温泉旅行その3
53
朝食後、俺はウッドを連れて大浴場へ向かった。
「兄貴、風呂に入ると何で声が出ちゃうんすかね?ハァーーーとかフゥーーとか」
「年寄りが言うって聞くぞ。お前老けたんじゃね?」
「マジっすか・・・」
少しショックを受けたようだ。話を変えるか。
「昨日の卓球は面白かったな!」
「そうっすね!こうやってスマッシュ決めると最高っす」
目の前で俺の方向いてマッパのまま素振りするなよ・・・湯につかってる俺の目線の位置とお前のらっきょうが同じ高さでブンブンしてるのが気になってしょうがないっつーの。
「や、やめろよ、水しぶきが・・」
「あ、申し訳ないっす」
ウッドが何かを見つけたようだ。
「兄貴、昨日は夜で見えなかったけど、山肌に洞窟が見えるっすよ」
うん、どれどれ。
「お、ほんとだな。源泉があるのかもな。あとで宿屋の人に聞いてみよう」
「そっすね。行けそうなら探検しに行きましょうよ」
「それもいいな。よし女子組も誘って行こうぜ!」
一方女子組は・・・
「卓球というものが、あんなにも人を夢中にさせるなんて計算外だったわ」
「そうね、レッドに負けてリティスに教えてあげましょうなんて言われたときはハイ?って思ったけど、結果みんなへたくそで良かったわ」
「サーラさん、へたくそは言いすぎじゃないかしら?レッドさんと勝負しているサーラさんを見たら、私ならもう少し出来ると思ったのよ」
「そうね、ヘタクソは言いすぎたわ、ごめんね。でも今日はリベンジ出来るわ」
「そうにゃ、みんな上手くなったにゃ」
「あとは、ウッドをどうするかよね。昨日はすんなり寝てくれたけど・・」
「それなら私がスリープで眠らせます。私なら気を許しているのでレジストされることは無いはずです」
「それでいきましょう。では、今日こそ第一号作戦改め湯けむり大作戦発動よ」
「「「「了」」」」
部屋に戻ると女子組がヒソヒソと何か話しているようだった。
「ただいまーー。みんなも風呂行ってくれば?」
「「「おかえりなさい」」」
女子組が素直に大浴場に行ってくれた。
昼食後、フロントで洞窟の事を聞くとアトラクションがあるとのこと。内容は、洞窟探検や温泉スライダーなどがあると説明を受けた。
「みんなで行こうぜ?」
「「「「いく!!!」」」
「では8人で行きたいのですけど、注意点とかあります?」
「男女一緒ですので水着の着用をお願いします。お持ちでいないようでしたらこちらで販売しておりますので準備をお願いします」
当然水着など持っていないので買うことにした。
俺とウッドはサーフパンツを買ったが女子組は色々と悩んでいた。
「兄貴はどんな水着が好みっすか?」
「そうだな、露出があるのも好きだけどスク水一択じゃね?あれ至高だろ」
「そっすかぁ?Tバックとか良いじゃないっすか?」
「あれ履いて垂れてたりしたらがっかり感ハンパないだろ。スク水は矯正機能も常備してるから最高なんだよ。綺麗な人は、より綺麗に、そうでない人もそれなりにしてくれる優れものなんだよ」
熱弁し過ぎてしまったようだ。
「そ、そうだったんすね。勉強になったっす」
ウッドが少し引き気味に答えた。
(聞いた。レッドの好みはスク水らしいわ)
(私も聞いたわ)
(私もにゃ)
(では、それでいきましょう)
(((了)))
「俺たち先に外で待ってるから。早く来いよ?」
「「「「うん」」」」
その後、アトラクション無料送迎馬車に乗って洞窟入口に着いた。
「皆様、お着替えはこちらの着替え専用部屋でお願いします」
案内されるままウッドと着替えに行く。
外で待つこと10分・・・長い・・・女子ってなんで長いの・・・
「「「お待たせ」」」
やっと来たかと振り返ると・・・全員スク水・・・めっちゃ最高!!!地獄から天国ってこのことなのね!
俺はハイテンションで受付を済ませ入場した。
最初は温泉スライダー。これが意外と距離があって楽しかった。一人用と浮き輪を使った2人用、4人用があった。順番に何度も乗らされたがスク水パァゥワーのおかげで苦ではなかった。むしろうれしい。
次に洞窟探検を楽しんだ。迷路のような鍾乳洞を進んでいくのだが、みんながくっついてくるので理性が・・・まずい、テント張りそうだ・・・・ギーーーッシュ!何とか悟りを開けた。まずいな・・・こんな時用の為に鋼鉄のアンダーパンツを作っておこう。
鍾乳洞を進むと名物らしい温泉の滝つぼ飛び込み場所に到着した。高さは20mくらいだ。これはマジで怖いな。20m走るのは短く感じるが、高さとなるとハンパなく高く感じる。
「誰から行く?」
聞くまでもなく俺のようだった。
「では、お手本を見せてやろう!」
20mってちょっとしたバンジー並だろ・・・・
「と、思ったが一緒に行くやつ居る?」
やっぱり一人では怖いな・・・はい、チキン野郎です。
「レッ君私が一緒に行く。何かあっても治せるから」
「シズクありがとな。一緒に行こうぜ」
飛び込み場所まで手をつないで進む。最初の一歩が出ないんだよな・・・
「シズクさん、お尻が半分見えてるっすよ」
「え、うそ・・キャッ」
慌てたシズクが滑って体制を崩し滝つぼへ頭から倒れていった。
俺はすぐに飛び込みシズクを抱え込み着水した。深さはあったが底近くまで潜った。
シズクは無事だった。源泉と湧き水でちょうど温水プール並みの温度で透明度は抜群だった。周りを見ると横穴があった。
シズクを見ると頷いているので横穴に入っていく。
「プハー、大丈夫かシズク」
「うん、でもちょっと足を挫いたみたい」
俺は、シズクをお姫様抱っこする。
「道はここで合っているのかな?」
「わ、分からないけど、何か感じる」
感じるって真っ赤になって言われると変な想像しちゃうだろ!
だが、シズクの言う通り何か気配を感じた。
「少し進んでみるか」
「うん・・・」
一本道を進むと大きな空洞に着いた、と同時に気配の正体も分かった。
神樹
(みんな、滝つぼの底に横穴あるから来られるか?)
(それよりも大丈夫なの?)
(うん、私は大丈夫。レッ君が守ってくれたから)
(シズクさん、すぐに向かいますね)
(変なこと言ってすまんっす)
(ウッドさん、私は気にしてないよ。逆にありがとう)
(あーとにかく来てくれ)
(((りょ)))
「シズクさん、どうしたんですか」
「ちょっと足を挫いたみたいで」
「私の治癒魔法で・・」
「あ、大丈夫。自分で治せるから」
ん・・・?あれ・・・シズクさん?・・・・そうだ、シズクは毒されてなんかいない!俺がお姫様抱っこしたかっただけなんだ。シズクはそんな子じゃない・・・はず。
「えーっと、神樹を再生させましょうか・・・」
いつものように魔力を注いで再生完了。神樹がアンロックされた。
「ここは行き止まりの様だから戻るか」
飛び込んだ滝つぼ側に戻って進むとゴールが見えた。
のんびり書いていきます。




