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第28話…新生活


わたしの住んでる山小屋は8畳くらいの広さしか無い。1人で住んでいるから問題は無かった。なんだかんだで1人暮らししてた、1人は楽だと思っていた…


でもこれからは違う。4人暮らしだ…

期待と不安、うまくやっていけるのだろうか…


やらなければいけないことが山積みだ。ベッドの増設、小屋自体を拡張した方がいいのか?キッチンも大きくする?3人の着替えも用意しなければ。開墾かいこんもしなくちゃ。


やることが山積みなのに不思議と面倒だとは思えない。ワクワクの方が大きいからだ。そうか、やはり寂しかったんだな…

みんなも楽しそう。気の合った仲間とワイワイするのは楽しい…


部屋が狭いので、ベッドはわらを広めに敷いてシーツをかぶせ、雑魚寝ざこねする。なんだろう…幸せなんだが…

レイラは甘えん坊。くっついて離れない。シルビーもずるいと言いつつ、くっついてくる…

ま、はっきり言おう…

獣人最高です。


特に今の時期、冬は布団いらないんじゃないかと思うほど暖かい。

フワフワ、モフモフ…さわり心地も最高だ…

冬の山は寒い、布団重ねてブルブルしていたのが嘘のようだ…


ただ、問題がある、非常に困った問題だ…

知った者同士なのか、彼女たち寝るときは真っ裸(まっぱ)なのだ…

こればかりは、人の習慣を押しつけるわけにはいかない…

まぁ、ちなみにわたしもパンツ1枚なのだけど…1度裸でモフモフを経験したら、もう後には戻れない…


さらに、あろう事か、彼女たちは舐めてくる…ぺろぺろと…

「ごめんねルビィ、習性だから仕方ないんだよ…」

と言うのだけれど…ほんとうか??


正直に言えば、嫌ではない。イヤではないんだ、いや、むしろ嬉しいんだ…

ただ、変な気分になってしまう…そうムラムラしてしまうんだ…

まさか、こんな事態になってしまうとは、予想も付かなかった…


彼女たちにも弱点はある。しっぽだ。しっぽをなでなでするとピクッとなって、トロンとなるんだけど…これやっちゃうとムラムラが加速してしまうんだよねぇ…


もう、どうすりゃいいのさ…!



手合わせ…


最初は慌ただしかったが、2週間ほど経つと落ち着いた。生活が落ち着いた所で、レイラが模擬戦やろうと言い出した。さすがバトルメイド。血が騒ぐみたいだ…


「さぁ、どっちが強いか、試すぴょんよ…」


「お手柔らかにね…」


初っぱなからバトルモード全開でいくか…

ちなみに、現在の魔力量は1年前と比べて3倍になってるから、2時間位は戦える。普通、魔力量って増える人でも2倍までいかないらしい…


「速っ…レイラ手加減してくれないの?」


「攻撃全部(かわ)してるくせに、よく言うぴょんね…」


レイラの攻撃はとにかく、速い…

速いんだけど、直線的で単調。フェイントも分かりやすい…

ディープラーニングでの学習が進んで行くと、未来予測の出のタイミングが速くなり、こちらの一方的な展開になる…


おまけに、攻撃が軽い。これは体重が軽いから仕方ないんだけど…

軽い→強い攻撃→単調

と言うループにおちいってるみたいだ…


レイラが半ベソになっている…

ついに、泣き出した…


「うわぁぁぁん、当たんないよ…」

「アンタ、なんかインチキしてるぴょん…グスッ…」


…よっぽど悔しかったのかな…まぁ、インチキしてるんだけどね…


クロエとシルビーは少し驚き気味だけど、温かい目でニコニコ観戦してる。

珍しかったのかな…


「はい、ちょっと休憩入れま~す」

「うわぁぁん…なんで、なんで?」


「レイラはね、強い攻撃しかしないから、分かりやすいんだよ…」

「だって、体はたいたって、意味ないぴょん…」


「身体強化って使ってる?」

「使ってない。意味ないぴょん、あんなの…それに魔力あんまないし…」

「どれどれ…」


なるほど、確かに、常人の8割くらいの魔力量だ…


「獣人って魔力量あまり高くないのよ」

「元々人間より身体能力高いから、必要じゃないのよ」

…クロエが解説してきた。


そうなんだ…確かに、強い攻撃の時だけ、身体強化って念じるのは、リズム崩れるしな…ならば


「少し詠唱の仕組みを変えてみるね」

「なに言ってるぴょん?」


「手を出して、少し、静かにしてて」


イニシャライズ…

>イニシャライズ完了しました

インストール、ジョイントロックパッケージ

>レイラを対象にインストールを開始します

>ジョイントロックパッケージをインストールしました


「できたよレイラ…」

「試しに、頭の中で、ロード、ジョイントロックって念じてみて」


「うん、思ったぴょん…」

「何も変わらないぴょん…」


「うん、それはね、相手に打撃がヒットした時に、関節が固定される身体強化魔法なんだよ。試しに、わたしの肩を手の甲で払ってみて…」


「こ、こうかぴょん…」


ヒュン…パンッ!

吹っ飛んだ…レイラが…


「な、な、何したの??」

「だから、さっき言ったじゃん…」


「あ、あんた、やっぱりインチキしてたぴょんね…」

「いや、要は使い方なんだってば…」


「それにね、使い方を間違えれば、弱くなるのよ。つまり、攻撃力が弱ければ、ナイフ持てば、解決するわけ。なのに別の方法で攻撃力を上げて、それに慣れちゃうと、ナイフ持ったときに、動きに精細を欠くことになるわ」


「それでも、使ってみたい?」


「うん、素手でも、武器持っても、強くなりたいぴょん!」

「わかった。じゃぁ厳しく教えるね」


「さっきレイラが吹っ飛んだのは、踏ん張ってなかったから。踏ん張っていたら力はわたしに向かってきたの。わかる?」


「うん、あんなに飛ぶとは思わなかったぴょん…」


「でも、いつも踏ん張っていたら、レイラのスピードは活かせない。だから、当たる瞬間だけ踏ん張るようにするの。それがこれから教える震脚しんきゃくよ」


「シンキャク?」


「簡単に言うと、大地で相手をぶん殴ってる感じかな…」


「え?頭おかしくなったぴょん?」


「はは、やってみればわかるよ…」



型を教え、やり方を教えて、実際に震脚のどのタイミングで体がぶれないかを体を押して教えた…

レイラは天才だ。運動神経が異様に高い。飲み込みが早すぎるのだ。


「なるほど、これは凄いぴょんね…」


そのうちけいも教えるか、そしたらもうジョイントロックは必要ないかもね…

まぁ時間はかかると思うけど…


1週間後…


「えっ、えっ…えっ…キャッ」


「はーはっはっ!どうぴょんよ!ひれ伏しなさい!」


早すぎる、強くなるのが、驚きしかない…

と思いきや…練習サボって、どこか行っちゃった…どこ行ったんだろう?


夕方、満面の笑みで帰ってきた…

狩りでもしてきたのか?服がボロボロなんだけど…


夜、ピアニィがやってきた。顔が腫れてる…夫婦げんかでもしたのか…w


「ルビィあたしにも教えて、シンキャク…」


あっあぁ…そういうことか…

子供かレイラ…負けず嫌いかピアニィ…


弟子が1人増えた…


◇◇◇◇◇◇


う~ん…獣人ってみんなこんなんなの?もう、わたしでは太刀打ち出来ないくらい強くなってるんですが…


クロエとシルビーはマイペース。うん、あの2人が異常なんだ…


クロエとシルビーには音響、残響、ノイズキャンセリング、視覚効果、光量増幅の強化、調整をインストールした。


シルビーは耳がいい上に聞き分けも人間の比ではないし、元々夜行性なのか、夜目が驚くほど効く。それを更に強化したのだ、索敵最強なのである。


身体強化したシルビーは視覚外からの攻撃も避ける。空気の音も聞こえるのか?と聞いてみたところ、服のすれる音で分かるそうだ。恐るべし…

全く音を立てずに行動するなんて人には無理だからなぁ…


ルビィの成長が気になる方は…

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