お父さんってそんな感じ
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長いようで短い1週間でした。
女子組が女子力全開だったので、理性を抑え込むのに大変でしたよ。
まぁ何とか年の功?で乗り切りましたけどね。
詳細はまたの機会にしときます。
「約束通り、これからウッドとリーズの故郷へいくぞ」
「レッドさん、無理しなくても良いですよ?」
「何言ってんだリーズ?俺が会いたいんだよ」
「兄貴もそう言ってくれているんだから、遠慮するなっす」
「もう、お兄ちゃん!遠慮って知ってる?」
「それぐらいわかるっすよ」
長くなりそうだな・・・
「はいはい、もう決めたことだから変更は無し。準備しろ」
王都を出てしばらく歩いてから馬を呼んだ。
この子(馬)たちもLvが上がり速度もそれに比例して上がっていた。今日一日走れば到着する予定だ。ボレアレスなんか200km/hを余裕で超えていた。乗っていてマジで怖いから・・・ホント落ちたら死ねる感じ。
「ウッド、案内頼んでもらっていいか?なるべく人目につかない道で頼む」
「了解っす。俺が先頭を行くので続いて下さいっす」
馬8頭が尋常ではない速度で疾走する。途中3回ほど休憩を挟んで、辺りが暗くなるころにカルピの村付近に到着し、馬を降りて歩いた。
田舎道なので街灯などなく、深夜になればほとんど道が見えなくなるだろう、と思ったがこの世界の大気は綺麗なのか月と星明りだけでも十分だった。
10分ほど歩くと、ウッドが異変に気付いたようだった。
「おかしいっす。家に明かりが点いてないっす」
言われて確認すると、家のある方向から明かりらしいものが確認できない。
「窓が全部塞がれているにゃ」
ルルが遠視で確認した。
俺はハンドサインで戦闘準備の指示をだす。
(何があるか分からない。警戒を怠るな)
((((りょ))))
ウッドを先頭に進む。
どの家からも音がしないが気配だけはある。
ウッドが、とある家の玄関前で止まる。ここがウッドの実家なのだろうか。
コンコンとノックした。俺たちは周囲を警戒する。
返事が無い。
再度ウッドが扉をノックする。
中の気配が動いた。
「俺っす、ウッドっす」
小声でウッドが言う。
「リーズのお尻のホクロは」
中から声がした。
「3つ」
ウッドが答えた。
扉が開いた。
「ウッドか!よく帰ってきた。早く中に入れ」
老けたウッドに髭を付けた人が出てきて、思わず吹き出しそうになった。
俺は何とか堪え、言われるまま中に入った。
「おかえりウッド。少し大きくなった?リーズちゃんは可愛くなったわね。恋でもしているのかしら」
これまたリーズをふっくらさせた人だった。
いや、親子って似るものなのですね。
「お父さん!何あの暗号みたいなの!それに何でホクロの数を知っているのよ!!!!」
リーズがご立腹のようです。
「まぁ、それは愛娘の事なら何でも知っているというか、赤ちゃんの時にオムツかえるでしょ?その時よく観察しとったのよ。わははは」
「お父さん、声が大きいわよ。嬉しいのは分かりますけど」
「そうじゃったな・・」
「なんでこんなことしてるっす?」
ウッドらしからぬ的確な質問がでた。
「ここではなんだ、応接間で座って話そう」
応接間に案内された。というかダイニング?2DKなので応接間というダイニングだった。
「今日の出来事じゃったんだが、農作業中にゴブリンの集団を見たっちゅうもんがいて、村長以下村民で話し合いがあったんじゃよ」
ふむふむ
「それで、村長と若い連中5名が王都へ討伐依頼を出しに向かったんじゃ。ワシらは討伐が終わるまで、なるべく家から出ないようにして、窓も塞いだのさ」
そういうことなのね。
「俺から質問があるが良いか?」
ウッドの親父が、誰じゃこいつみたいな顔してる。
「俺たちのリーダー、レッドさんっす」
「あらあら、素敵な方ね。リーズちゃんが綺麗になったのはこの人にためかしら?」
リーズの顔が真っ赤です。
「お母さん!やめてよ」
「何じゃと、本当なのかリーズ?わしは許さんぞ!」
これ、話が進まないやつや。
「お父さんまで勝手な想像しないでよ、レッドさんごめんなさい」
良いんですよ、父親はみんなこんな感じですから。
「なぜ、お前が謝っておるんだ。さてはこの男に騙されておるのだな。儂に任せておけ」
え!何か向かってくるんですけど・・・どうしたらいいの・・・
「スリープ」
リーズの魔法が発動した。
こりゃ朝まで起きないだろうな。
「これで静かになったわ、本当にうちの父が失礼な事をしてごめんなさい」
お父さんの気持ちも分かるから、しょうがないよ。
「あ、じゃあ、お母さん質問良いですか?」
「あらあら、お義母さんだなんて、いつ結婚式を挙げるのかしら?」
ん?こっちもか・・・
「もう、お母さんまで!」
「冗談よ、それで質問て何かしら?」
「ゴブリンはどのくらいの規模で、種別とか分かりますか?」
「種別までは、冒険者が居ないので分からないけど、100体は居るって言ってたわ」
ほほう、ゴブリン100程度なら今の俺達なら余裕だろう。
「そうですか。目撃場所は分かりますか」
「この村の北部の森らしいわよ」
「有難うございます。それで充分です」
明日討伐に向かうとするか。
みんなを見ると、俺の考えが伝わったのか頷いていた。
(親父さんが起きる前に出発するから早めに休もう)
(((りょ)))
お土産と、準備してきた食材を渡し、軽く夕食を摂って休むことにした。
のんびり書いていきます。




