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外れクジなし

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俺はラフな格好に着替え会場に入った。

みんなと会話を楽しみ、新人とも交流し、そろそろお開きの時間が近づいてくる。

俺がモッチョ氏に目配せするとモッチョ氏が壇上に上がった。


「みなさん、本日のお疲れ様会は如何でしたでしょうか。十分楽しめましたか?」

歓声があがる。


「あと30分ほどで終了の時間となりますので、短い時間ですがお楽しみください。それとファング殿から外れクジなしの抽選券を頂きましたので、退出時に忘れず受け取るようお願いします」

大歓声が上がると同時に照明が消えた。


・・・・!!!

パリン、ガシャン

ガラスの割れる音がする。


「みんな俺から離れるんだ!」

賊の数は3人。標的は俺のようだ。俺はすぐに装備を装着し戦闘態勢に入った。

3人の波状攻撃を辛くもしのぎ問いかける。


「なぜ俺を狙う」


「知る必要はない。お前はここで死ぬからな。周りの人を傷つけられたくなければ抵抗しないことだ」

黒い頭巾を被っていて顔がわからないが見当はついている。コップだろうな。


「あぁ分かったよコップ。でも周りを確認してから言ってくれるか?」


「なぜ俺の名を・・・、謀ったな!」

部屋には俺と賊3人しか居なかった。

事前にモッチョ氏と相談してミラールームを用意していたのだ。

俺の姿を本会場に投影し、みんなの姿を偽会場に投影して、嘘の情報を流したのだ。

見事に引っかかってくれて俺は上機嫌だ。


「だが、こちらは3人、貴様に勝ち目などないわ!」

3人が再度波状攻撃を仕掛けてくる。もう演技は必要ないので軽くあしらう。


「お前らの目的を教えろ。そうすれば助けてやる」


「我らは崇高な目的のため集まっている。端から命など惜しくもないわ。こうなったらお前を道連れにするまで!」

どうやら忍者の自爆攻撃でトドメを刺しに来るらしい。

タンクには物理絶対防御スキルがあるから無駄なのに・・・部屋が壊されてもあれなので


「フェンリル!」

フェンリルの氷の息吹が発動して3つの氷人柱が出来上がった。


「命がなくなったら崇高な目的さえ達成できないじゃん・・・間違っているよお前らは」

気持ちが分からないでもなかった。俺だってみんなを守るために命を投げ出すこともあるだろうから。

俺はやりきれない気持ちで部屋を後にし、本会場へ向かう。

本会場では俺が急に居なくなったためざわついていたが、賊の事には気づいていなかった。


「それでは皆様お時間となりましたのでお帰りの準備をお願いします。出口でフレサンジュより抽選券の受け取りを忘れずにお願いします。なお、明日は午後から新人さんの契約手続き等行いますのでよろしくお願いします」


「レッ君なんか疲れてる?」


「大丈夫、少し嫌なことがあったんだ。シズクの顔を見たら元気になったよ。ありがとう」


「無理しないでね」


「おう!」

俺たちは部屋に戻って休むことにした。


賊はモッチョ氏の裏の掃除人達によって素性や装備品に至るすべてを調べられ処理された。

翌朝、モッチョ氏に呼ばれ報告を聞いたが、裏の掃除人ってなによ・・・怖いんだけどモッチョ氏・・・

結果、素性は分からず、分かったことと言えば3人とも八芒星のタトゥーがあったこと位だった。


「で、ティアは何してんの?」


「サイコロふっているのよ」


「なんで?」


「モッチョに頼まれて、抽選券の当選番号を決めているのよぉ、エイッ」

コロコロ


「ほほう、モッチョ氏聞いていなかったけど景品って決まっているの?」


「えぇ、ほとんどが既製品ですが、特賞だけファング殿に製作していただこうかと」


「何作んの?」


「当選者が欲しいものですかね?」

そういうことね


「りょうかいー」


「さて完成しましたので貼りだしてまいります。レッドさんはお部屋でお休みになってください。午後から新人の面接と契約がありますので」

俺は頷いて部屋に戻った。

昼まで時間があったので何をしようか悩んでいると扉を叩く音がした。


「あいてますよー」


「入るわよ!」

ミリアだ。


「何しに来たん?」


「ふふふ、これを見なさい!」


「で?」


「で、じゃないですわ!特賞に当選したのよ!」

うーんめんどくさい奴が当てやがったな・・・


「良かったじゃん?」


「そーよ、良かったわよ。って、ちがーう!これであなたに作ってほしいものがあるのよ」


「なに?」


「私にぴったりの刀が欲しいわ」


「ん、分かった」


「で、お願いなんだけど・・・・・・・・・ほしいの」


「ん?何聞こえない?」


「だから・・・・・・・・・・・・ってほしいの」


「全然聞こえないよ。もっとはっきりしゃべれよ」


「もう!レッドの銘入りで作ってほしいのよって何度も言わせないでよ!」


「最初から聞こえるように言ってくれれば良かったのに」


「だって恥ずかしいじゃない・・・」

可愛いじゃん。


「分かった、とびっきりの刀作ってやるよ。そうだな時間くれるか?」


「うん」


「ミリアの目標となるものだから、今は装備できないが良いか?」


「うん、それでいい」

俺たちと同等の装備を作ってやるか。


そうと決まれば、昼まで時間があるから工房でも行ってくるか。


のんびり書いていきます。


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