第24話…義賊ピアニィ
「う、ううぅん…」
「あ、ルビィ起きた?大丈夫?」
記憶が曖昧だ…
あたし、あれから、そうだ、不意打ち喰らったんだった…
あれ?ライオンの獣人…
なんで、背負われてる?
「あ~ごめんな、あたしも必死だったのよ…」
…あう、必死でしたか、通りで強力な腹パンでしたよ…
ボリューミィな髪の毛が心地いい…
いい臭いだし、思わずクンカクンカしちゃいそう…
…
「ちょっ、ちょっやめろ。グリグリすんなって…」
「ちょっとだけ、だから…」
「や、やめ…あんっ…」
「やめろっつってだろ!」
ブンッと放り投げられた。
「わわわっ」
…っと、何とか転ばずに済んだ…
「あは、ゴメンゴメン、いい臭いだったから、つい…」
「って、もう大丈夫なのか?」
「お腹?…うん、大丈夫みたい…」
「あはは、なんだそれ…」
シルビー、ほっぺ、どうしたの?
「あーこれね、チョット2人を止めるときに、巻き添えくらっちゃってさ…」
「あれから大変だったんだよ…レイラとそこのピアニィのバトルが白熱しちゃって…」
レイラがショボ~ンとしてる…
「ゴメンぴょん…」
なるほど…
「レイラ、ありがとうね…」
「もしね、お腹を殴ったのが悪いヤツだったら、わたしは死んでいたよ…」
「レイラの素早い判断は間違ってないよ」
「レイラはわたしの命の恩人と同じだよ。ホントにありがとう…」
「と、とうぜんぴょん…」
…照れてる…カワイイ、服もボロボロだな、激しい戦いだったんだろう…
「じゃぁ、お礼に、おんぶしたいな…」
「は、恥ずかしいからいいぴょんよ…」
「そんな事、言わずに、おねがい…」
「し、しかたないぴょんね…」
「いいなぁ~レイラばっかり…」
「シルビーにも後でヒールかけるから…」
「おっと、お楽しみの所失礼するね。今回の事1から説明するな」
「わたしはピアニィ、少し離れたところで、山賊の長やってる。自分的には義賊やってるつもりなんだけど、ま、そこら辺の判断は任せるよ…」
「奴隷の輸送があるって聞いてな、奴隷を解放するために、動いたってわけさ。事前に色んな情報は入っててな、で護送馬車を歩いて探してたら、山賊の死体とあんたら4人を見つけたわけ…」
「普通の状況じゃないので混乱したよ。奴隷3人と護衛1人いるというのは理解できた。取るべき選択肢は2つ。全てを話し理解してもらって奴隷を解放するか。護衛を倒して奴隷を解放するか、だな…」
「で、後者を選択したの。でも周りを見る限り私では勝てないと踏んだんだ…」
「なので、不意打ち喰らわすしか選択肢がなかったのさ…」
「なんで勝てないと思ったのかは、簡単だよ。争った形跡がない、剣を抜いていない者もいたし、死体がキレイに円形だったから。普通に戦うとああはならない。更に心臓を1突きだからね。あれをやろうと思ったら、常人の10倍のスピードで動かないと無理だ」
「正直、不意打ちが成功するのかも不安だったねぇ…」
「舞姫!舞姫だよ…」
…いや、やめてシルビー…
「でも、ピアニィ正しい判断だったね。まともな護衛だったら、仕事だからって言って、奴隷解放しないもんね…」
「だよな…」
「ま、結果、まともな護衛じゃなかったけどな…」
「近くに、うちらのキャンプがあるんだ、お詫びに、なんか食っていってくれ。酒もあるよ」
「ありがたく、お邪魔するよ。わたし達も色々準備があるしね」
わたし達は一路ピアニィのキャンプ地に向かった…
レイラは疲れたのか、スゥスゥ寝ている…
シルビーが余りにしつこく、舞姫の詠唱を聞いてくるので、教えてやった…
まぁ、教えたところで、何も起こらないから、いっか…
ハズかったけど…
ルビィの成長が気になる方は…
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