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発表会

58


「ライラさん、英霊の石碑について何か情報はありましたか?」


「レッド様、申し訳ありません。今のところ何も・・・」

そうか、このままいくとギルドにすべて把握されてしまうな。ギルドを信用していない訳ではないのだけれどね。


「いや、いいんです。気にしないで下さい」

どうしたものか・・・この調子でいくとバンドー辺りでLv90になってしまうな。例の件もあったからバンドーで転職はしない方が良いだろう。うーん、困った。


「到着したようです。私が受付を致しますので、皆さんは待合室でお待ちください」

ライラさんが受付の列に並んだので、俺達は待合室に向かった。

どうやら、個室を押さえていてくれたようだ、ありがたい。


「みんな魔物使いも転職頼むな?」

そういうと、みんながステータスを確認していた。


「うぉお、いつの間にかLv30になってるっすよ」


「魔物使いは分岐があるからどっちを選んでも良いよ」


「レッドさん、分岐と言いましたが何があるのですか?」


「精霊使いと人形使いだ。極めるなら精霊だけどリティスは・・・難しいな」


「どのような違いがあるのです?」


「精霊は魔法でのバフやデバフ、回復補助をするんだが、人形は実体で攻撃補助や物理防御、ポーションを使っての回復補助だな」

どちらを取るかは本人が決めればいいだろう。


「あとでどちらにしたか発表会をするか」


「分かりましたわ。何を選んだかは後の楽しみということで」


誰かが入ってきた。ライラさんとギルド職員だった。

「では、英霊の間までご案内します」

内部構造はここも一緒で、地下への階段を下りて英霊の間へ入る。


「では、どなたから?」

どうせ俺でしょって思い振り返ると、・・・やっぱり俺からでした。

俺は石碑に触れた。

(・・・・思い浮かべるがいい・・・)

俺はイメージを魔力に乗せて石碑に流した

(よかろう。白騎士として進むが良い)

更に、触れる

(・・・選ぶがいい)

(精霊使いだ)

ステータス画面に白騎士と精霊使いがアンロックされた。無事に終わったのでみんなの場所へと戻る。


「みんな、イメージ大事だからな?」

ポカンとした顔をしているが、やってみれば分かるのでそれ以上は言わなかった。

次にウッドが行く。


「兄貴の言ったこと分かったっす。みんなもイメージが大事っすよ」


「あら、ウッドちゃん詳しく教えて下さるかしら?」


「リティ姉、そんなに心配しなくても行けば分かるっす」

その後リティス、サーラ、ルル、月花、リーズ、シズクの順で転職を行った。


「では、終わったようですので、次の手続きに移ります。転職も済みましたので、皆さんをCランク冒険者と認定し登録をさせていただきます」

まずい、目標のCランクになってしまった。これ以上は上げたくないな・・・英霊の石碑の件は早急に考えないと。


「これより以降、ギルドから討伐依頼をお願いすることもあるかもしれませんが強制ではありませんので心配することはありません。Bランクからは国からの依頼になりますので強制の度合いが強くなります」

やっぱりね、Cで止めておこう。


「これで、説明は終わりです。ご不明な点はありますか?」


「大丈夫です」


「では、これで終了とします。戻りましょう」


宿屋に戻りステータスの確認を行った。


レッド ナイト⇒白騎士

サーラ ハイモンク⇒仙女

ルル 狩人⇒ウインドアーチャー

シズク 神託⇒歌姫

リティス バイキング⇒重戦士

ウッド ハイシーフ⇒ナイトエッジ

リーズ 魔道士⇒探究者

月花 治療師⇒聖教者


これで、装備Lvも上がり、精霊とマウント同時使用により格段に戦力がアップする。精霊の2体同時召喚は無理だが馬はマウント扱いで呼び出すことができた。


「これから精霊もしくは人形発表会をするぞ!」


「「「「おー」」」」


「誰から行く?」


「俺っす。呼びますよ?」

みんな頷いた。

「出てくるっす、男の浪漫っす」

靄から出てくるものがあった・・・・人形だった。

静まり返った・・・・ウッド自身も・・・・


「あらあら、ウッドちゃんは人形さんを選んだのねぇ。とっても可愛いわよ」

そう、出てきたのはウッドの身長の半分位だろうか木製の人形だった。


「そうよ、お兄ちゃんがっかりしないで、可愛いと思うよ」

慰めになってないぞ・・・・。でもこれで良いのだ。人形使いになって初めて召喚した時の絶望感は全プレイヤーが味わっているのだ。実装されたときの喜びと絶望。こんなんで戦えるわけねーだろ!が正直な感想だった。


「みんな、勘違いしていると思うが、見た目に騙されるなよ?」

またまたぁみたいな顔をしているので


「ウッド、人形と押し合いしてみて」


「わかったっす・・・」

元気がないな


「押せって命令してみな」


「押すっす・・・」

命令した瞬間、ウッドが後方へ飛んで行った。

ドンガラガッシャン・・・


「痛っっった」

みんな目が点・・・


「わかっただろ、人形はLv30あるんだよ。舐めてかかると痛い目見るぞ。それに装備も作って着せ替え出来て、武器もカスタマイズ出来る。自分好みの人形に仕立てることが可能だ」


「やる気が出てきたっす。男の浪漫っす」

ウッドが鼻から血を出しながら燃えていた。


「ウッドと人形は相性がいいかもな」


「何でっすか?」


「人形に目を付けることによって人形の見ているものを見ることが出来るようになるんだ。人形であれば気配を察知されることもないし潜入にはもってこいだろ?」


「ぬふふふ。俺の時代が来たっす」

良からぬことを考えている目だった。


「ウッドちゃんがそういう目をしている時は大体ロクでもなかったわよね?覚えているかしら、私の入浴を覗こうとした時を?」


「リ、リティ姉、覚えているっすよ・・・」


「ならいいわ。何かあったらどうなるか分かっているものね」

「あの時のお兄ちゃんサイテーだったもん」


「はいっす・・・気を付けるっす」

時代が終わったようだ。


最後に俺が召喚することになった。さてどんな精霊が出てくるのか楽しみだ。ガチャですよ。プレイヤーの時はガチャで入れ替え可能だったけどこっちではどうなるのかな?

考えても仕方ないので運に任せ呼び出す。光か闇属性の精霊が出てくれば勝つる!

チロリロリーン

出てきたのは、精霊ではなく妖精だった。なぜなん?ハズレやん、そもそも精霊じゃないものって出てくるん?それに、こいつ戦闘力ないやん。


「あれ、あたし何で召喚されてるのよぉ」

こっちが聞きたい。


「あたし呼んでも意味ないよぅ?」

ほんそれな。


「何しに来たん?」

俺のガチャを返せと言わんばかりに問いただす。


「えーと、何か懐かしい感じがしたからぁ?」

ほほう。


「帰ってもらって良いかな?そうすれば再召喚出来るかもしれないし」


「うーん、駄目っぽいねぇ」

オイィ


「では聞くが、何が出来る?」


「何もぉ?」

殺意が沸く。俺のガチャをぉ


「いやいや、話が出来ますぅ。荷物でも何でもお手伝いしますぅ」

フゥォォォォー気合を入れた。


「イヤァーー神様、助けてぇー」


「名前はあるのかにゃ?」


「ティアって言いますぅ。どうか助けてぇーーー」


「それが、辞世の句として覚えておいてやろう!覚悟ぉ」


「兄貴ぃ、もういいじゃないっすか」

「そうよ、レッドも大人げないわ」

「そうにゃ」

「レッ君ティアさん可哀想」

一同の大反対を受けたので再召喚を諦めるしかなかった。まぁ叩き斬ったところで召喚すればまたこいつが出てくるからなぁ・・・ん?精霊はそうだが、妖精はどうなるんだ・・・やっぱり斬るか。


「兄貴ぃ、可愛いのが出てきてくれて良かったっすね。プッ」

何だとぉぅ。この俺がウッドに笑われるとは・・・覚えていろウッドよ・・・まぁいい。何か使えるかもしれないからこのまま様子をみるか。


「荷物持ちって言ったけど、何が持てる?」


「鉛筆くらいぃ?」

堪えるんだ俺!耐えろ!プルプルプル


「あれ、面白かったぁ?」

プチン


「ぶっ殺す!ウッドそいつを押さえろ!」


「きゃーーーーうそうそぉ。情報いっぱいありますありますぅ、どうかお助けをぉ」

情報だとぉぅ・・・・斬るのはそれからでもいいだろう。


「どんな情報だ?」


「例えば・・・・神樹とかぁ、あとは英霊の石碑とかぁ?」

ほほう、そいつは有用だな。


「ガセネタだった場合どうなるか・・・・」


「そっちこそ聞いた途端斬らないでよぉ?」

意外と鋭いなコイツ


「約束しよう」


とまぁそんな感じで発表会は終わった。


レッド ナイト⇒白騎士 精霊使い⇒妖精ティア 馬ボレアレス

サーラ ハイモンク⇒仙女 人形使い⇒チコちゃん 馬キグス

ルル 狩人⇒ウインドアーチャー 精霊使い⇒シルフ 馬セス

シズク 神託⇒歌姫 精霊使い⇒サラマンダー 馬フェニ

リティス バイキング⇒重戦士 人形使い⇒アルファ 馬カリーナ

ウッド ハイシーフ⇒ナイトエッジ 人形使い⇒スラッシュ 馬オクス

リーズ 魔道士⇒探究者 精霊使い⇒ノーム 馬カプス

月花 治療師⇒聖教者 精霊使い⇒ウンディーネ 馬アクア


精霊は属性が被ることはなく、人形使いは個別に命名したようだ。人形と信頼度あげると強くなったりするから命名は大事なのだ。

俺だけ何か戦力アップした気がしないんだが・・・まぁ、良いだろう。


のんびり書いていきます。

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