第11話…しつこいよ
地獄の特訓が3日間続いた…
前よりキツくなくなった気がする。訓練の効果を感じられて、訓練に身が入ったせいかも知れない。
簡単なクエストを見つけに、ギルドへ向こう事にした。
いつまでもタダ飯頂く訳にはいかないからね…
「ようやく見つけたぜ…」
あれ?
2人組だ…
恐怖はみじんも感じない…
「掃除は、はかどってる?」
「街がキレイになるって、気持ちいいでしょ」
…正直な気持ちで言った、つもりだ…
「うるせぇよ!こんなバカげた契約、解除してもらうぜ」
「お前、死んでくれると契約も無くなるんだろ」
「自分を攻撃できない契約も付ければ良かったのになぁ…」
…いやっ、それ、立ってますよ~私が死んでも契約は生きてるのになぁ…
そうか、あの時は魔法使ってなかったから、高校生パンチの実力って思ってるのかな…
「お前、孤児院に住んでんだろ。そんなに掃除が好きなら、ガキを奴隷にして掃除させりゃいいじゃねぇか」
「なんなら、俺にガキの奴隷を1人くれよ…」
踏んだな…
自分の中で何かが切れたのが分かった…
甘かった、私ってとことん甘い…
自分が少し強くなったって浮かれていたのかな…
子供たちに手を出してみろ、タダでは済まさない…
「契約?攻撃できない?忘れてたとか?あぁなるほど、頭が悪いのか」
「ま~キミたちの脳ミソだと仕方ないのかもねぇ…」
「必要がなかったと、考えられないのね…」
「なんだと…」
「あ~、もういい、わかった…」
「何言ってんだ…」
「ほら、2人まとめて、かかってこいやぁ!」
「ロード、バトルモード・エコ」
>ジョイント・ロックを読み込みました。
>アフターイメージ・エフェクトを読み込みました。
>20FPSで運用します。
>マジック・サーチを読み込みました。
>マッスル・ムーブメントを読み込みました。
>ニューロン・コンストラクションを最適化しました。
>>バトルモード・エコ正常に稼働中です
未来予測が1番リソース食うからね…
FPSはこれ以上、下げられないな…
今のところ通常だと40分エコだと3時間くらい…
アドレナリンが出ている、興奮状態だ。大丈夫、理解している…
こういう場合は、その分を思考にまわせばうまくいく…
深く考えろ…
武器はナイフ、多分牽制だと思うけど…
相手が複数の場合、立ち位置が重要だ。どちらが興奮しているのか?
まず、バカみたいに興奮している方オリバーを挑発する。
見事な大ぶり、簡単にかわせる。近接で勁を急所に叩き込む体に3発、頭に2発
太極拳は拳より掌の攻撃が多い。脳を揺さぶる攻撃だ。拳にダメージがないので、私向きだ。
最後に尺勁、相手はバンッと弾き飛ばされるように、飛んでゆく。もう1人ジャックスの方向だ。
近接で柔道を使わなかったのは、投げた後の隙が大きいから。
ジャックスは青ざめている。何が起こったか分からないようだ…
ナイフを右手で構え、守りに入る。厄介だ…
オリバーが復帰する前に無力化しないと…
刃物を持った相手が守りに入ると、無手では手の出しようがない。
誘い出すのが有効…
「な、な、なんだ、てめぇぇ」
両手を広げ、ジャックスの方にゆっくり歩き出す。
「女1人にビビってる?あんたチ○コついてんの?」
足をドンと踏む、震脚ではない。ただの挑発だ。
ジャックスが飛び込んでくる、はい、釣れました…
かわして、投げる。私の技術では柔道で投げた方がダメージが大きい。下は石畳だ。
肩から落とす。
はい、脱臼いただきました…
凄く叫んでいる…脱臼は痛いからねぇ…
…
戦意がなくなって、平あやまりしてきたから、説教と追加契約…
ムカついていたので
1年の掃除と、その間女子供に手を上げたら、半年延長を付けてやりました…
まぁ、これで大人しくしてくれるかな…
…
なんだろう…
アドレナリンが切れたせいなのか…
胸とお腹がキリキリする…
もっと興奮してたら、ナイフを使っていたのだろうか…
激情に任せた暴力を自分が振るったのが怖い…
2人の悲鳴と顔、殴打の感触が頭から離れない…
だって、仕方ないよ、相手も刃物持ってたんだから…
正当防衛だから…
それに殺してないでしょ…
私に罪はない。正当な行為だ…
違う…
この世界で生きてゆくには、全てを受け入れる必要がある…
理屈で自分を正当化してはダメ…
私は正しくない…
でも、全てを受け入れる…
もう、負けないと誓ったから…
ルビィの成長が気になる方は…
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