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弾丸ツアー

94


「呼んだ?」

兄貴が呼んだかと思い確認した。


「いや、呼んでない。それよりもお前変な夢でも見ていたんじゃないか。うなされて大声だしていたぞ」


「あ、そう、ごめん。呼んで無いなら良いんだ。一応確認なんだけど、あの件忘れてないよね?」


「あぁ、そっちこそ頼むぞ」

俺たち兄弟は互いに死んだ場合のことを伝えてあった。主に葬式の事だったが、いつもは衝突しているけれど、これだけは一致していた。お互いに葬式は行わないで散骨し、親から受け継いだ財産は母方の従妹に渡そうと。


「分かってるよ、確認しただけ」


俺は部屋に戻りストーリークエを再度確認した。

主に8つの主要クエをやらなければいけなかった。

冒険者ギルド長マッシュの依頼

魔法ギルド長ルシオの依頼

製作ギルド長ギャバンの依頼

採集ギルド長ピピンの依頼

ザイド国王レイジの依頼

サドン国王バッハの依頼

エンド国王プライムの依頼

ジューダス帝国皇帝ガイウスの依頼


「またこいつらのお使いをやらないといけないのか・・・」

とりあえず夜までにクエを進めてダンジョン攻略まで進めることにした。


ログインKanaBon

ログインBigJun

ログに表示される。

もうそんな時間か。


「こんばんは!」

「こんばんわ」


「こんばんは!」

いつもの挨拶だ。


「レッドさん進みました?」


「えぇ、ダンジョンは開放しました」


「そう、それならパーティー組んでいきましょうか。と思ったけど装備揃えないときついわよね」

俺の装備は時代遅れだったが、フィールドにいる雑魚程度問題ではなかった。


「結構難しいんですか?」


「通常のダンジョンだから簡単よ。レベルキャップも100のままだし装備揃えれば大丈夫。それに知ってる?レジェンドレアの上が実装されているのよ」


「あぁ、ゴッド級ですよね」

あれ、俺、何で知っているだ。そんな事知らないはずなのに・・・・


「あれ?何で知ってるの?」


「あぁ、マーケットに出品されていたからかな?」

適当にごまかした。

「そっか、でも更にまだ上もあるのよ~」


「へぇ、そうなんだ。何が実装されたんです?」


「神話級ミソロジーよ。さらに上の創世級ジェネシスが3ヶ月前に実装されたわ。その上も検討中らしいわよw創世の上って何にするのよw始原級ビッグバンだったらウケルしwwwwwww」


「うわぁ、なんか凄そうですね。ビッグバン来たら俺も笑いますよwwwビッグバンってww」


「人も減ってきているし、レベルキャップ開放より装備のステ弄ったほうがコスト掛からないのかもしれないね。カナはジェネシスまで作れるようになっているよ。レッドさんも製作Lvカンストしているからレシピさえ手に入れれば作れますよ」


「ジュンさんは?」


「私はカナに任せて、インしてもクランの城で外を眺めて何もせずログアウトだよ。ここの景色は最高だからね」


「よーし!レッドさんに創世装備作ってあげるわ。復帰祝いに代金はサービスしておくからね」


「何から何までありがとうございますm(__)m」


「良いのよ、すぐ作るからちょっと待ってて。剣士用で良いわよね?」


「はい、お願いします」


「あと、暇見てレッドさんの全ジョブ装備品作ってクランの宝物庫に入れておくから使ってね」


「ありがとうございます」

多分使うことなく引退してしまうとは言えなかった。


その後パーティー募集をかけ、初チャレンジの人が5名のカナちゃんとジュンさん俺で、合わせて8名での弾丸月ツアーを決行した。

最初は全滅してばかりだったが、少しずつ勘を取り戻し安定してきた。


途中トイレ休憩や食事休憩、親突された人もいてグダったが何とか月まで行くことが出来た。


「やったーーーーーー!」

「クリアできると思わなかった(´;ω;`)ウゥゥ」

「最高!(^^)!」


「綺麗な景色だ・・・みんなありがとう。これで引退できるよ」


「やっぱりね。そんな気はしていたんだけどね。でもキャラデリはやめてよ?」


「そうだね。レッドさんのキャラにはレッドさんの魂と仲間の思いがこもっていると思う。20年と言えば約半分の人生を、キャラに注ぎ込んできたんだよ。魂が無いわけないと思いたいよ」


「レッドさんの名前がクランリストから消えるのは寂しいよ」


「あの、私たちもそのクランに入れてもらえませんか?」

一緒にツアーした初見冒険者だった。


「あぁ、構わないよ。カナちゃんとジュンさんに説明を受けてもらって、納得できるなら加入してね」


「ありがとうございます。私たち大学でこのMMOのサークルを作ったんです。なかなか良いクランが見つからなかったのですが、ここは居心地良さそうですし宜しくお願いします」

昔の自分たちを見ているようで眩しかった。


「俺たちも最初はこうだったよね」


「そうね」

「そうだね」


「さてと、モノケロスの神樹で落ちるとするよ」


「私たちの冒険はあそこから始まったからね」

「そうだね。あの時のドキドキは今でも思い出すよ」


「最後は始まりの神樹って決めていたんで・・・」


「戻ってきても大丈夫なように、クラン拠点は強化しておくよ」

「いつでも戻ってきてね」


「今まで有難うございました。出来れば昔の様に」

これ以上は言えなかった。


「「いつでも帰っておいで」」

二人の優しさに目の前が霞んで文字が見えない。


それから月の神樹を開放してモノケロスの洞窟に戻りログアウトをした。


明日からいつものように仕事か・・・


のんびり書いていきます。

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