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海上にて

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ガイア首都の南部に位置する港町に着くのが4日後らしい。

今回の船旅は結構辛かった。外海に出ると、かなり波が高く船酔いが半端ない。

シズクと月花の前に列が出来るほどだ。2日目には耐性が付いたのかそれほどひどい事にはならなかったが。


「いやぁ、きつかったな。今日は何とか食事が出来そうだよ」

今日の昼食はカレーだ。香辛料の良い香りがする。


「俺は無理っす・・・」

ウッドはまだ駄目らしい。イジルとするか・・・


「あー、ミンクちゃんがウッドと船旅したら大変だろうな。彼女、船が好きって言ってたしなぁ。あー大変だなー」

もちろん嘘ですが。


「これくらい余裕っす」

おー、頑張って食べてる。どうやら喰いついたようです。


「吐いたら、ミンクちゃんに言うからな」


「完食っす。余裕っぷ」

まて、こっちみんな!


「月ぷ(月花)、ばすけるっぷ(助け)」

月花のもとへ行ってくれた。危機は去ったようだ。

俺は颯爽と甲板へ避難した。


風が気持ちいい。

何やら悲鳴や怒号が聞こえなくもないが、気のせいだろう。


その夜、外の様子がおかしいので船長のもとへ行った。

「おかしくないか?」


「こんなことは初めてです。波もなく、風もなく、水面が鏡面みたいに・・・」

そう、全く揺れていないのだ。

ほかのみんなも集まってきた。


「どうしたにゃ?」


「分からないんだよね、甲板に出て周りを見てみるか」


「そうね、行ってみましょう」

周りを見渡すと小波すら立っていない。風もないので動いているかも怪しい。


「船長!舵は効くのか?」


「手ごたえはあるので、動いているのだけは確かなようです」


「何か見えるにゃ」

指さす方を見た。月明かりで前方に船らしき影が見えた。


「船長、面舵いっぱいだ、急げ!ぶつかるぞ」

俺は叫んだ。船が少し傾く。どうやら舵は生きていたようだ。

影が近づいてきた。


「!!!・・・」

俺は絶句した。

朽ちた船だった。修復は不可能なくらい朽ちていたが特徴的な船だった。


(あれが残っているのか・・・でもなぜ?)


「レッド様、あれは何ですか?見たことの無い形の船ですが」

モッチョ氏も来ていたようだ。


「あぁ、後で話すよ。ここでは話せない」

小声で伝えた。


船とすれ違い、しばらくすると風が吹き始め、波も出てきた。


「もう大丈夫だろう。船室に戻って休もう」


「レッ君、何か隠してる」

シズクがジト目だ。


「何もないよ。俺はモッチョさんと話があるから部屋に戻っててくれ」

渋々戻ってくれた。

その後モッチョ氏と一緒に会議室へ向かった。

「あれは何ですか?船でしょうけど、見たことないがない種類でした。」


「うーん・・・簡単に言うと戦闘艦。しかも中央大陸産だな」

そうあれは、PVPエリアでチーム戦をするために運営が設定したイージス艦だ。中二大好きな魔力エンジン、魔力追尾火薬弾、魔力バリア、他にも湯水のように超超超レア金属を使った超ド級超高速亜空間跳躍戦艦など世界設定を無視した代物もある。この戦艦作るときはチーム全員で採集を1年ほど頑張った記憶がよみがえる。運営様が古代文明の技術とかで無理やり作ってくれたおかげで採集地獄を味わえましたよ。全サーバーで作れたチームは5つもなかったはずだ。少人数チームでは10年やっても作れるかな?くらいの物だ。もしも、うちのチームの戦艦が残っていたら世界征服できるな・・・

それに、あれがあるということは、飛行船、潜水艦もあるだろう。設定が全部そのままなら空中都市、海底都市だってあるぞ・・・ないと思うけどコラボイベント物も・・・。


「とりあえず箝口令を敷いた方が良いができるか?」


「部外者はこの船にはおりませんので可能かと」


「あれが、悪い奴の手に渡るとまずいことになるかもしれないからな。最悪、世界征服されるかもしれない」


「そこまでですか・・・」


「大丈夫だよ。あっちに行ければ作れるし、何とかなるよ」


「はぁ・・そうですか」


「手に入れても使い方分からないだろうし」

メインシステムが生きていなければ使えないからな。それにあれも必要だからな・・


「それを聞いて安心しました」


「んじゃ、そういうことなんで、あとは頼むよ」


「かしこまりました」


それ以降はトラブルなく無事に港町に着いた。


のんびり書いていきます。

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