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いつの間にやら憑依され……  作者: イナカのネズミ
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第144話 ~ 大賢者・マノン・ルロワ ⑬ ~

第144話 ~ 大賢者・マノン・ルロワ ⑬ ~



序章


マノンがダキア王宮で豪華な食事に舌鼓を打っている頃……

王都モダンテ郊外の山の麓の村では異変が起きていた


 「幻獣だっ!」

農作業をしていた農民の一人が叫ぶ


生息数はそんなに多くはないがヘベレスト山脈やピオ-ネ山脈に単体で生息する幻獣は、その多くが比較的食料の豊富なピオ-ネ山脈に生息している

(幻獣は雑食で小動物や植物の実などを食べている)


ダキア王国では時より幻獣が食べ物を求めて彷徨っているうちに偶然に人里に降りてくる事が稀にある

本来、こちらから危害を加えない限り幻獣は人を襲ったりする事は滅多にないのだが……この幻獣は違っていた


それは、人の味を知ってしまった幻獣であったという事だった

人の味を知ってしまった幻獣は人を(獲物)食べ物として認識してしまい人を襲うようになってしまうのである

同時に、この大陸の人間にとってそれは最悪の敵、捕食者となってしまうという事である



この幻獣が人の味を知ってしまったのは、ほんの数刻前なのである

マノンに街を追い出された3人の悪党は他の街へと移るために山中を移動していた、そして偶然にこの幻獣と遭遇してしまったのだった


予期せぬ幻獣との遭遇が時よりあるダキアの民であれば、幻獣と遭遇するようなことがあっても何もせずに後退りすれば良いという事を幼いころから言い聞かされているのだが……

この3人は違った、ゲルマニアの中央部の平原地帯で育ったために幻獣との遭遇はこれが初めてだったのである


 「何が大賢者様だっ! 今度会ったら必ず復讐してやる」

未だに痛む股間を擦りながらリーダー格の男が口汚く罵る


 「もう、あいつと関わるのは止めた方がいい」

 「それに、"大賢者の呪い"が掛けられているんだ」

 「こんな事なんか止めて、真面目に暮らそう」

もう一人の男が気弱そうに言う


 「馬鹿野郎っ! 何言ってやがんだっ!! この野郎っ!!!」

 「テメーみたいな弱気な野郎に用はねぇ!!」

リーダー格の男がもう一人の男に口汚く罵る

もう一人の男はいつもの事に何も言わずに黙って聞いている


じつは、自己中心的で性格の悪いリーダー格の男は他の二人から嫌われているのである


そんな時、茂みでガサガサと何かが動いている気配がある

 「そこに誰かいやがんのかっ!!!」

短気で気の荒いリーダー格の男が茂みの方に歩いていく

機嫌の悪いリーダー格の男は腰の剣を抜くと茂みに向かって無闇矢鱈むやみやたら)に斬りかかった

 「グルルルルーーーッ」

茂みから現れたのは体長2メートル近い幻獣だった


 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 「お前ら、何とかしろっ!」

腰を抜かして他の二人の方を振り向くとそこには二人の姿は既に無かった

 「あいつらっ! 俺を放ぽって逃げやがったなっ!!」

恨みの言葉を罵ると同時に幻獣が襲い掛かってくる

必死で剣を振り回すが直ぐに右腕を喰いちぎられる

 「ぎゃぁぁーーっ!」

悲鳴を上げるリーダー格の男に幻獣は容赦なく襲い掛かる

次は左足に喰いつかれ振り回され地面に叩きつけられる

必死で逃げようとするが最後は首元を喰いちぎられてあっけなく絶命するのであった


 「あの馬鹿が幻獣の餌になったようだぜ」

 「手が切れて清々するな」

 「これ以上、あんな奴に付き合ていられるかよ」

男がリーダー格の男の断末魔の悲鳴を聞いて笑って言う


 「ああ……いい気味だな、幻獣が腹を壊さなきゃいいけどな」

 「あんな馬鹿でも最後はちょっとは役に立ってくれたな」

もう一人の男も笑って言う

 「あの糞野郎も本当に幻獣の糞なったようだし」

 「何処かで、真面目に暮らそう」

そう言うと2人の男は希望に満ちた微笑みを浮かべ振り返ることも無く足早に走り去るのであった


人の評価とは、その人が亡くなってから本当に評価されるものである。

どれだけの人がその死を本当に惜しみ悲しむかでもある

リーダー格の男には、そのような事は全くなかったのである

仲間にすら惜しまれ悲しまれることない死であった……


誰にも供養されぬ、その魂は救われる事なく成仏も出来ずに忘れ去られ永遠に混沌を彷徨い続けることになるのである


リーダー格の男のように神仏に祈る事すらない者の魂など全ての魂を極楽浄土へ導くという阿弥陀如来や観音菩薩ですらその存在に気付く事はなのいである




第144話 ~ 大賢者・マノン・ルロワ ⑬ ~




 「こいつ、"人喰い"だっ!」

人の味を知ってしまい人を襲うようになった幻獣をダキア王国では"人喰い"と呼び恐れているのである

 「村の者に早くっ!」

明らかに普通とは違う幻獣の行動に気付いた農民が大声で隣の畑にいた者達に叫ぶ


暫くすると、村の鐘がけたたましく鳴り響き村の各所から煙がもうもうと立ち上る

ダキア王国の山村では極稀に出没する"人食い"の対策は既にとられており、村の各所からもうもうと立ち上る煙は、火と煙を嫌う幻獣の特性を利用しているのである


同時に、村の各所からもうもうと立ち上る煙は近隣の村に"人喰い"が出没したことを知らせる"狼煙"でもあるのだった


村人は家に籠り各々の家の前では火が轟々と焚かれ煙が立ち上る、幻獣は燃え盛る炎と立ち上る煙を避けるようにして村の外へと走り去っていく……

しかし、走り去った方向は王都モダンテのある方角であった



王都モダンテでも街の人々は山麓の村々から立ち上る煙を確認していた


 「"人喰い"が出たようだっ!」

立ち上る煙に気付いた誰かが言うと街の人々は一斉に近場の建物へと非難していく、"人喰い"が出ると近場の建物の中に避難するのは王都モダンテでは常識なのである


あっという間に街から人の姿が消える、その代わりに炎と煙が王都モダンテを覆い尽くす

その様子は高台にあるダキア王宮からも確認できる


 「どうしたの……何か騒がしいね」

王宮の中が少し騒めいているのに気付いた私は窓の外に目をやると街から煙がもうもうと立ち上っている様子が目に入る

 「大変だっ! 街が燃えているっ!! 大火事だっ!!!」

私は立ち上る物凄い煙に慌てて椅子から立ち上がる


 「あれは、火事ではございませんわ」

 「"人喰い"が出たのです」

コレットは何事も無い様子で言う


 「"人喰い"……何、それ」

私は"人喰い"が何なのか分からないのでコレットに問いかける


 「人の味を覚えた幻獣です」

 「幻獣の嫌う炎と煙で街に近付かないようにしているのです」

コレットは窓の外の煙を見ながら私に言う


 「物騒だね……よく出るの」

よくある事のように言うコレットの物言いに私が訪ねる


 「幻獣の食べ物を求めて時より人里に降りてまいりますが……」

 「"人喰い"は滅多にでません、4~5年に一度あるかないかですわ」

コレットがそう言うと王宮の中が騒がしくなる


すると、兵士が一人慌てて食堂に駆け込んでくる

 「大変です、"人喰い"が王宮に入り込みましたっ! 」

 「至急、ご非難をっ!」

兵士の言葉に食堂にいた者達が騒めく


護衛の騎士たちに囲まれて私とコレット、アメリー、それに食堂の料理人たちが避難を始める


その頃、兵士を連れて私の保護に食堂に向かっていたデュドネは"人喰い"と遭遇していた


 「デュドネ様をお守りしろっ! 」

護衛についていた隊長か叫ぶと部に兵士6人が槍を構えてデュドネの盾になる

 「我々が幻獣の足は止めします」

 「今のうちに安全な所にお逃げください」

隊長の言葉にデュドネの顔が歪む


 「幻獣に普通の武具では太刀打ちできん」

 「宝庫の魔剣を持ち出すゆえ、それまで何とか持ち堪えてくれ」

デュドネはそう言うと急いで宝物庫へと走っていった


隊長がデュドネが走り去るのを見届けると、掛け声をかける

 「ここは、我らで何とかする」

そうすると、6人の兵士もそれに応えるように"おう"と言う声を上げた

 "とは言ったものの、我らだけでは……どうにもならんな……"

隊長は心の中で悲壮に呟くが絶望はしていなかった

 "こいつらだけは何としてでも……"

自分の横で槍を構える、まだ顔に幼さの残る若い兵士の見て何かを決意したかのように呟くのであった



一方、国王のバルバートは既にお付の騎士や兵士と共に頑丈な隠し部屋に避難していた

 「幻獣はどうなっておる」

護衛の騎士に尋ねるが騎士は申し訳なさそうな表情をする


 「申し訳ございませんが……外の事は全く分かりません」

騎士の言葉にバルバートはデュドネやコレット、アメリーの事を心配するのであった

 "何事も無ければよいのだが……"

そう心の中で呟くと部屋の壁際の台座に飾られている3女神の像に祈るのであった



マノン達も非難すべく護衛の騎士と兵士に守られながら廊下を足早に歩いている

先頭の騎士が注意深く周りを警戒しながらの避難である

幻獣は、物陰に隠れて獲物を待ち伏せ襲う習性があるからである


 「ここは、大丈夫だっ」

騎士が小さな声で言うと手招きをする、そのようにしながら廊下を進んで行く


 「ぎゃぁぁぁーーーっ!!!」

突然、人の叫び声がする……それも、断末魔の悲鳴である

護衛の騎士や兵士に緊張感が走り、コレットが不安そうに私に身を寄せてくる


因みに、コレットはその時のどさくさに紛れてマノンの胸とお尻をさり気なく触っているのだがマノン自身は全く気付いていなかった、だが……


隣にいた、コレットお付の女騎士のイサベルは気付いているのであった

 「コレット様……こんな時でも……」

我が主ながら節操のないコレットの女色に呆れるように呟くのであった



 「この近くにいるな……」

先頭の騎士が小さな声で呟くと腰の剣を抜く


 "お前さん……このまま知らぬフリをするわけにも行くまい"

爺の声が聞こえてくる


 "勿論だよ……"

私はそう呟くと身を寄せているコレットの両肩に手を添えると顔を見る

 「ちょっと行ってくるね」

私はそう言うと悲鳴の聞こえた方へと歩み始める


 「お待ちくださいっ! 」

 「如何に"大賢者の弟子様"と言えども……」

 「"人喰い"は尋常ならざる相手にございます」

コレットが私の事を引き留めようと手を掴む


 「大丈夫だよ」

私はそう言って微笑むとコレットが私に抱き着くと軽く口付けをする


 「ご武運を……」

コレットは耳元で囁くと私の手を放した



悲鳴の聞こえた方にゆっくりと歩いていくと数名の兵士が血を流しながらも気力を振り絞って幻獣と戦っている姿が見える

その奥に重傷を負った兵士が一人倒れているのも見えた

(部下を庇い致命傷を受けてしまった隊長の兵士である)


 "何とか、全滅する前に間に合ったようじゃな"

爺の安心したかのような声が聞こえてくる

 "すまぬが、今の儂では足手まといじゃ"

 "一度、人の味を覚えた幻獣は人を襲い続ける……"

 "一撃で楽にしてやるがよい……"

そう言うと爺は私の肩から飛び去る


ゆっくりと幻獣に近付いて行くと兵士が私の事に気付く

 「何をしているっ! 早くにげろっ!!」

血に塗れながらも私に逃げるように叫ぶ


 "随分と無理をして戦っていたんだな……"

体中に幻獣の爪痕が残っているのが分かる傷口からは血が溢れ出しポタポタと床に落ちている

防具が無ければ致命傷となり死んでいたであろう


私は無言で兵士の前に出ると幻獣が飛び掛かってくる

その瞬間……

 "ブォン"

と言う音と共に赤い閃光が走り幻獣の首が一瞬で胴体から切り離され宙を舞う

床に倒れた幻獣の体と転がった首は塵となり消えていく


信じられないような光景を兵士たちは呆然と見ている他になかった

兵士たちが伝説に語られる桁外れの"大賢者"の力を見せつけられた瞬間であった


安心感と傷から気の抜けた兵士が次々と床に倒れ込むようにその場に座り込む

私は奥で深手を負った兵士の傍に行くと兵士の傷の様子を見る


 "右腕に大怪我……これなら何とかなる"

 "他の傷は大した事はなさそうだ"

私は失血で血の気の無くなった兵士の右腕に治療魔法を全力でかける

傷口は見る見るうちに塞がり血が止まる


奇跡のような、その様子を兵士たちは床に座り込んだままで呆然と見ている

次に負傷している兵士達の大きな傷に次々と治療魔法をかける


幻獣の爪に切り裂かれた傷口が一瞬で癒えて痛みも無くなっていく


 「奇跡だ……」

そう呟くと、兵士達は自分の体の傷がたちどころに治してしまうマノンをただ呆然と見つめているだけであった


程なくしてデュドネが宝物庫から国宝の魔剣を抱え兵士を引き連れ駆け付けた頃には全てが終わっていた

 「これはどうした事か……幻獣は……どうした」

状況が全く把握できずに辺りを見回している


傷の浅かった一人の兵士がデュドネに駆け寄ると耳元で囁くように状況を伝える

 「なんとっ! それは真か」

 「だとすれば……あのお方が"大賢者の弟子"様という事か」

デュドネは手にしていた魔剣を兵士に託すと急いでマノンの元へと駆け寄る


 「小生はこの国の宰相を務めさせていただいております、デュドネ・アルブーと申します」

 「"人喰い"の始末、更には兵の傷までも癒していただき感謝の極みにございます」

マノンの前に膝まづくと自らの官位を述べ感謝の意を表す


 「私はマノン・ルロワと申します」

 「世間では……あの"大賢者の弟子"とか呼ばれていますが……」

 「ごく普通の食いしん坊で温泉好きの女子にございます」

 「そのようにして畏まる必要等ございません」

私がそう言って笑うとデュドネは意外そうな顔をする


 "人喰いと化した幻獣を一撃で葬り去り……"

 "深手を負った兵士の傷をたちどころに癒すほどの力を持ちながら……"

 "何という、謙遜な態度……"

デュドネはマノンの己の力を誇る事の無い謙遜な態度に感銘を受けるが……

 "ちょっと待ってよ……何か大事なことがあったような……"

デュドネは"人喰い"騒ぎで当初の目的を忘れていた事に気付く

 "そうだったっ!!! コレット様が何か変な事を……"

当初の目的を思い出したデュドネの顔色が青ざめていく


 「どうかなさいましたか」

私は、急に青ざめたデュドネの顔色に気付いて訪ねる


 「なんでも……いえ……あの……」

デュドネは何か言いたそうだが言えずに困っている様子が分かる


 「都合が悪いなら別に言わなくてもいいよ」

困ってるデュドネに私が笑って言う


 「あっ……」

デュドネは私の顔を見て目を大きく見開く

 "この寛大な御方ならば、些細な事など気にも留められますまい……"

そう心の中で呟くとマノンに深々と頭を下げるのであった


そんなマノンを陰からこっそりと見守っていた者がいた……そう、コレットである

 "凄いわ、それになんてカッコいいのっ!! "

コレットは心臓の高鳴りに身を震わせる

もはや、完全にマノンの虜となってしまったのであった


そして、何事も無かったかのように廊下の角から姿を現すとマノンの方へと近づいて行く


 「"人喰い"はどうさないましたか」

全てを見ていたのに白々しく周りの者に問いかける


 「マノン殿が始末してくださいました」

 「それに、傷ついた兵の傷までも癒していただき……」

デュドネはコレットに事のあらましを説明する


 「それは本当ですかっ!」

 「本当にありがとう存じます」

 「ここにおります者全員になり代わり深く感謝の意を示します」

白々しく丁寧なお礼の事を述べるコレットだが……

その一部始終をオウムのパック(爺)に見られているなどとは思いもよらなかったのであった


 "恋する乙女とは時として狡猾な者よな……"

 "まぁ……それも良いか……"

爺はそう心の中で笑って呟く……コレットの行いをマノンには告げ口するような野暮な事はしなかった


その後、マノンは国王のバルバートに謁見を許されることとなる

(コレットとデュドネの働きかけによるものである)


その際に、バルバートは今回の働きによりダキア王国騎士の称号を授けようとするがマノンはそれを辞退するのであった


その理由は簡単で、如何に"大賢者の弟子"とはいえよく素性のしれない者に名誉ある王国騎士の称号を授ける事には少なからずの異論や反対意見がある……と、爺から助言を受けたからでもある



そして、その場から忽然と姿を消し現れる事なかった……

コレットがマノンとの再会を果たすのは2年後のことである


コレットは喪失感と失意に打ちひしがれ半ば廃人と化すが、立派に立ち直りダキア王国史上初の女王となり国を治めることとなる

マノンと離れてすぐに清楚な服装から軽装甲冑に身を包むようになり"鎧の女王"と呼ばれることとなる


コレットは男子とは一度も交わることなく一生を終えることになる……

だが、女色は終生健在で千人以上の女子と関係を持つ事となるのである

しかし、全て相手との同意の上での事であり、力づくによるものではない

50歳で王位をアメリーの長子に譲り退き61歳でこの世を去った



第144話 ~ 大賢者・マノン・ルロワ ⑬ ~


終わり




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