女って怖いっすね?
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「よし、この辺りで良いだろう。馬を呼んでくれ」
翌日王都の北部森林で辺りを確認し馬を呼びだした。
「ちょ、ちょっと何なのよその馬は・・・」
「ん?ウォーホースだけど?」
「いや、分かりますけど・・・あなたに伝説って言葉は意味が無いようね・・・」
「お前たち全員にも契約してもらわないといけないからな。これから俺達の秘密基地に案内する。話はそれからだ」
「わかったわよ。で、どうすればいいのかしら?」
「チームを2つに分けてくれ。俺達が8人ずつ乗せていくから」
「わかったわ。シャルロッタ!先に私が行くわ。残ったものを纏めて警戒を厳となしなさい」
「承知しました」
「何があるか分からないから、戦闘態勢で待っててくれよ?」
「「「はい!」」」
「じゃ、乗ってくれ。振り落とされはしないだろうけど気をつけろよ?」
「こんな感じで良いかしら?」
「大丈夫かな?ウッド!顔がにやけてるぞ?」
「兄貴、何言ってるっすか!」
「お兄ちゃんサイテー。ミンクさんに言いつけてやるんだから」
「リズ、それだけは勘弁す!」
いつもの光景だな。
「いくぞ!」
一斉に走り出した。
「クッ、なんて早さなのよ・・・息が苦しい・・わ・」
「これを付けていろ、しばらくすれば慣れる」
顔の下半分を覆うネックウォーマーを渡す。
「あ、りがとう」
ミリアが更に密着してくる。いやぁ役得役得と思っていると
「レッ君なんかニヤニヤしてる。少しジェラシー。私も成長しているからいつでも言って」
えーっと、何を言えって言うのさ。
「シ、シズクこんな時に何を言っているんだよ。俺は仲間が増えて嬉しいなって思っていただけだから勘違いしない様にね?」
「ならいいの」
するどい・・・今後気をつけねば。
2時間ほどして到着し計6時間で全員を秘密基地に連れてくることが出来た。
「では最初に神樹の登録を済ませて、ウォーホースとの契約、そしてLv上げだ。クラリス達より強引に上げていくから弱音を吐かない様に」
「わかったわ、覚悟は出来ているつもりよ」
「まず神樹の登録をしてくれ、全員でアンロックされるまで魔力を流してくれ」
神樹がアンロックされる。
「次に各2名ずつ俺達に掴まってくれ」
掴まったのを確認して神樹のFTを行い神樹をアンロックさせる。
「よし、全員問題ないようだな。では、試しにそれぞれモノケロスへ飛んでみてくれ」
俺も後から飛んで、全員がいることを確認してボレアレスへ話しかける。
(呼んでくれるか?)
(承知)
暫くすると、洞窟に16頭の馬が集まってきた。なんだか懐かしいな。
「一列に並んで、自分の前に来てくれた馬と契約するんだ」
「私の名はフェミリア。サークレットは我が足となり翼となり牙となり共に行動することを誓うか?」
「主死すまで共に参りましょう」
ミリアが契約を済ませるのを確認するとシャルロッタ以下全員契約を済ませた。
「終わったようだな。これからは常に馬を呼び出す癖をつけてくれ」
「「「はい」」」
「ダンジョン攻略時も常に呼び出し一緒に戦うことになる。俺達はこれを人馬最大戦力と言っている。魔物使いのジョブもアンロックされているかと思うが、お前たちは今後飛躍的に戦力アップしていく。意味は分かるな?」
「「「はい」」」
「よし、今日はここまで、各自休んでくれ。俺はミリア達の馬の装備を作っておく」
そう言って俺は装備を作り始めた。
「ねぇ、となり座っても良い?」
「良いけど、休んでおかないと明日大変だぞ?」
ミリアが隣に座ってきた。
「そうね、だけど今日は夢のような出来事ばかりで寝付けそうもないわ。レッド、あなたは何をしたいの?」
「あれ、ミリアに言ってなかったっけ?」
「仲間を増やして強くなるとしか・・」
「そっか、俺達は瘴気を抜けた先にある中央大陸を目指す」
「え・・・中央に大陸があるなんて話は聞いたことが無いわよ」
「まぁな、大陸はないかもしれないが何かがあるのは感じているんだ。俺はそこに行きたい」
「そうね、あなたが言うと何かありそうね。そう考えると楽しみだわ。この窮屈で息苦しい世界から飛び立つのもね」
「だろ?俺がその世界まで連れて行ってやるよ」
「そうね、あなたについて行くわ」
「ちょーーーと、マスター気が付いています?周りを見た方が良いと思うわよぉ」
「ん、どうしたティア?」
ふと周りを見ると女子組が腕を組んで仁王立ちしている・・・・
あれ、俺何かやってしまったかと考え込む。
「フェミリア少し調子乗りすぎ」
シズクさん?
「そうね、ルールっていうものを教えませんと」
リティスさん?
「そうですね、序列というものを」
サーラさん?
「教えないといけないにゃ」
ルルさん?
「規律は守りませんとね」
月花さん?
「ずるいです」
リーズさん?
「フェミリアさん、少し良いかしら、お話があるんですけれど」
サーラがいつになく怖い顔で圧をかけてミリアを呼ぶ。サーラの強烈な圧力に押され縮こまり言葉が出せない。
「怖がることはありません。少し部屋でお話をするだけです。シャルロッタさん以下全員も集合してくれるかしら?」
外には俺とウッドだけが残された。
一瞬の沈黙の後ウッドが口を開いた。
「女って怖いっすね?」
「そうだな。でもミンクちゃんも女だぜ?」
「ミンクちゃんはうちの女子とは違うっすよ!」
「あ、そう・・」
ウッドもそのうち分かる事だろう・・・結婚して子供が生まれ、邪魔者扱いされる日が・・・
俺は死ぬまでラブラブな関係を保てるのは、世の既婚者の1割にも満たないと思っている。この世界では何としてもその1割に入りたい。だが今はそれどころではないからね。
「ウッド、ミリア達のBFRに石碑組込みやってくれるか?」
「良いっすよ」
その後は2人で、ただ黙々と作業を進めた。
のんびり書いていきます。




