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頼れる男の顔

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工房へ行こうとしたが、場所が分からなかったのでモッチョ氏に確認すると、宿屋の地下に用意してくれていた。さすがモッチョ氏。

一先ずミリアの部下の装備を作ることにする。たしか全員60代と言っていたのでミスリル系で作ろう。ミスリルでは崩壊してしまうためOB機能は付けられないが、代わりに簡易OB機能を付けた。魔力プール分のみを一撃に上乗せするだけの機能だ。これであれば武器は多少傷むが崩壊まではしないだろう。

俺の製作ランクは最上位の国宝になっていたのでミスリル系など容易いもので昼までに作業が終わった。

国宝になったのは良いがゴッドの上のレシピがアンロックされない。俺のやっていたときはゴッドも実装されていなかったからな。そのうち何とかなるでしょ、と思いながら工房を後にした。


部屋に戻り軽い食事を取り、ファングに着替え面接会場へ向かった。

「ゴメン、待った?」


「いえいえ、まだ始まっておりませんので大丈夫です」


「ところで何人面接する予定なの?」


「ファング殿と私が声をかけた以外にクラリス達が声を掛けた者も合わせて50名ほどかと」


「いいね!有望な仲間が増えるのは良いことだよ」


「たしかに・・・増えるのは良いですが、機密情報が漏れやすくなる可能性も大きくなります」


「・・・だよね。そうなると表部隊配属になるな」


「ですね」


「表で活躍してもらって信用に足る冒険者なら裏にスカウトしよう」


「それが一番ですね」

二人頷いた。


マルコから面接が始まり終わったのが夜の21時だった。それから、ウッドやクラリス、ミリアなど全員集まりチーム編成などを決め最終的に時計は24時を回っていた。


「みんなお疲れ。今日はありがとうな」


「大分大所帯になったっすね」


「そうだよな。今後混乱するといけないから指示系統をはっきりさせておこうと思うがいいか?」

皆が頷く


「クラリス率いる表部隊はモッチョ氏の指揮下に入る、モッチョ氏不在時はクラリスに一任、裏部隊は俺が支持を出す。俺に何かあった場合はウッド!頼めるか?」


「り、了解っす」

頼りないなぁ・・・


「大丈夫か?」


「兄貴にもしもの事なんて無いっすよね?」


「それは俺にもわかんないよ。お前も十分力をつけているし、俺が信頼しているんだ。女子組を守ってくれよ?」


「俺に出来るっすか・・・?」


「あぁ出来るよ!」

ウッドの背中を軽く叩いた。

そして全員がウッドを見る。


「わかりました。俺頑張ります!」

良い返事だ。珍しいと言っては失礼だが頼れる男の顔になっていた。


「よし、以上だ。他に何かあるか?」


「無いみたいだから、これで解散だ。あとミリアチームは残ってくれ」

他のみんなは部屋に戻っていった。


「レッド、白百合チーム全員残ったけど何かあるの?」


「あぁ、まずその白百合って言うのやめよう」

シャルロッタ以下メンバーが何か言おうとするのをミリアが止める。


「何か理由があるのでしょうね?」


「もちろんだ。白百合隊はミリアの私設部隊だよな?」


「そうね」


「ということは、冒険者ギルドにも登録していないということだよな?」


「そうなるわ」


「ギルドにも属さず、王家とは繋がりが浅い。かなり自由な部隊ではあるが白百合の名は知れ渡っている。とまぁ、こんな感じだよな?」


「その通りよ・・・・」


俺が何か言おうとするのをミリアが止めた。


「待って、分かったわ。私たちは裏で動く部隊よね。それが白百合を表に出してしまえば裏ではなくなると」


「そう、だから部隊名を変えて、人目につかない行動をしてくれ」


「部隊名ねぇ・・例えばどんなのが良いの?」


「ん、影の軍団!」


「いやよ!仮にも私達女の子!もっと可愛いのが良いわ」

じゃ、聞くなよ・・・


「クラリス隊はフリーダムで自由、レッドは雲の旅団で自由っぽいわね・・・なら私達も自由で行くわ。そうね風の様に自由に何処へでもという意味でウィンドにするわ」


「いいじゃん、センスあると思うよ」


「あ、ありがと」

顔が真っ赤になって、そっぽを向いている。普通にしていれば可愛いのにな。


「よし、次は機動力が必要になってくるから、全員に馬を用意してもらう」


「馬なら沢山居るわよ?」


「違う馬だよ。明日早朝に出発するから準備しておけよ」


「あと指輪渡しとくから地下工房で装備の登録をしてくれ」

指輪を渡し使い方を実演して教えた。


「何なのこれ・・あなた一体・・・」


「今後これがデフォルトになる。慣れろ」


「わかったわよ。ちょっと驚いただけよ」


「ミリア達はクラリス達よりも強くなってもらわないと困るからビシビシいくからな?」


「そ、それは私達に期待しているって事でいいの?」

モジモジしながら聞いてくる。


「そう取ってもらって構わない」


「私はこれからあなたについて行くわ。最後まで面倒見なさいよ!」

「「「我らウィンド隊、フェミリア様とレッド様に忠誠を!」」」

固いなぁ・・・まぁいいか。そのうち慣れてくれば力も抜けて良い感じになるでしょ。


「じゃ、これで解散とする。明日寝坊するなよ?」


「なんなら起こしに来てくれても良いのよ?」


「遠慮しておきます」


「何でよ、私を起こせるなんて素敵な体験なかなか出来ないわよ」

いや、なんか想像つくし・・・


「フェミリア様、それは悪い印象がついてしまうかと・・・」


「シャルロッタさん?それじゃいかにも私の寝起きが悪いみたいな良い方よね?」


「いえ、私はフェミリア様の為を思って進言したまでですが・・・」


「ムキーーッ!レッドさんが起しに来る前にあなたが先に起こしてくれればいい事じゃない!」


「それではレッド様が起こしに来る意味が・・・」


「それとは別問題よ」

いやどうなのよ?


「はぁまぁ・・・そうでした、出しゃばった事を言って申し訳ありませんでした」

シャルロッタさんも苦労するね・・・


「じゃ、俺はこれで」

さっさと部屋を出ることにした。


のんびり書いていきます。

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