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オクタガーディアン

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「大体の話は分かりました。私たちは今まで通り目立ちながらSランクを目指し、その中で有益な情報を集めます」


「で、さっきクラリスが気を付けてって何か情報を掴んだのか?」


「はい、私の幼馴染からの情報です」


「信用できるのか?」


「はい、メルム国王女のフェミリア・アスコナーです」

!!!

アスコナーね、たしか中央の魔法ギルド長だったよな。名前が思い出せん・・・

・・・お使いルシオだ!思い出したぜ。ギルドクエ全般に言える事なんだけど長が付く奴はお使いしか命令してこない記憶しかないわ。クエ内容はさっぱり覚えてない!

これで二国の王の正体が分かった。バンドー国初代国王マッシュ・オーウェン、メルム国初代国王ルシオ・アスコナーどちらもギルド長だった奴だ。だが、なぜ俺の邪魔をするんだ・・・

それよりもクラリスってお姫様と知り合いって事はかなり位の高い貴族なのか・・・


「・ッドさん、レッドさん」


「おっと、考えすぎていた。すまない」


「いえ、それで友人がレッドさんに会いたいと言っているのですが」


「ファングじゃなくて俺に?」


「はい、どうしてもお伝えしたいことがあるそうです」

うーん・・・サーラ達を見て動いたのがバンドー国王と側近だったから、これは黒だ。メルム国王に動きはなかったが関与しているのは間違いないないと思うが確証がないのでグレーだな。ガイアも同じくグレーだ。その幼馴染を信用していいものか・・・


「わかった、俺はクラリスを信じた。そのクラリスが信じている王女も信じるに値するよな。呼んでも良いぞ」


「有難うございます。急ぎ連れてまいります」

クラリスが部屋を出ていく。


「それにしても、あんた達成長したわねぇ。マスターに殴られた時とは大違いだわぁ」


「はい、ティア様のポーションの御恩は忘れておりません。つまらないものですがお受け取り下さい」

大量のお菓子が渡された。

その時のポーションは俺が作ったんだって!


「あんた達は出世するわよ!見込みがあるわ。何かあったらすぐに相談に来なさいよぉ」


「「「へい」」」


「あたしじゃなくて、マスターにね」

俺かよ(笑)まぁいいけどさ。


コンコン

「失礼します」

クラリスとお姫さんだ。外には護衛の女性騎士が扉を固めていた。


「初めまして、フェミリアと申します。あなたがレッドさん?」

フリフリドレスのお姫さまが来ると思ったが、戦闘重視のレザー装備に刀を装着した姿で現れた。実力はクラリスと同程度でかなり腕が立ちそうだ。


「俺が雲の旅団、団長のレッドです」


「やはり、ではファングさんも同一人物ですね?」


「あなたは特殊な眼を持っているようですね」

シリカと一緒で魔力の色が見えるのだろう。


「知っているのですね。私には魔力の色が見えます。あなたの色はとても眩しい・・・まるで言伝えの金色の英雄のようですわ」


「その言伝えを聞いても?」


「はい、我が家に古くから伝わる一文です」

――金色の英雄現る時、世界は開かれ再び繁栄の時訪れん――


「ん?それだけ?」

いやいやいや、その一文で俺が狙われんの?もっと何かあるでしょ?


「はい、これだけです」


「そうですか、有難うございます。それで私に伝えたい事があると聞いたのですが」


「そうでした。私の親しい友人から情報が入りまして。こちらを見て頂けますか」

紙を渡されたので中を確認すると・・・八芒星のマークが書き込まれていた。


「えーと、フェミリア姫はこれを知っているのですか?」


「フェミリアで構いませんわ。私が知っているのはその組織名と、最近モッチョ商会の商品強奪事件に関与していることぐらいです」


「詳しく聞かせて下さい」


「私もそこまで詳しくはないのですが知っていることを話します」

頷いた


「組織の名はオクタガーディアン、モッチョ商会の商品でも等級の高いものばかりが狙われています。特にあなた、ファングが製作したものを」

ま、これで棚上げしていた問題の一つが片付いたな。俺にちょっかいを出す組織が分かっただけでも大収穫だ。


「はぁ、それはわざわざ教えて頂き有難うございます」

それを教えるためにわざわざ王女様が俺に会いに来るということは他にも何かあるな。

先手を打つか。


「では、これで。王女様もお忙しいでしょうし。クラリス!送ってあげて」

クラリスに丸投げしよう。


「は?え、あ、ちょっと待ってくださるかしら。私の話は終わっていませんの」


「午後の部も始まりそうですし、フェミリアさん、また今度にしましょうね?クラリス!」

クラリスがあたふたしている。これはこれで面白いな。


「レッドさん~、私はどうしたら・・・」

はぁ~仕方ないな・・・・


「分かりましたよ。手短にお願いしますね」


「では、手短に。私を仲間に入れなさい」

・・・・命令ですか、なら。


「嫌です!」

きっぱりと言う。


「は?王女の私が仲間に入ってあげるというのに断るってどういうこと」


「一応俺のチームなんで、偉い人が来ると混乱しますし面倒なので、嫌です」

大事な事なのでもう一度言う。王女の握りこぶしがフルフルと震えていた。


「上等です。私と勝負しなさい。私が勝ったらチームに入れる事」

はぁ、・・・井の中の蛙や。


「負けたら帰ってくれるんですね?」


「上級侍一刀流の私を甘く見ないで下さるかしら」

格下やん・・・

俺は部屋にあった果物ナイフを取り構える。


「いつでもいいですよ」

みんなが壁際に退避する。よく見ると全員ニヤニヤしていた。

お前ら相当悪い顔してるぞと思っていると


「そのナイフを負けた言い訳にしないで下さい、ねっ!」

フェミリアが抜刀術で踏み込み斬りかかってきた。

遅い、遅いのだよ。受け流しも必要なく瞬時に背後に回り首元にナイフを突きつける。


「はい、終わり。これで良いかな?王女様」


「うそ・・・こんな・・・私負けたこと無いのに・・・ウッウッ・・・」

泣き出しましたよ・・・・

クラリスが駆け寄り慰めている。


「私負けちゃった」


「そうね。私の気持ち分かってくれた?」


「グズッ、うん」


「じゃぁどうするの?」

すくっと王女が立ち上がる。さすが王女、気持ちの切り替えが早いが鼻が真っ赤なのは隠せないようだ。


「レッド・・・さん、私を負かした責任を取りな・・って下さい」

イミフ

真っ赤になって下を向いている。


「よくわかりませんが?」


「はいはい、私が代弁しますね」

クラリスが代弁するようだ。


「私は強い人が好きです。私を負かした責任を取って一生面倒見なさい、で良いのかな?」

フェミリアが頷いていた。

はぁ?何言ってんだ???

女子組もざわついているじゃないか!面倒にならなければいいが・・・


「午後の部も始まりそうだから、大会後にもう一度話そうか」

俺は、異様な空気の控室から逃げたかったので、さっさとファングに着替えモッチョ氏と部屋を出て会場へ向かった。


はぁ・・・気が重い。


のんびり書いていきます。

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