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B級グルメ食べたかったのに・・・

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大会当日、俺はファングへ変装し、みんなには顔が判らないよう大きめのローブを纏ってもらい馬車に乗り込んだ。


「みんなは、試合開始直前まで観覧席に入らないでくれ。会場が落ち着く頃に入るのが効果的だと思うんだ」


「それは、私たちを見たもので動き出したものが怪しいと」


「月花ちゃん、その通り。他のすべてが着席した時に入ってくれば目立つだろ?そこで立ち上がるものや変な動きをするものが怪しいと思うんだ」


「わかりました。相手が襲ってきた場合はどうしますか?」


「さすがにそれはないと思う。会場には1万人以上の一般人がいるから下手に動かないはずだ。でも警戒だけはしておいてくれよ?」


「マスター、あたしはぁ?」


「ティアはみんなと一緒に居てくれ」


「りょうかーい」

会場に到着し、ファング控室に入る。


「兄貴、俺もルークで隣に行くっすよ」


「そうしたらミンクちゃんと話せなくなるぞ?約束したし、お前はミンクちゃんと話してくればいいよ」


「そっすか・・・兄貴のことが心配っす」


「俺なら大丈夫だよ。それよりも女子組を頼むぞ?」


「りょうかいっす」


コンコン

「失礼します。ファング殿そろそろ出番が来ますので準備を」

モッチョ氏に呼ばれ会場へ向かう。



「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。司会を務めさせていただくライラと申します。まずはファングブランド創設者であり製作者でもあるシルバー・ファングとモッチョ商会社長の入場です、皆さん拍手でお迎えください」

大歓声の中俺は闘技場から近い場所の席に案内される。いわゆるアリーナ席だ。


キャラではないがイメージは大事なので両手を挙げて歓声に応え着席した。


「次にファングブランドがサポートしているクラリス率いるチーム、フリーダムの入場です。こちらは皆さん知っていると思いますので詳細は省かせていただきます」

おいおい、俺知らないから詳細省かないでくれよ!そんなに有名になってん?


俺よりも盛大な歓声の中、クラリス達が出てきた。


見ただけで分かった、あいつらは強くなったと。それだけの圧力を感じることが出来た。よくやったなと見ていると一瞬クラリスがこちらに向かって口を動かすのが見えた。


―きをつけてー

クラリスも何かを感じ取っていたようだ。


「では、これから試合を開始と行きたいのですが、特別な方のご紹介をさせていただきます。まず、バンドー国からバンドー王、メルム国からはメルム王、ガイア国からはガイア王が観覧にいらしております。名前につきましては国益の問題から伏せられていますのでご了承下さい」

観客からは大きな拍手が送られた。


「モッチョ商会からガイとギブソンが審判を務めさせていただきます」

二人がお辞儀する。


「予選5000名の中から勝ち上がってきた猛者の入場です。第一試合、グラス出身剣士のマルコとガイア出身戦士のカルロです。皆さん盛大な拍手でお願いします」

二人が入場し試合開始直前の静けさの中、サーラ達がクラリスの後ろの席に現れた。俺はその一瞬、見える視界すべてをコマ送りのように画像として認識し間違い探しを行う。いた!多分コイツだな。それ以外にもいたが、コイツが親玉だろう。

明らかに一瞬であるが表情に出ていた。とりあえず目星はついたので試合を見ることにした。


「午前の部はここまでになります。皆様、午後の部までは時間がありますので、モッチョ商会グルメ部門から多数出店されております飲食店など如何でしょうか!B級グルメが目白押しとなっています。どうぞ、よろしくお願いします」

アナウンス後、俺とモッチョ氏は食事を取るため控室に向かった。


控室に戻ると、クラリス達も待っていた。

「ファング様、ご無沙汰しております」


「久しぶり!見ればわかる。頑張ったな!」


「え・・・」


「いや、頑張っていたようだな」


「はい、あれからここに居らっしゃるサーラさん達のダンジョンレポートを頭に叩き込みLv上げの毎日でした。ところでレッドさんはどちらへ?」


「彼は王都で仕事があると言っていたぞ、そうだよなモッチョ氏?」


「あ、え、えぇそうですね。確かそのような事を言っていましたね」


「何言ってるのぉ?マスターなら目の前にいるじゃないのよぉ」

場が凍り付いた。

こいつ何で言っちゃうのよ!あぁもう時すでに遅し、クラリスの目が確信の目に変わってるじゃん。


「モッチョ氏、もういいや、言うぞ」

そう言ってヘルメットを外しクラリスと3バカを見る。


「今なら間に合う、知らなかったとして部屋を出ていくか、俺達の船に乗るかだ」


「私の答えは決まっています」

「「「俺達もです」」」


「良いのか?危険だぞ」


「私はレッドさんの見る世界の一端を垣間見ることが出来ました。冒険者としてこんなにも幸せな事はありません。これからもあなたの隣を歩いて行けるようについて行きます!」

「「「クラリス嬢、“達”が抜けていますよ」」」

ロドル、ヨーケル、ヴィトがツッコミを入れている。3バカも成長したな。


「分かった、俺の計画を話すよ。聞いたら後戻りできないから覚悟しろよ」

今後の計画をすべて話すことにした。

昼食はミンクちゃんの手作りサンドイッチでウッドが大喜びしていた。事の発端のティアはモッチョ氏と遊んでいる。ぐぬぬ・・・B級グルメ食べたかったのにコヤツめ、どうしてくれようか。


のんびり書いていきます。

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