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合流

6



 宿屋に戻ると、ロビーにリティス達の姿もあった。


「今日は臨時収入もあったから俺の奢りで美味しいものを食べに行こう!」

 そう言うと他の客の事などお構いなしに歓声を上げる。まずい、と思いながら周りを見ると冒険者御用達の宿だけあり上位の冒険者が一斉にこちらを見た。絡まれると思ったが、そんなことは無く笑顔でこちらを見ていた。


「俺達もあんな時代があったよな、懐かしいな」

「明日が分からない仕事だから、今日を楽しめよ!」

「べっぴんさん揃いだし俺らもまぜて欲しいくらいだぜ」

「はぁ?私達はべっぴんじゃないとでも?」

「いやぁそんなことは無いですよ・・・では食事にでも行きましょうか、べっぴん様・・」

「あんたらの奢りでね」

 などいろいろな声が聞こえる。


 俺は仲間に静かにするように言った後、先輩冒険者にお辞儀をしてその場をやり過ごす。そして宿屋の主人おすすめの場所を教えてもらうことにした。


「この区画で有名なところと言えば・・・金額が張るが良いのか?」

 俺は頷いた。


「ならば、ここへ行くと良いだろう。店の名はディープブルーだ」

 そういうと簡単な地図を書いてくれたので受け取りみんなを連れて外へ出る。


「レッド様、申し訳ありません。すこし騒ぎすぎてしまいました」

 リティスが申し訳なさそうに言う。


「気にするなよ。何も起きなかったし。終わりよければ、だな。まぁでも次からは部外者が多数いるところでは騒がない様にな?」

 俺の言葉にみんなが頷く。


 地図を頼りに宿屋から10分ほど歩くと、それらしき場所にエビのマークの看板が見えた。どうやら店名とエビのマークから海鮮料理の店らしい。楽しみだ。


 店に入ると、客の姿は無かった。考えてみればまだ夕方の6時前だ。席についてメニューを見ると値段もそんなに高くない、一人1万Gも出せば食べきれない量が出てくるくらいだ。この世界の冒険者の平均年収は500万Gで税金を引けば450万ほどだろう。そこへ装備のメンテなどを考えると400万位になってしまう。だが冒険者以外の平均所得が100万Gなので宿屋の主人の言う通りの高級料理店だ。


 みんな各々好きなものを頼んで、最初に飲み物が届いた。もちろん俺の体は未成年なのでウーロン茶を頼み、乾杯の音頭を取ろうとしたとき、衝撃が走った!そう、俺以外みんなビールである。まだ頭が理解できず棒立ちの状態だった。


「レッドどうしたの?今日は祝いの日だよ。しゃんとしてください」

 サーラのスマイル攻撃にもやられたが、まだ納得できていない・・・


「あ、あぁ。今日は新たに4人の仲間が加入してくれた。今後ともよろしく頼む!乾杯」

 そそそs、そうだった、この世界では16で成人だったのだ。不覚にも見落としていた。大失態である。


「「「「かんぱーい」」」」

 しかし今日は酒を我慢することにした。そもそもリアルでも、ある出来事があり酒を飲むことを止めてたからな・・・


 2時間ほど飲み食いしてお開きとなった。味は上の中、まぁ大満足。


 帰りの際リティス達に合流するように伝えたので、俺たちの使っている宿屋に来るはずなので宿屋の主人に部屋を10人部屋に変更の手続きをしている最中にリティス達が来たようだ。


「レッド様、荷物をまとめてきました。」


「おう、早いな。あとなリティス」


「はい」


「俺たちはチームだ。様はやめようぜ?」


「でも失礼があっては・・・」


「家族みたいなもんだから、俺の事はレッドって呼べよ?」


「よろしいのですか?」


「かまわないよ」

 と笑顔で言うと


「ありがとうございます、あの・・えっと・・レッド・・」

 顔が真っ赤である。かわえーなーー。ダークエルフも最高やん!にやけ顔を必死にこらえていると背中に突き刺さるような視線を感じた。これは、と気配察知してみると背後でサーラ、シズク、ルルの3人が俺たち二人を見ているようだった。俺なんかやったかなと考えたが思い浮かばない。なんかやばい雰囲気だったので、まじめな顔で契約書にサインをしてやり過ごそうとしたとき


「リティスさん、少しいいかしら?」

 サーラが無表情でリティスに話しかける。なんか怖いぞ・・・いつものツンサーラさんだ。


「はい、何でしょうサーラさん?」

 どうやらリティスは空気が読めない子らしいな。これは後輩いじめ?それとも新人教育?チーム崩壊はさすがに嫌なので一言。


「リティス達も俺たちの家族になったから優しく色々と教えてやってくれよな?」

 俺様ナイスフォローじゃないかと自画自賛。


「うん、レッド、分かっているよ。ただ女の子同士話さなきゃいけない事ッてあるのよ。」


「あ!そうなんだ。ごめん気が付かなくて悪かった」

 この歳になっても女の子の事って分からないんだよな。中身56才だぜ・・・56年何やってたんだ俺。


「いいの、レッドも疲れているでしょ?荷物は私たちが運ぶから先に部屋へ行っててくれる?」

 俺も手伝うよと言いかけるよりも先にウッドが俺の背中を押して廊下に移動させられてしまった。


「兄貴は分かってないっす・・・」

 イミフだ。


「何が?」


「いや、もういいっす。部屋に行って休みましょう」

 部屋に着くと、今までの倍以上の広さがあった。


「いや広すぎっすね!お金大丈夫っすか?」


「あぁ、大丈夫だ。気にせず自分たちの事に集中してくれ。」

 ウッドと部屋を見回っているとみんなやってきたようで、それぞれの片付けが終わり落ち着いたときを見計らい俺はみんなを集めた。


「みんな聞いてくれ。今後の予定を伝えようと思う」

 みんな注目している


「とりあえず全員Lv20を目指す。リティスチームは<壺>を周回してくれ。俺たちも<壺>を周回する。みんながLv20になったら<迷いの森>へ行く。ここまでで何かあるか?」

 月花とリーズが手を挙げたので月花を指さす


「Lv20になるには2週間くらいかかると思うのですが、滞在期間はどのくらいを考えているのでしょうか?」

 ですよね、でも読みが甘いな。俺の見立てでは周回は多分1週間ほどだな。まぁ他にもやることがあるからな。でも同じ猫耳族なのにルルと違ってしっかりしてるなぁと感心した。


「出発は1か月後だ。余った時間は各自自由とする。あとこれはうちの決め事なのだが、衣食住は基本俺が出すから心配するな。仕事を受けた際の報酬は関わった人数割とする。だからと言って無駄使いはしすぎないようにな。月花これで良いか?」

 月花がうなずいたので、次はリーズに聞いた


「月花と同じだったので大丈夫です」

 リーズもしっかり者だな、見習えよウッドと思い視線を向けると寝てるし・・・大物やな。


「あと明日は休みとする。リティスチームは装備を置いていけ。修繕して売りに出すから。新装備は作っておく。俺たちの装備はこのまま20まで使う。異論はあるか?」

 皆頷いていたので無いみたいだね。


「あ!あとリティス達って歳はいくつなんだ?俺たちは全員16だが」

 女性に年齢を聞くのは失礼であったが一応今後の為にね。


「私以外16です。私は25才ですが、人族とは時間の感覚が違うので・・」


「そうか、でも俺たちと一緒の冒険者1年生だよな。あと<壺>を攻略したことでPT会話が使えるようになっていると思うから確認してくれ」

 みんな気が付いていないようだったのでステータス画面を確認してもらう。


「通常はハンドアクションで指示出しをするが、音が出せない場所での細かい打ち合わせには重宝するから」


「「「はい」」」


「あと大事なことがあった。みんな俺がリーダーでいいのか?俺怒ると怖いぞ?」

 みんなが了承してくれた。あの寝ていたウッドもいつの間にか起きてサムズアップしている。


「分かった。みんな、ありがとう。じゃ遠慮なくビシビシいくからな!」

 俺の言葉にリティス達は一瞬青ざめたが、サーラ達はいつものようにニコニコしていた。それを見たリティス達も安心したのか笑顔に戻っていた。その後は各々自由時間となり、俺は全員の装備の点検と製作に取り掛かった。


私事ですが、次元の狭間ショックのダメが響いてます。自分が悪いのですがノートPCに責任をなすりつけ新たなノートPCをポチって違うダメージも累積したようです。

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