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第42話…魔王襲来

ルビィ達がドトロア公国からプリフォレ公国に帰り、数日後の話…


プリフォレ公国宮廷では、聖人の祝日の晩餐会が開かれていた。

貴族達が集まった晩餐会は形骸化したもので、単に暇つぶしと言った意味合いが強かった。


中央には貴族達、壁の周りには軽装備の兵士が数人いた。何年も何事もなかったのだろう、緩い感じの警備だ…

その中にアヴァ・キャンベルもいた。


「ねぇ、アヴァ、わたし疲れたのぉ…お部屋で一緒に遊びたいのです…」

アヴァ・キャンベルに話しかけたのは9歳の皇女モント・ル・プリンセス・フォレストだ。


「モント姫、もう少し我慢してください。もう少しで終わりますから…」


突如ベランダに誰かが降り立った気配がした。次の瞬間ベランダの扉が粉々に砕け散った…


悲鳴が館内に響く。侵入してきた2人を見たからだ…


1人は顔面に斜めの傷跡の魔人族、もう1人は邪悪なオーラを放つ悪魔族


数人の衛兵と騒ぎまくっていた貴族が突如、燃え上がる。館内は騒然となった…


「静かにして下さい。うるさい方から燃え上がりますよ…」



静かになった館内で、もう一人の男、魔王は料理を食べワインを飲んでいた…


「う~ん、やはり美味いな…」

「喜べ、虫けらよ、生かしてやることに決めたぞ…」


「魔王ワンファン様のお言葉です。これよりこの国は魔族の奴隷国家に決まりました。この国の王よ、出てきて跪きなさい」


アヴァが剣を抜き2人の前にでる、その体は聖属性魔法により淡く輝いていた…


「無礼者。王には指1本触れさせない」


「おや、これは俺の顔に傷をつけた聖魔法の騎士か。少し勘違いをしている様だな…羽虫がっ!」


ドン!


アヴァが膝を突く、その周りの床が陥没して行く…


「ほう、以前はこの程度でつぶれてたものを、多少は強くなったみたいだな…」

「魔王様に剣を向けるとは不遜に過ぎますね…」


アヴァの右手が炎に包まれる…

「ぐぅ…」

アヴァの右手から剣がこぼれる…


床が陥没するほどの圧力に耐え、手が炎に包まれても悲鳴すら上げず、相手への警戒を一瞬たりとも怠らない、アヴァの胆力も凄まじいものだった…


「つまらん、つぶれろ!」

魔王が言い放ったその時、1人の少女が立ちはだかる。

少女はコップに入った水をアヴァの右手にかけて、魔王と正対した…


「アヴァを虐める奴はあたくしが許しません」

「姫様、お願いします、お下がり下さい!」


「なら、一緒に死んどけ…」


「待ってくれ、それだけは、頼む…」


国王が割って入った…


「ふむ、貴様の娘か…その豪胆さ気に入った…」


「5日時間をやろう、5日後に奴隷国の宣言をしよ。そうでなければ皆殺しだ」


「逃げることは叶いませんよ。周りは魔族たちで囲みましたから。あなた方にも都合はあるでしょう。なに、今と変わりませんよ、まつりごとはあなた方に任せますから…」


アルタ姫の体がふわりと宙に浮いた…

「ヘタな気を起こさぬようこの娘は預かっておく…」


「では皆さん、5日後の奴隷国宣言、楽しみに待っていますよ…」


「待て、姫を返せ!」

「アヴァ、お父様、国民のことだけをお考えになって…」


アヴァの言葉虚しく、魔王とヌーとアルタ姫は空に消え去った…

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