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the second knife i
「ねぇ、今日はどんな本なの?」
「これなんてどうかな」
「あぁ、それは私も前から目をかけていたの」
「じゃあ、これでいいかな」
「いいんじゃないかしら」
「なら、始めようか」
無機質な音に呼ばれ、自分の意識を取り戻す。部屋を出て、リビングへ行き、椅子に座る。今日は火曜日だから、朝はトーストにイチゴジャム、それにホットミルクである。それらを食べた後、仰け反り朝の支度をしてもらう。支度が済んだところで玄関で火曜日のカバンを手に取り、外へ出る。おっと、忘れ物を1つ置いていく、
「行ってきます」
その声に合わせて、皆が一斉に動き出したり俺を送り出したりし始める。俺も皆も日常的で恒常的な朝を過ごした。
玄関を出てすぐに、前に止まっている車に乗る。乗っていればすぐに学校につく。一日に七つある授業や各休み時間、そのどれにも先週からの変化は見られず、何ら変わることのない日を過ごし、放課後に一つ下の妹を待ち、合流して帰路につく。最低限の自宅学習をして、風呂や晩御飯を済ませ、眠りにつく。あぁ、また目覚まし時計に起こされるのかと思いつつ、彼はその意識を、手放した。