第1話 この世界
ローファンタジーものを書いてみたいと思います。
誤字報告等ありましたらよろしくお願いします!
「まーくんがないてたらあたしがたすけてあげる!」
「う、うん…ありがとうふゆちゃん!でもね、ぼくもつよくなって、ふゆちゃんをまもれるようになる!」
「ふふ、楽しみにしてるね!」
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俺ーー新庄将人はふと、昔のことを思い出していた。昔仲の良かった子が俺に言ってくれた言葉。あの子は今も覚えているのだろうか。
物思いにふけっていると、後ろから声をかけられた。
「おーい将人ー!何ぼーっとしてるんだよ!今日やっと高校生になったのにいつまでもそんなんでいいのか?」
「ほっとけ…」
こいつは名倉流星。小学生からの知り合いで、いわゆる腐れ縁というやつだ。
「っと、そんな話をしに来たわけじゃないんだ。
知ってるか?うちのクラスにめちゃめちゃ可愛い子がいるらしい。しかも職業は【高位剣士】、成長すれば【剣聖】になるかもしれない超レア職だそうだ。
実家が剣道道場でとんでもなく強いらしいぞ…」
「そうなのか。それはすごいな」
職業というのは、個人差はあるが、高校生の歳くらいになると全世界の人間が共通で貰える個々の能力だ。何百年前か、詳しいことは分かっていないが、突然職をもらえるようになったらしい。
そしてそれと同時に世界各国にダンジョンなるものも発生し、そこには魔物も現れた。
以後、人類はダンジョンを踏破するべく、戦いと進化を続けている。
もっとも、そんな昔のことなど分からないので、今は、俺たちの歳になると《職業》がもらえるというのが一般常識になっている。テレビを見ると、バラエティ番組で魔法が飛び交っているのなんか当たり前だ。
「なんだよ、あんまり興味無さそうだな。」
「俺にはあんまり関係ないからな。」
「おいおい、お前はどうしてこの学校に入ったんだよ。」
「んー…近いから?」
「はぁ…そうだよな、お前は昔からそういうやつだったよ。」
この学校の名は【ダンジョン踏破戦士育成学校】
その名の通り、ダンジョンを攻略する戦士を育てたり、またはそのサポートをする生産系や補助系の職業の人々を育成する学校だ。
もちろん俺も知っていたが、他に近場にある学校がなかったので、仕方なくここにした。
「この学校は秋にはクラス対抗戦があるんだ。
しかもその大会で優勝したクラスの中で最優秀選手になった人は好きな望みを叶えてくれるらしいんだよ!」
「そんな事出来るわけないだろ…」
「いや、それが本当らしいんだ。流石に世界規模だったり、犯罪を犯すような望みは却下されるらしいんだが、大体のことは権力なんかを使ってどうにかなるらしい。なんでも、大金持ちになったり、アイドルと結婚したやつなんかも過去にはいるらしい。」
「へー、それはすごいな。まあ俺には遠い話だろうけどね。」
「いやいや、クラスにそんな強い子がいるんだ。俺たちにだってワンチャンあるかもしれないだろ?」
「はいはい。そうだといいな。」
「なんか反応が冷たい!?」
そんなくだらない話をしていると、教室のドアが開いて、1人の女子生徒が入ってきた。