してあげる」

カルラはそう言うと恨めしそうに私を見る


 「わかったよ……温泉に行こう」

 「その前に少し体の具合を見ていいかな」

私がそう言うとカルラは小さく頷く、カルラの上着を捲り上げると大きな胸が露になる

カルラは少し恥ずかしそうに頬を赤く染めて横を向き視線を逸らしている

私が心配しているのは高熱が続いたことによるカルラの体の後遺症である


 「少し触らせてもらうね」

私がそう言うとカルラは何も言わずに小さく頷く

カルラの喉元から首筋、腕の付け根付近、そして胸を触るとカルラがビクッと反応するのが分かる

 "あああっ本当になんて良いさわり心地なんだ"

 "いけない、いけない、こんな事考えちゃ……"

私は自分に言い聞かせるとカルラの肺などの呼吸器系、心臓に異常がないかを注意深く検知していく

 "異常はなさそうだ……"

続いて、お腹の方も検知していく

 "胃腸は少し弱っているようだな……"

 "この程度なら心配ないな……"

カルラの体に高熱が続いたことによる大きな障害がないことを確認する

 「……カルラ、少し胃腸が弱っているけど」

 「熱病の後遺症はなさそうだよ」

私がそう言うとカルラはホッとしたように大きなため息を吐く

 「次は頭を触らせてほしいんだけど……いいかな」

私の問いかけにカルラは少し不思議そうな顔をしながらも頷く


私がカルラの頭をなでるように触るとカルラの表情がウットリとしたようになる

 "脳の方にも異常はなさそうだな……"

 "記憶障害もなさそうだ"

カルラに何の後遺症もない事に私は一安心する

 「体のどこか痛い所とかある」

私が問いかけるとカルラは少し戸惑っている


 「お年寄り見たいって笑わないでね……」

カルラは少し恥ずかしそうに言うと私の方を見る

 「あの……腰が痛いのよ」

小さな声で呟くように言う


 「ああ~」

私にはその腰痛の原因が分かった……いわゆる寝腰である

同じ体勢で3日間も寝ていたので血行不良によって筋肉が凝ってしまい腰痛を起こしたのである

 「うつ伏せになって」

私はベッドに寝ているカルラに言うともモソモソとうつ伏せになる


 「少し寝間着のズボンを下げるね」

私がそう言うとカルラは小さく頷く、ズボンを少し下げると腰の凝っていそうな部分を指で軽く押さえる

 "やっぱりね……コチコチになってるよ"

私は心の中で呟くとカルラに話しかける

 「腰の筋肉がコチコチだから少し揉み解すね」

私がそう言うとカルラは再び小さく頷く

 「それじゃ……押すね……」

 「少し痛いけど我慢してね」

私はそう言うとカルラの腰をグイグイと押し始める


 「あっ……あっ……」

 「うっあんっ! あっあっあっ!」

 「はあっ! はっ! 」

 「これっ! きっきっ効くぅっ!!」

腰を押すたびにカルラは体を捩らせて喘ぎ声を上げる

3分間ぐらい押すと凝り固まっていた腰の筋肉が和らいでくる


 「もういいよ、これで楽になったと思うよ」

ベッドの上で息を切らしながらぐったりとしているカルラに話しかける

 「ついでに、他の所と関節の方も解しておくね」

私はそう言うとカルラのお尻のほっぺの部分をグリグリと押し始める


 「あっ! これ凄く気持ちいいっ!」

 「なんだか、眠くなってきそう……」

お尻のほっぺの部分を押し終えると太腿と脹脛の部分を掴むように揉み解す

 「うっ! あっ! ひっ!」

 「ちょっとコレ……痛いわね」

カルラはベッドの角を両手で掴んで耐えているのが分かる


 「もういいよ、次は関節の方するね」

私はそう言うとカルラに仰向けになってもらう

カルラの両足首を掴むとグッと股を押し広げる


 「えっ……ちょっと待ってっ! 待ってぇ!!」

カルラはそう言うと慌てて股間を押さえる

 「いきなり何てことすんのよっ!」

若い女子が急に股を押し広げられれば流石に慌ててしまうのは当たり前の事である

当然、朴念仁のマノンはそんなこと気にもしていなかったのだが……


 "そう言えば……セシルの股ズレのときもそうだったよな"

マノンの脳裏にその時の記憶が蘇る

 「ごめん……」

素直に謝るマノンであった……

かくして、45分の揉み解しサービスを受けたカルラは満足そうな表情でベッドに横たわっているのであった


 「どう……少しは楽になった」

私がベッドでぐったりしているカルラに問いかける


 「体が凄く軽くなったような気がするわ」

 「畑仕事の後に温泉に入った時のような感覚だわ」

カルラが少し眠そうな声で私に答える


 「お昼まで時間があるから少し眠るといいよ」

私が眠そうにしているカルラにと言う


 「うん……何処にも行かないでね」

 「傍に居てくれる……」

そんなカルラに私は微笑むと首を縦に振る

 「手……握って」

そう言うとカルラは私の手をギュッと握りしめる

そして、暫くするとスースーと気持ちよさそうな寝息を立てて眠ってしまった

私はそんなカルラの寝顔を椅子に座ったままずっと見ているのであった



山間を駆け抜ける風が窓から入ってくる

遠くで村の誰かが会話をしている声が微かに聞こえてくる

時より鳥のさえずる声も聞こえてくる

本当に静かで平穏な時間がゆっくりと流れていく

王都のような喧騒や慌ただしさはまるで感じられない

マノンは、この村のそんな時間の流れが本当に気に入っているのだ


玄関に誰かの気配を感じる……窓の外を見ると陽が高くなっている

 「もう……お昼か……」

マノンは小さな声で呟くと、おばさんの声が玄関から聞こえてくる


 「お昼持ってきてあげたからね」

 「食べ終わったら、器はそのままでいいからね」

カルラが眠っているのを見たおばさんは小さな声で囁くように言い残すと、そっと部屋を出て行くのであった


 "せっかく、食事を持ってきてくれたけど……"

 "カルラが目を覚ましてからでいいかな……"

私は眠っているカルラを見て呟くと椅子に座る


結局、その日カルラが目を覚ました頃には日も傾き夕方になっているのであった

当然、マノンはおばさんの持ってきてくれた昼食はしっかりと完食しているのであった……



第170話 ~ 2人だけの暮らし 一日目 ① ~



終わり




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