第27話…後始末
深酒避けて早く寝たので、いい目覚めです。
外はうっすら明るくなってきている。これなら間に合うか…
朝早く起きたのには訳がある。逃げたBランクを追うためだ。
夜の移動はしてないだろうという見込みで、Bランクがギルドに戻る前に追いつく予定。どうしてかと言うと、話を合わせるため。
奴隷3人は死んだという事にしておきたいから。
幸いBランクは逃げ足早かったから、あの場の状況は把握してないハズ…
多分、あいつらは、昨日いや一昨日か、夜営した場所だと思う…
うん、余裕で間に合うな…
素早く身支度して、出発した。
実はわたしの長距離走はめっちゃ速い。多分加護のせいだと思うんだけど、時速20キロ弱で走れる。距離を正確に測れないから何とも言えないのだけど。驚くことに今現在でも、走れば走るほど、少しずつ記録が伸びる。頭打ち感がないのである。
これは女神さまに感謝だね…
などと思っていたら一昨日の夜営地に到着。案の定ここで一泊したみたい。Bランク達は、まだ出発の用意もしていない…
…お気楽だねぇ…
「ハァハァ…フゥ~疲れた…」
「お、お前、メンヘラじゃねえか、生きていたのか」
「ハァハァ…山賊に連れ去られたけど…隙をみて逃げ出してきたのよ」
「お、おう、そりゃよかったな…」
…多少の罪悪感はあるのか?まぁいい…
3人の奴隷が殺されたことを、詳細に伝えた。リアルさは大事だからね…
「ところで、これからギルドに戻るんでしょ」
「あったりめーじゃねえか!」
「ふぅ~ん…チョット顔がきれいすぎるんだよね…」
…それにわたし達を置いて逃げた罰を受けなきゃだね…
「なんで、これから山賊との激しいバトルを生き抜いた、男の顔にしてやんよ…」
「え?なにを…いって…」
「グワァ…こんのやろ…ギャァ…」
「てんめぇ…ゴフゥ…や、やめ…グッハァァ…」
…
「はい、ここ座ってぇ…」
「てめぇ、覚えてろよ…」
「あ"…」
「す、すいません…」
「男の顔になったねぇ、これで誰も尻尾を巻いて逃げたって思わないかもね…」
「じゃぁギルド帰って、報告よろしく。それから、クエスト未達成の賠償金の支払い、私の分も払っといて…」
「なっ…なんだと…」
「あ"…」
「はい…」
「あんたら、それでも充分プラスになるでしょ…約束破ると、山賊に尻尾巻いて逃げた玉無しのことをペロッと喋っちゃうかもよぉ…」
「ぐぅぅぅ…」
「じゃぁ、よろしくね」
「どこに行くんだ?」
「オッズを埋葬してやらないとね、襲撃されたところに墓作るから、あんたらも、一息ついたら、召天を祝ってやってくれ…」
「あ、あぁ、分かった。よろしく頼む」
◇◇◇◇◇◇
Bランクたちと別れ、昨日の襲撃地点へ向かう。
レイラ、クロエ、シルビーとの待ち合わせだ。
3人は既に埋葬の穴を掘り終えていた。死体は、食い荒らされていたが、骨は残っている。グロイ…
埋葬し冥福を祈った…
「殺したあたしが言うのもなんだけど、天に召されても幸せに…」
「じゃぁ、行こっか、みんな」
◇◇◇◇◇◇
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