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ウッドさん(笑)

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翌日・・・ウケル・・・

「兄貴、いつまで笑ってるすか」

これが、止まらんのよ


「だって、プックク、お前変装しヒィヒヒてもウッドってわかっちゃうじゃんプクククッ」


「ひどいっすよ。兄貴はホビット全体を敵に回したっす」


「アヒーヒッヒ、そんなつもり、ブフーッ、ないよって」

いかん、止めないと。


「えー、あー、ゴホン!すまないな。ウッドは変装しなくていいや。ウッドで来てくれ」


「わかったっす・・・」

少しご機嫌な斜めですね・・・


「悪かったよ。今度かっこいい変装セット作ってやるから許してくれよ」


「マジっすか!それなら許すっす」

現金だな。


今回俺はボイスチェンジャーを搭載したフルフェイスのマスクを用意した。イメージ的にはアイアン〇ンの頭部分的な。仮面だと髪の色でバレそうなので、今回はヘルメットタイプを用意した。

そしてフード付きコートを纏う。

「それかっこいいっす。俺にも同じの頼むっす」

いや、これ使ってもウッドってバレるぞ!?と言いかけたが黙っておこう。


「わかったよ」

俺達は工房へ向かうことにした。

モッチョ氏が用意した職人用の工房は俺たちに用意してくれた工房と同じくらいの広さだった。

すでにモッチョ氏とフレサンジュさん、シリカが待っていたので小走りで向かった。


「遅くなって済まない、私がファングだ」


「おはようございます。私、シリカといいます」


「シリカさんか。モッチョ氏から将来有望と聞いているぞ?」


「そ、そんなことないです」


「今日は私の護衛をしてくれるウッド君も一緒にいるが構わないかい?」


「もちろんです。ウッドさんとは一度お会いしていますので」


「そうか、それなら問題ないな。モッチョ氏、作業を開始しても?」


「もちろんです、ファング殿にお任せいたします」


「契約とかは終わってるのかな?」


「それは、先ほど私が契約書を交わしたので問題ありません」

フレサンジュさんが答えた。

俺たちは工房内へ入り、作業準備を始めた。


「では、基礎がどの程度か調べるためにカッパーインゴットを作ってみてくれ」


「はい」

カンカンカン


「できました」

うん、出来てるね。だけど小手先で何とか品質を維持している。ものすごく器用で何とか作りました感が出てますね。


「うん、何となくわかった。まずは基礎だな」

俺はウッドに教えたようにシリカにも教えた。

魔力を注ぐタイミング、量、時間など。


「やってみます」

カンカンカン。

どうやらウッドより上かもしれん・・・・

いきなり高品質カッパーインゴットが出来た。ウッドを見ると動揺していた。


「呑み込みが早いな。これが基本だから忘れないようにな」


「はい」

あとはどの素材まで扱えるかだな。

ゴールドインゴットを作ってもらうか。


「次はこれをインゴットにしてくれるか?」

金鉱を渡す。


「はい、やってみます」

カンカンカン。

うん、ノーマルが出来たな。


「高品質は出来そうか?」


「毎回では難しいですが、5回に一回くらいは出来そうです」

となると、下級辺りだな。

ウッドよりは若干下だな。ウッドは2足の草鞋だから抜かれるかもな。うーん難しい問題だな。

ルークブランドはウッドのブランドだしな・・・ルークで働くとなるとウッドを凌駕してしまいそうだし・・・

モッチョ氏ヘルプ!


「シリカさんはファングとルークどちらで働きたいですか?」

ナイスモッチョ氏


「私は出来ることならファング様の下で・・・」


「そうですか。それならばファング殿が不在時の商品を手伝う形でもよろしいですかね?」


「もちろん私は構わんよ」


「であれば、再度契約書を交わさなければなりませんね。フレサンジュさん」


「では、こちらの書類にサインをお願いします」

用意してあるってさすがや、モッチョ氏!


「ルーク様には申し訳ありませんとお伝え頂けますか?」


「ルークも私の弟子だ。それくらいでは怒らんよ」

ウッドを見ると安心していた。

そりゃ自分よりも有望株が来たら不安でしょうからね。


「私の下で実績を積んだら、自分のブランドを作るのもいいだろう。その時は私からモッチョ氏に推薦してあげよう」


「そんな、恐れ多いことです・・・」


「あと大事なことがある。装備製作に妥協は許されないぞ。妥協したことで冒険者が死ぬこともある。自分のミスが冒険者を殺すってことを忘れてはいけない」

何にしてもそうだが命と繋がる仕事で妥協してはいけない。医者や看護師、車や飛行機の整備をする人もそうだ。神経をすり減らすことだろう。これを乗り越えないといけないと思う。


俺はシリカの作ることが出来る装備の少し上の装備群から到底作れないものまでサンプルで作った。

「これをサンプルとして色々作ってみてくれ。俺が次に来る時までにどこまで作れているのか楽しみだな」


「私、頑張ります」


「ファング殿、あの凄そうな装備は私どもで売っても良いのですか?」


「いや、あれは勢いで作ったから、まだやめた方が良くない?」


「ですよね。私が一度も見たことがない・・・レジェンドクラスですかね・・・?」

正確に言うと、レジェンドレアのレプリカなのよね。能力的には本物より若干劣る。


「やっぱりあれは、厳重に保管しといてくれる?あれだったら分解しとくけど?」


「いあやいあやいあや、厳重に保管いたします」

モッチョ氏、少し言葉がおかしくなってますよ?


「じゃ、まかせるわ」


「シリカさん、ここで見たこと聞いたことは他言無用ですからね。契約書にも書いてある通りお願いしますよ。わかっていると思いますが裏切った場合は・・」

モッチョ氏がいつになく怖い顔をしている。


「わかっています」


「では、今後もよろしくお願いします」

いつものモッチョ氏だ。

モッチョ氏って本当はすごく怖い人なのかな?悪い噂は聞かないから大丈夫なんだろうけど、商人って腹黒いしな・・・

モッチョ氏を見ると、ギッシュ顔で満面な笑みを浮かべてる。

うん、信じよう。


その日は、付きっきりでシリカを指導した。ウッドも隣で俺の作業を食い入るように見ていた。


のんびり書いていきます。

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