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第12話…クエスト確認

まずは無難に薬草採取のクエストから請け負おう…

経験を積むのが最優先。

まぁ、高ランククエストは受けられないけどね…


安いな…


ま、経験を積むのが第1の目的だから、我慢するか…


2階から男女ペアが降りてきた…


嬉しさと、恐怖が入り乱れる


ロペちゃんとミルトンだ。


先にロペちゃんがこちらに気づくが、無視された…

次にミルトンが気づく…

こちらにやって来る…


明らかに怒りをあらわにしているんだけど…

今日はなんて日だ、イベント祭りか…


「なんだ、どこかで見た顔だと思えば、契約師さまじゃねぇか」

「久しぶりだなぁ」

「覚えてるか、この顔」

「あぁ」

「この顔だよ」


生々しい傷跡がミルトンの顔に刻まれていた。

そう、私が引っ掻いた爪痕つめあとだ…


「ああ、はい、その節はどうも…」


…いや、はくが付いて、いい感じ…むしろほめられたい…


「ミルトン、ここで騒ぎを起こすとドーズ様に叱られますよ」


…ナイスフォロー、ロペちゃん…

ってミルトン呼び捨てっすか…


ザワついていたギルド内が静かになる…

私と言えば…ビビりモードに入っています…


2人組と違って、体格も一回り大きいし、顔が怖すぎる…

でも、さすがに、慣れたよ。この手のイベント。

引くわけにはいかない…


「あは、やっとモテるんじゃない?わたしシャン○ス大好きよ、遠く及ばないケド…」


…チョットあおりが高度すぎたか…


ミルトンの顔がスンっとなってパンチの体制になっていた…

つか、あんた、煽り半分も理解してないでしょ…


2人組とはレベルが違う…

殺す気かな?ヘビー級ボクサーがOL殴ると死にますよ、マジで…


でも残念、煽る前にバトルモード全開でした!


顔の怖さを除けば、大したことない…

マリアさまと比べると、雲泥うんでいの差…

スピードも予備動作も美しさも…

エコで充分だったか…


未来予測の赤ラインの出が速い。ムダが多い証拠だ…

マリアさまだと直前まで分からない…バグったかと思うほどだ…


…まぁ、その分迫力はあるな…


腕が伸びきる寸前に、ミルトンの手首に指を引っかけて、そのまま引く…

当たるはずの物がない上に、腕を引っ張られて前倒しになる…

あるはずの無い所に腰が出現して、ポンと跳ね上がる…


ミルトンの体がきれいなを描いて回転する。

刹那せつな

スドォォォォーン

激しい音を立てて、ミルトンの背中が床に激突する


一本背負い


未経験者相手なら圧倒的なアドバンテージを誇る日本の武道。柔道。


あまりの衝撃に、のけぞって声も出せない。体重ある方がダメージ大だ。受け身の技術もない。


追撃…

ミルトンの下瞼したまぶたに親指と人差し指を突っ込み、押し込む。



「動くと、失明しちゃうよ」


「てってめぇ、許さねぇからな」


「ん?なんて?もう一回言って…」

更に指を押し込む…

…なんか気持ち悪いです…


「やめろっ!」


「ん?なんて?」

更に押し込む…


「やめてっ、下さい…」「お願いします」


「ミルトン、ここでの事は秘密にしてあげる。だからこのまま立ち去って」


ロペちゃんが助け船をだす…

ナイスタイミング、わたしもこれからどうするか悩んでた…

でも、秘密って、ここギャラリー沢山いるよね…


「わ、わかった」

…いいのか?ミルトン…


意外、ミルトン素直に立ち去った…

多分、背中のダメージと、目もかすんで、よく見えてなかったから、だと思う…


「てめぇ、次会ったら覚えてろよ」

…いいのか?ミルトン…


ロペちゃんが少し驚いた表情でこちらを見ている…


「凄いわ、あなたにそんな力は無いはずなのに…」

「もっと凄いのは、メンタルね。わたしの目が節穴だったのかな…」


ムム…

見透かされているヨーな…


「鑑定持ちですか…」―ボソッ


「カンテイ?…」

「あぁ、そんなご都合主義の権化みたいな便利もの、あるわけ無いじゃん…」


うわぁ…

やめろ、ファンタジーに謝ってくれぇ…

ついでにスカウターにも…


「その人をずっと、観察していれば、力なんて、すぐ分かるし、それ以上の事も分かるものなの」

うふっ~ずっと見ててくれたんですかぁ…


「あなたにはイラ様から授かった、凄い恩恵がある」


ギルド内がざわつき始める…

――ザワザワ――

おい、あのお嬢ちゃん、落ち人様か…ヒロキさまの再来か…やったぁこれで魔王におびえずにすむぜ…人は見かけによらないもんだなぁ…イヤイヤよく見ると美人じゃねぇの…

――――――――


なんだ…

不穏ふおんな発言が耳に飛び込んでくるんだが…


「わたしも最初は信じられなかった…こんなに凄い恩恵があったなんて…」


…え?え?即死スキルとかですかねぇ…


「そう、あなたの、恩恵は、強い抵抗力と回復力」

「大概の病気にはかかりにくいし、かかったとしても、重傷になりにくいわ」

うん、知ってた…

何となく…


――ザワザワ――

プッ…クスクス…イヤでも病気に強いってうらやましいよな…ちっ、当分魔王避けながらの生活かよっ…人って見かけどおりだなぁ…ウ~ンよくよく見ると冴えない顔だな…凄いな~ヘルスクィーンかよw…メンタルも強いって言ってたな、メンタルヘルスクィーンだよ…

――――――――


…今、二つ名言ったやつ出てこいやぁ…

ロペちゃん、これいじめっすかぁ…



「あの…ありがとうロペちゃん」

「お金…このご恩は絶対に忘れない」

「わたし、この世界で生きてゆく、死なない。負けない」


「さぁ、何のことですかぁ」

なんか嬉しそう…


「あの、できたら、ロペちゃんの奴隷解放も何とかしたいなぁ、なんて、思ってる…」


ロペちゃんの顔がみるみる変わる…

怒りの表情…

違う、複雑な表情…


え?踏んだ?何を?


「はぁぁ、なにチョーし、こいてんのよ」

「ほんのチョォッと強くなったからって、ヒーロー気取りですかぁ」

…いや、ヒロインね…


「あなた、何様なの」

「約束してよ。もう二度と奴隷に関わらないって、約束してよ」

「約束しろ!」


気圧けおされる…

ロリ幼女に…


「は、は…」

「いや…です…」


色々言いたかったけど、一言しか言えなかった…


「あぁ、そうですか、まぁ、あんたみたいな虫けらが、どうあがいたって、何も変わらないけどね…」

「精々、その、ショッボーい力で何とかしてみれば」


「二度と近づかないで、このブス!」


ロペちゃんがギルドを出て行った…

え…ブスは関係ないんじゃ…

ゾクゾクするけど…



ほんっと…なにを思ったんだろう、近くの女冒険者が立ち上がる…

フォローしてくれたんだと思う…


「あなた、それほどブスじゃないわよ…」

ありがとう、嬉しくて…涙があふれそうだわ…


「そうだな、それほどでもない…」…だれだ、今言ったやつは…

くくくっ…と嘲笑ちょうしょうが聞こえる…


この空気感、責任とってくれよなぁ…


クエストを確認しないでそのままギルドを飛び出した…


チクショォー

とんだ精神ダメージだよ…

ルビィの成長が気になる方は…

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