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デート

42


夕方、切りの良いところで作業を終わりにした。

「シリカはまだやるのか?」


「あと少し頑張ります」

駄目な時はいくらやっても駄目な場合が多い。

経験上、ギターを練習していて、いくらやっても弾けなかった早弾きが次の日あっさりと弾けることがあるのだ。

そういうのは人に言われるより自分で気づいた方が良いかもしれないので必要以上は言わないでおこう。


「無理するなよ」


「はい」


俺はルル用に作った装備とBFRをアイテムボックスに入れ宿屋へ向かった。

宿屋の前にはルルが待っていた。

ものすごく準備をしたのだろう、半端なく可愛かった!


腰まであるブラウンの髪、手まで隠れる大きなパーカーにホットパンツ、生足スニーカーだ。ニーソ無くても全く問題なし!でも・・・あとでモッチョ氏にニーソ開発計画を申請しておこう。

それになんだか照れている感じがいつものルルと違って新鮮だった。

俺まで緊張してきた。


「お、おう、待たせた」


「今来たところ・・・・」

赤くなってるだと・・・・

ヤバイ、めっちゃヤバイ、可愛すぎる。

いつも戦闘では髪が邪魔にならないように結い上げているが今はナチュラルに、風が吹くとフワーッて良い匂いもするし・・・めっちゃヤヴァイ。

こういうのが6日間・・・無理っしょ?


「どうしようか、夕飯食べに行こうか?」


「うん・・・」

にゃ、が抜けてるぞ・・・今更気が付いた・・・

モッチョ氏の傘下のグラス料理(フランス料理)を食べに行くことにした。

インフォーマル以上のドレスコード指定のある店で、ラフな服装では入店できないところを、モッチョ氏の友人ということで特別個室を用意してくれた。


「本日はご来店有難うございます。メニューがお決まりでしたらお呼びください」


「あ、じゃぁ、オススメコースでワインもオススメでお願い」


「かしこまりました」

若いころは質より量だったので見た目で判断して、フランス料理を敬遠していたのだが、これが何と食べてみるとお腹がいっぱいになるんですよ。

少量が次々に出てきて、合間にはワインとか話を楽しんで、最終的にデザートが出てくるころにはお腹いっぱいになってるという不思議。


「今日はずいぶん静かだけど、どうした?」


「なんか改まると緊張するの。それに・・・」


「それに?」


「ううん、何でもない」

気になるな・・・。

それに、にゃが無いだけでこんなにも破壊力があるとは・・・


「お待たせいたしました、お通しと赤ワインになります」

グラスに赤ワインが注がれる。


「乾杯しようか?」


「うん・・」

萌え萌えだわ。


「ルルたちと一緒に生活を始めて大分経ったな」


「うん、いつも一緒だったね」


「楽しかったな」


「うん」


「これからも一緒に楽しく生きていこうぜ。乾杯」

グラスを合わせた


「ずっと一緒だよ?」


「ああ、もちろんだ」

お酒が入ってきたのか、ルルもいつものように話してくれるようになっていた。

オードブル、スープ、ポワソンが来たときは白ワインが出された。

料理を食べながら話が弾んであっと言う間に締めのカフェが出てきた。


「そういえば、今日ルルに渡すものがあったんだ」


「なぁに?」


「BFAの改良版のBFRと新しい装備だよ。リングはルルに似合うように作ったつもりだよ」

弓と猫耳をモチーフに作った。


「レッドが指に付けてくれる?」


「俺でいいなら付けるよ」

ルルが左手の薬指を出す。

愛おしく感じてしまう。


「いいのか?」


「はい、お願いします」

スッとはまった。


「うれしい・・・」

可愛すぎんぞ!俺は思わずルルを抱きしめていた。

初めは力が入って棒立ちだったが徐々に俺の背に手を回してきていた。


「そろそろ、帰ろう」


「うん」


俺たちは店を出て宿屋へ向かった。


「レッド、昔みたいにおんぶしてくれる?」


「いいぞ」

俺はしゃがんで背を向けた。


「ありがと」

ルルを背中で感じた。

昔はよく、疲れたからおんぶーとか言って、よくおんぶさせられたっけな。

そんな話をしながら歩いて行った。


「何があっても一緒に居てね」


「一緒に居るよ、俺を信じろ」

おんぶしているルルを見ようと顔を後ろに向けると、ルルの唇と俺の唇が重なった。

「!!!!」


「大好き」

ルルが何故か泣いていた。


「どうした、何泣いているんだ?」


「何でもないにゃ」


この時は、今後バンドーで起きる出来事など想像もしていなかった。

ただただ、幸せなこの時間をずっと感じていたいと思っていた。


のんびり書いていきます。

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