Lv上げ
57
「これを私にですか?」
「そうです。それはギブソンさんから渡してもらうのが一番だと思ったんです」
「日記は?」
「読みましたよ。それも含めてギブソンさんにお任せします」
「責任重大ですね・・・」
「まだ時間はあります。ゆっくり考えて下さい」
「そうですか、分かりました。カイの期待に応えられるのか不安になってきましたよ」
「ギブソンさんなら大丈夫ですよ」
そう言って俺は部屋を出てモッチョ氏のところへ向かう。
「待った?」
「全然ですが?」
フレサンジュさんも一緒だった。
「次のダンジョン情報が知りたいんだけど?」
「はい、調べておきました。推奨Lv45<砂漠>が王都西にあり、推奨Lv48<灯台>が王都北西にあります。内部の魔物に関して情報が少なく難航しており・・・」
扉が開いた。
「盗み聞きをするつもりはなかったのですが、私で良ければお教えしますよ」
ギブソンだった。
「このLvになるとギルドが情報を流さない様になります。理由は分かりませんがね。ギルドに問い合わせればすぐに教えて頂けるのですが、それはしないのでしょう?」
俺は頷いた。
「<砂漠>は<砂丘>と変わりませんよ。魔物のLvが上がった程度です。<灯台>はアンデッドが多いので気を付けて下さい。ボスはヴァンパイアですから魅了にも十分気を付けて下さい」
「ギブソン様、ありがとうございます。私の情報収集が足らないばかりにご迷惑をお掛けしました」
「良いんですよ。私が教えられるのはここまでですから。これ以上のダンジョンは行ったことが無いので」
「ギブソンさん、僕からもお礼を言わせてください」
「あなたにはたくさん借りがありますから。お気になさらず」
そう言って部屋を出て行ってしまった。
あれ・・そういえば他に要件があって呼ばれて来たんだけど何だっけ・・・
ニッコリ笑顔でモッチョ氏を見る。
「では、よろしいですか?」
何が?
「以前、神龍の調査を頼まれた件ですが」
すっかり忘れてたわ。それ頼んでましたよ。
「あれはメルム王国に伝わる歌のようです。神龍がこの世界を作ったという歌で数種類ありましたが内容はすべて一緒でした」
運営様の設定と一緒だな。
「出所はメルムということで、それ以外に分かったことは?」
「8英雄と同じく何も分かりませんでした。メルムへ行けば何か分かるかもしれませんが・・・」
ですよね。
「ありがとう。これも足が付く前に調査を止めよう」
「了解しました」
「Lv50までここでLv上げするから、転職の件もお願いしても良い?」
「もちろんです。連絡があれば、直ぐにギルドへ申請します」
「それ以外に何かある?」
「ボッシの様子を見て頂けると・・・」
「オッケー、夜であれば行くけど、それでいい?」
「有難うございます」
部屋を出て、すぐさま次のダンジョンへの準備をして出発した。
<砂漠>ではサンドワームが追加されていた。これも大して痛い攻撃が無かったのでサクサク攻略が進んだ。一番怖いのは名前付きだろう。俺はあれ以降更に慎重になり、いつもと違う場合はすぐに退却するように徹底した。退却した際は8人で原因が分かるまで行動することにした。
昼間は攻略、夜は小1時間ほどボッシを指導、その後採集という具合です。「黄色と黒は勇気のしるし、24時間戦えますか♪」って口ずさみながら採集してました。労働基準法完全無視な歌だったな・・・
<灯台>はシズクと月花が大活躍で問題なく攻略できました。もうね、何言ってるか分からないだろうけどありのままを話すぜ。
俺が魔物の攻撃を受けようとしたら魔物が居なかったんだ。うそじゃないんだ。次こそ魔物の攻撃を受けようと当たる瞬間まで見ていたんだ。当たると思った瞬間魔物が居なくなっていたんだ。その時気付いたんだ、シズクと月花の魔法の恐ろしさの片鱗を、というのは言い過ぎだけどアンデッドには魔法が良く効いた。ヴァンパイアにはレジられたが近接の鬱憤晴らしに案山子になってもらった。
1か月ほど経過して俺達はLv50になった。これで上級職に転職が可能となった。
すでにLv30になっていた魔物使いも上級職へ転職できるな。これで更に戦力アップになるだろう。
のんびり書いていきます。




