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いざ、西海岸へ

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翌日、船の修理が終わり島を出た。見つかるわけにはいかなかったので大陸から発見されないよう迂回コースで進んだ。システムマップと星、太陽の位置を頼りに慎重に航海をする。

水晶の島を出港してから2週間後にようやく西海岸付近に到着し夜を待った。


「あ、そういえばクラリス達心配してないかな?」


「それは私が連絡を入れていたので大丈夫です」

流石モッチョ氏。


「シドニー達にも?」


「いえ、私の指揮下ではなかったのでそちらには・・・申し訳ありません」

指揮系統決めたの俺だったし、当然と言えば当然か。


「いや、謝らないでよ。俺がうっかりしていただけだから」


「そうよぉ、モッチョは悪くないわよ。マスターがうっかり八兵衛だっただけよぉ」

ティアに言われるとなんだかムカつくし・・・まぁうっかりしていたのは事実だからしょうがない。


(シドニー、ブリタ、オリガ聞こえるか?)

(((はい!心配しておりました)))

(うん、こっちは大丈夫。心配してくれてありがとう。それよりもそちらの状況はどうだ?)

(((こちらに動きはなく、商会の方も問題ありません)))

(シリカ、ボッシュ、カインも無事なんだな?)

(((はい)))

(これから俺達は裏のルートでバンドーに入る。何が起こるか分からないから、そっちも十分注意していてくれ)

(((りょ)))


「うん、大丈夫そうだったね」


「そう、あの娘達に何かあったらと思うと・・・良かったわ」


「あれだったら交代する?シドニー隊と」


「それは無理、イヤよ、譲らないわ」


「あ、そうですか」


「それと、これとは話が別なのよ!」

はいはい。


「そろそろ干潮時間になるので船を動かしますぜ」

俺達は甲板に出て周りを警戒する、と言っても真っ暗闇なのでルルの遠見任せだった。


「もうちょっと右方向にゃ」


「面舵」


「そのまま前進にゃ」


「ヨーソロー」


「そろそろ速度を落とすにゃ」


「オール漕ぎ方やめー」


「ほんの少し左にゃ」


「取り舵」


「そのままにゃ」


「ヨーソロー」

黒い壁が近づいてきた。


「ルル、大丈夫なのか?」


「大丈夫にゃ」

俺には壁にしか見えなかったがルルを信じた。

ぶつかると思った瞬間船は暗闇に包まれた。どうやら無事に洞窟に入ったようだった。その後もルルの指示で船は進み洞窟の奥へ到着した。

錨を降ろし上陸準備を始めると矢が飛んできたがウッドの投げナイフがこれを撃ち落とす。


「俺達に戦闘の意思はない。そちらのトップと話がしたい!」

大声で話しかけた。だが出てくる気配がない。


「なぜ、この洞窟の存在を知っている!」


「それは・・・」

ミリアが遮り前に出た。


「私から説明するわ!私の名はフェミリア・アスコナー。マーベアと話をするために来ました。彼と話をさせて下さい!」


「お前なんか知らん。命が惜しければ・・・と、頭領!」

洞窟の奥から松明を持った男が出てきて部下を黙らせる。


「よう!久しぶりだなミリア!何年ぶりだ?ずいぶんといい女になったじゃねーか」


「顔を見るのは14年ぶりかしら?」


「そうか、もうそんなに経つのか・・・、おっと、明かりを付けろ!」

その号令の後洞窟内の松明に火がともされた。


「まぁたいしたもてなしも出来ねーが歓迎するぜ」

筋骨隆々、熊の獣人マーベアが俺達を案内してくれた。


「で、綺麗になった理由が、その赤髪か?」


「あんたには関係ないでしょ!まぁその通りだけど・・・それにもともと綺麗よ!」

そこは肯定するんですね・・・


「いや、お前昔はもっとこう・・ガサツっていうか男勝りっていうか、なぁ?」


「私は昔からお淑やかでした!!!」


「あなた達が弱すぎたのよ」


「言われてみればそうだな。俺とクラリスはいつもお前にコテンパンにされていたからな、フハハッ」

マーベアが思い出したかのように笑った。


「だが、今はどうかな?赤髪!お前はどうだ?」


「訓練なら良いですよ」


「あなたの相手なら私で充分よ。赤髪ではなくレッドさんよ!それにレッドさんも気安く受けちゃ駄目よ」


「ミリア!14年ぶりに少し準備運動でもするか?」


「望むところよ」

そのまま練武場へ行くことになった。


のんびり書いていきます。

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