ティアさん便利じゃん2
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「というわけなんだよ」
「さすがティアさんです。幸運を運んで下さいましたね」
「でしょでしょ。あたし凄くない?もっと褒めていいのよモッチョ」
ちょっと調子に乗っているが今回は許そう。
「俺達はこのまま、Lv70付近の<地下迷宮>攻略に向かい、そのまま石碑まで行くつもりだ。ざっと2週間位かかるが良いか?」
「もちろんです。王都の東に位置するミノルの街で大会を行う予定ですので、そちらで合流ということで如何ですか」
頷く
「それで少し問題というか困ったことがありまして。この国での工房の人材確保です」
「だよね。知り合い居ないの?」
「あいにく・・・」
「それは大会後まで棚上げだな」
今考えてもしょうがないので後回しにすることにして出発することにした。
「お気をつけて」
買い出しも終わり、俺達はティアが教えてくれた<地下迷宮>を目指した。
近場で馬を降りてウッドが人形で入口付近を偵察する。
「誰も居ないぽいっす。野営場所も無いし衛兵も居ないっすね」
どうやら高Lvダンジョンは需要が無いのか、挑む者がいないのか閑散?ではなく放置されているようだった。
「よし好都合だな。いつも通り8人で調べよう」
中に入ると昔ながらのダンジョンだった。
「ウィザー〇〇ィだな」
「なにそれ?」
「めんどくさいダンジョンって意味だよ。とにかくトラップが沢山あるから注意していこう。マップ開示出来れば後は簡単だからそれまで慎重に行くぞ」
「「「りょ」」」
ティアの情報ではLv70付近との事だったがLv75はありそうだった。
「あたしはLv70っぽいって言ったしぃ。Lv75も似たようなものよぉ」
いや強さが全然違いますから。正直、人馬精形殲滅戦力でなければ危なかっただろう。
もしかしたら4人ではなく8人パーティー推奨なのかもしれない。
3日かけてダンジョン地下10階までの暗闇ゾーン、動く床、落とし穴、テレポート床等マップに記入した。
ボスについてはタコ殴りで終わりあっけなかった。このダンジョンには例の魔物がいたので今後役に立つだろう。
ボスを倒すとLv70になった。正直モッチョ氏に2週間って言ったけど1週間で良かったかもしれない。
ダンジョンを出ようとしたところ、出口付近に気配がするのでハンドサインを出す。
(誰かいるな)
(そっすね)
(ティア、見つからずに調べられるか?)
(あたしに任せなさい)
ティアだけ先行する。ティアは自身が認めたものにしか姿が見えないから大丈夫であろう。まぁ死んだら再召喚してやるし。
(マスター、今変な事考えてない?)
変に鋭いんだよなぁ
(ん、気のせいじゃん?)
(そぉ?ならいいんだけど・・・いたいた、居たよ)
(詳しく)
(えっとねぇ、男3人でジョブは不明、Lvはマスターより明らかに下だねぇ)
(ありがとう、戻ってきてくれ)
ティアが戻ってきた。仕事やった感バリバリだしてどや顔である。
(俺たちに気配を悟られるくらいだから大したことないようだ。リーズ、インビジブルをみんなに頼む)
リーズが順番に魔法をかける。透明人間になる魔法で格下には見破ることはできない。
(かかったものからダンジョンを出て北側に集合してくれ)
(((りょ)))
俺は外に出て俺たちを探っていると思われる男を観察する。顔は頭巾で覆われており確認出来なかった。分かったことはリーダーらしき男の剣に八芒星のマークがあった。それ以上の情報は得られなかったので待ち合わせ場所へ向かう。
「お待たせ」
「兄貴、何か分かったんすか?」
「八芒星の紋章くらいかな。見たことあるか?」
そう言って地面に八芒星を描いたが誰も知らないようだ。
これもそのうち明らかになるだろうから持ち越しだな。
「それじゃ行こうか。ティア案内できるか?」
「任せなさい」
馬でしばらく進み、ティアに案内された場所へ到着した。
「で?」
池である。
「でって何よぉ」
「池ですが、これは?」
「池の中ぁ?」
俺は採集用の釣竿を出して準備する
「ま、ま、まさかとは思うけど、糸の先には何を付けるのかしらぁ?」
「ん?ティアだけど?」
「あたし泳げませんけどぉ?」
「大丈夫、重り付けて沈むだけだから泳げなくても安心」
「イヤァーーーー、ほんとにここなのよぉ」
これくらいで許すか。
「嘘だよ(笑)。でもどうやって行くかな」
「男のロマンの出番っす」
そういってウッドが人形にアタッチメントを付けていた。
「名付けてスラッシャー潜水形態っす」
ウッドが人形にロープを付けて池に入れた。
「結構深いっすね・・・あ、横穴があるっす」
どうやら横穴を進んだ先に道があるみたいだった。人形にアンカーを打ってロープを固定するよう命じたらしい。
「まず俺が行くよ。お前たちは周囲を警戒してくれ」
ロープを頼りに大きなすり鉢状の池を一気に潜水した。10mほど潜ったあたりに横穴があった。かなり息が苦しくなってきたが一気に進むと、いきなり地面に突っ伏してしまった。何かの力が働いているのか水が壁のようになっていて一定のラインからは水が浸水しないような仕掛けになっていた。
(ウッド、息が持つか分からないから、みんなを人形でアシストできるか?)
(了解っす)
サーラから順にみんなが来た。俺は地面に落ちないようにみんなを受け止める。
最後にウッドが来た。
「ドワッ、痛っつ」
見事に地面に着地してくれた。
「兄貴ひどいっすよ」
「俺も胴体着陸だったからな」
「だからって、ひどいっす」
「男は大体いつもそんな感じだろ?」
「まぁそうっすけど・・・」
「この先あるのは間違いなさそうだな。何があるか分からないから慎重に行こう」
「「「りょ」」」
のんびり書いていきます。




