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策士

9


 翌朝、みんなを起こさない様にゆっくりと起き上がる。気を使い起き上がったつもりなのだがみんなを起こしてしまったようだ。


「わるい、起こしちゃったな」

 まぁあれだけ密着していれば起こしちゃうよね・・・


「ううん、大丈夫。私たちの我が儘を聞いてくれてありがとう」

 サーラが言うと、シズクとルルがおはようと言って俺の頬にキスをした瞬間、サーラが先を越された感じで慌てて抱き着いてキスをしてきた。

 ちょ、まてよ。俺も一応男子で体は16才なので普通に体が反応してしまうのだが気合で抑え込んだ。自分の中にそのような欲がある事にも驚いた。


「待て待て待て、どうした?」

 みんな別に?といった顔をしている。


「16になったら結婚してもいい年頃だし、問題ないでしょ」

 サーラが照れながら言ってくる。ツンデレ完成してるじゃん!最近デレのほうが多いような気がするけど。


「まぁそうだけど、ほらあれ、そうあれだよ。」


「あのね、私もレッくんとけっこんし・・・」

「あれってなんにゃ?ルルはレッドと一緒に居たいにゃ」


「ほ、ほ、ほら目標あるっしょ。それ達成したら考えような?昔誓ったじゃん」

 嘘も方便だ。みんな考え込んでいる今がチャンス。


「準備が終ったら、街の出入口集合だぞ」

 と言ってそそくさと自分の部屋に戻った。みんなとダラダラ過ごしたいが今は目標が優先だ。


 用意が終わり部屋を出るとウッドが居た。この子の顔を見ると安心する。


「兄貴、一緒に行きましょ」


「行こうか」

 他愛もない話をしながら待ち合わせ場所へ行くと、すでに女子組は全員揃っていた。


「わるい、待たせた」


「レッドさん、大丈夫です。私たちも今着いたばかりなので」

 リティスが嬉しそうに言う。なんか良いことあったのかと思いながらダンジョンへ向かう。


「じゃぁ手を繋ぐか?」

 同じインスタンスに入るにはダンジョンの入り口でPTリーダーで手を繋ぎ一緒に入る必要があるためだ。


「はい、よろしくお願いします」

 リティスが俺の手を握り、俺の腕ごと抱きしめる。リティスさんは皆より年上なので大人の女って感じなのだ。


「!!!」

 ん!おい胸が当たってるって。至福すぎだろ!って思った刹那


「リティスさん、それはないんじゃないかしら」

 ツンサーラさん出ました。それに続き

「そ・・・・」

「だめにゃ」

「ですね」

 シズク、ルル、月花だ。リーズはおろおろしている。


「はじめてなもので、はぐれてしまってはいけないと思って。よろしいですよねレッドさん?」

 ここで俺に振るの?ちょっとひどくない・・・。先ほど嬉しそうだったのはこれか・・・


「まぁ俺も初めてなので、緊張しているから良いんじゃないかと思われますが、みなさんどうですか?」

 無難に返したような気がするようでしないようで?もうわからん。。こういうところは、したたかなのでリティスさんて策士なのかもと思ったりもした。


 次はないからという女子組の圧力を背に受けてダンジョンに入る。すると問題なく一緒に入れた。これで一安心だ。名残惜しいがリティスさんの手をはなした。


 ダンジョンに入ると先程とは違い皆の顔つきが変わった。

(いい感じだ)

 誰も油断していない。1集団ごとに狩って進み、無難に進みボスも多少苦戦したが倒した。いい調子だった。満点をあげたい。


「よくやった!今日はあがるぞ」


「「「「はい」」」」


 ダンジョンの近くには大抵、ギルドや国が管理するキャンプ地が用意されていた。簡単に言うとセーフティゾーンかな。ギルド上級ランク引退者や国の軍が周りを警護していて、魔物や盗賊を防いでいる。プレイヤーだったときはログアウトする場所でしかなかったが今ではすごく助かっている。コテージを準備して翌朝の攻略に備えることにした。


 翌日の周回で問題なくリティス達はLv17になった。


 最初のアタックから4日目にLv18になったので、いったん街へ帰ることにする。装備の更新をするためだ。

 コテージの人気がありすぎて帰ることに渋る者達がいたが、俺はホッとした。何故かって?みんなが幅寄せしてくるんですよ。サーラ達なんか戦闘してないから体力あり余っているし、もう大変だったんだから。


 宿屋に帰り装備を新調する。リティス達の戦力アップ間違いなしだ。このままLv20まで行けるはず。


PT情報


レッド 剣士 Lv19 ハイレザーシリーズ、バックラー+、ブロードソード+

サーラ モンク Lv19 武闘劣シリーズ、ナックル+

シズク 巫女 Lv19 巫女劣シリーズ、錫杖+

ルル 弓使い Lv19 ハイレザーシリーズ、ショートボウ+

リティス 戦士 Lv18 ハイレザーシリーズ、アックス+

ウッド シーフ Lv18 ハイレザーシリーズ、ダマスクナイフ+

リーズ 呪術士 Lv18 ハイローブ、ウッドシールド+2、ロッド改+

月花 僧侶 Lv18 ハイローブ、ウッドシールド+2、ワンド改+


 いつものように防具の当たり具合の調整や武器のバランスなどを調整して、その日は休むことにした。今日はゆっくりと休めそうだった。体力ではなく色々な意味で心の休息が必要だった。


のんびりと書いていきます。

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