幼馴染
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朝食後集まって探索計画を話した。
「ミリア隊はモッチョ氏と一緒に中央を進んでくれ。俺達は二手に分かれ外周をまわり、島の反対側で合流し中央を戻る形でミリア隊と合流する」
俺とリティス隊は馬で一気に外周をまわり合流する。
「そっちは何かあったか?」
「いえ、何もありませんでしたわ」
「よし、じゃあ馬を降りてのんびり散策しますか」
外周をまわった感じだと島の直径は15km前後、それほど大きな島ではなかった。中心に向かうにつれて大きな杉が立ち並び日陰のおかげか草が生い茂ることもなく進むことが出来た。
(レッドさん、建物らしきものが見えます)
(モッチョ氏、こっちからも確認できたよ。そこで合流しよう)
(かしこまりました)
島の中心らしき場所で杉が生えていない空き地に建物があった。そのせいか草が腰当たりまで生い茂っていた。俺は採集用の鎌を出し綺麗に草を刈り取り、あぜ道を作って建物に入った。建物内は暗くひんやりとしていてカビ臭かった。窓を開け空気を入れ替えてから調べ始めた。
「これと言って目ぼしいものはないな・・・」
「ですな。私の感が外れるとは・・・」
「兄貴!ここにほんの少しっすけど何か引きずった跡があるっす」
ウッドに呼ばれ見てみると、言われなければ気が付かないほどの跡があった。ウッドがその跡を追っていき突き当りの壁を調べている。
「何かありそうか?」
「あるっすね、今調べてみるっす」
ウッドが壁に仕掛けられている罠を外し、隠し扉を開けた。
「ナイス!ウッド」
そのままウッドが先頭で罠を解除しながら進んでいく。明らかに罠の数が多すぎた。この先にあるお宝の価値を教えているようなものだ。そのまま地下に下りる階段を進むと鋼鉄製の扉があった。長年使われていないはずだが錆の一つもなかったのでミスリル以上の材質で出来ているのであろう。
「どうやら罠は無い様っすね。開けていいっすか?」
俺が頷き身構えるとウッドが扉を開けた。
中に入り確認すると、石畳に研究施設のような機材が沢山あった。広さはバスケットコート2枚分くらいだった。それを見たみんなの落胆ぶりは凄かった。俺もそのうちの一人だ。金銀財宝が出てくると信じて進んだ結果がこれだったのだ。
「まぁみんなの落胆は俺も一緒だ。一応来たからには何が行われていたか調べてみようか」
そう言ってそれぞれ機材を調べることにした。
見た瞬間に分かったが、ここは錬金を研究していたところだろう。錬金ギルドで見たものが多数あったからだ。
「レッ君、これ見たことある」
シズクが何かを見つけたようだ。
「ん、どれどれ。おぉビンゴだな。みんな来てくれ」
俺はみんなを集めてシズクが見つけた設計図らしきものを見せた。
「あの水晶に似ているわね」
「似ているにゃ」
「そっすね」
「多分だけど、ここであの水晶の研究が行われていたようだな。モッチョ氏どうする?」
「そうですね、可能な限りここの資料を持ち帰りカインに渡したいと考えます」
「俺も同感だ。みんな片っ端から資料や部材を集めてアイテムボックスに詰め込んでくれ」
「「「りょ」」」
あらかた目ぼしい物の回収が終わり、船が停泊している砂浜に戻ることにした。
「で、これからどうするかだな」
「そうですね、このままジブリールへ向かっても狙われますし、どうしましょうかね」
流石のモッチョ氏もお手上げか。
「一旦戻っても同じか・・・進んでも戻っても結果は同じ・・・」
「私から少し良いかしら?」
ミリアが話に入ってきたので頷く
「まず、私のマップだとバンドーの北部海の何処かだと思うけど」
俺はシステムマップを確認するとバンドーの北部海のどこかをさしていた。
「船長わかるか?」
「昨夜の星の位置と太陽の位置、流された凡その距離を考えるとバンドーの北部の海のどこかですね」
俺とほぼ一致するので間違いないだろう。
「どうやら間違いない様ね。以前私が協力者って言ったの覚えてる?」
「あぁ、オクタガーディアンについての情報提供者だろ」
「そうよ。その協力者がバンドーに居るのよ」
「でも、その街に行っても同じじゃないか?」
「いえ、街ではなくアジトって言った方が良いわね。彼らはオクタガーディアンと戦っている人達なのよ」
「はぁぁぁ、マジか。そんな情報聞いてないぞ?そうだよなモッチョ氏?」
「えぇ、戦闘があれば噂でも情報が入るものですが」
「大規模な戦闘をしているわけじゃないのよ。理不尽な扱いを受ける者を助けているってくらいなのよ」
「スゲーいい奴じゃないか。義賊みたいで格好いいな!」
「そうなの、彼の名はマーベア、獣人族で私とクラリスの幼馴染でもあるの」
「それなら信用できそうだな」
「レッドならそう言ってくれるって思ってたわ。そのアジトなんだけどバンドー国の西海岸にあるの。バンドー国の西側の海岸線は断崖絶壁で上陸できる場所がないから警備が手薄なのよ」
「それじゃ船を停めるところはどうするんだ?」
「それも大丈夫潮が引いたときに現れる洞窟があるの。そこに入れば問題ないわ」
「船長!干潮時の時間は分かるか?」
「へい、凡そ分かります」
「では、日が落ちた後の干潮時を狙って行こう」
「任せて下さい」
「よし、みんなそれで行こうと思うが良いか?」
みんな頷いた。
「モッチョ氏も危険だけど良いかな?」
「私は心配しておりませんよ」
いや、少しはしてくれし・・・
あとは船の修理を待つのみとなった。
のんびり書いていきます。




