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宿屋にて

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 現在、宿屋で昼食を頂いています。えぇ、そうです、あっという間に攻略が終わってしまいました。

 あの後ですが・・・俺がメイン、リティがサブで攻撃に集中、ウッドとサーラがボスの触手を薙ぎ倒し、ルルのコンボ、リーズのファイア、シズクの毒水、月花のライトであっと言う間だったんです。俺とリティがスイッチする間もなく終わりました。


 その後、昼食をとりながら愚痴を聞かされています。


「レッドが言っていたように出番はあったけど触手を1本叩き折っただけだわ」


「俺も1本ぶった切ったくらいっす」


「ね、ね!でしょ、出番あってよかったじゃん!」

 俺は嘘を言っていないのだ。


「それにしてもリーズ大活躍だったな。明日からのLv上げは問題なさそうだな」


「はい、レッドさんの言う通りでした」


「リズは無理すんなっす」


「お兄ちゃん!私が少し活躍したからってそういうこと言うのやめてよ!」


「お前のことを心配してるっす・・」


「私も、もう子供じゃないから心配しないで!」


「リーズ、ウッドの気持ちも考えてくれないか?俺も妹が居たら心配になるし」


「・・・そうですね。お兄ちゃんごめんなさい」

 リーズは兄ウッドの気持ちも良くわかるいい子なのです。ただ少しだけお年頃なだけなんです。


「いいっす、お前が無事なら。俺も言い過ぎたっす」

 いいね、兄妹って。


 各自言いたいことも言い終わった様なので昼食後は自由時間にすることにした。色々な分野にも言えることだが、言いたいことも言えないPT、またはチームは駄目だと思う。きちんと意思疎通を図らなければ、今後強敵と対峙した時に連携が上手くいかないこともある。それがスポーツなど危険が少ないものであれば良いが、魔物と命を取り合う冒険者となれば尚更だろう。


 食堂を出たのち、俺はウッドと合流し工房へ向かった。最近時間があると二人で工房で過ごすことが多くなった。

「兄貴、さっきリーズの事ありがとっす」


「お前は良いお兄ちゃんだな」


「そっすか?うちの両親が妹をすごく大事に育てていたんすけど、冒険者になるって言いだして・・・」

 そら両親驚くわな。


「妹は俺に似て頑固だし、両親の気持ちもわかるし、それに俺にとっても妹は宝物だし・・」


「だろうな。お前の態度でわかるよ」


「俺に何かあったら妹をよろしく頼むッス!」

 おい・・・それフラグだろ!


「いや、まて!何も起こらないように俺も精一杯頑張るから、そういうこと言うのやめてくれ」

 大事な仲間・・いや家族か。それが居なくなることは何としても防がねば。二度とあんな思いはしたくない。


「兄貴が言うと不思議っすね。何か大丈夫な気がするっす」


「だろ、だから不安になるようなことは言わないようにな?」


「わかったっす」


「今日はみんなの装備も修繕は必要ないようだし、モッチョ氏に納品する分を少し作ろう」

 俺は別に馬の装備も用意することにした。


「了解っす」

 最近はウッドも腕を上げたのか、作業速度が上がっていた。自分の仕事が終わると頻繁に俺の作業を見て覚え、何度も失敗しながらも上達していった。そんなこんなで2人で夕方まで商品を製作して宿屋に戻った。


 夕食後、みんなにウォーホース用の装備を渡した。馬達の動きを阻害しないようにチタン素材を使い軽さと強度を上げた。もう少しでミスリルが扱えるようになるが今はこれで我慢しよう。


「明日から馬と連携を取りながらの戦闘が始まる。各自契約した馬としか話せないので、PT内での連携はもとより各自の馬同士の連携もとる必要がある」


「でも、どうしたらいいのでしょうか?」

 こういう時、月花ちゃんは真面目なのに・・・


「馬以外の連携はうまくいってるだろ?」


「はい」


「前衛、後衛が範囲撃つ時には離れるだろ?それは理解するより今までの経験と信頼でそうしているはずだ」


「そうです、仲間の動きがわかるので」


「それ、最初から出来たか?」


「!!!理解しました。馬達にも自分たちとの連携を見てもらい攻撃に加わりながら成長してもらうということですね」


「月花ちゃん、正解。だから時間はかかるが、なるべく馬にも戦闘に参加してもらうように」


「「「はい」」」


「サーラ、シズク、ルル!明日俺たちのPTは炎系の魔法がないから時間がかかるけど気合入れていくぞ」


「うん」

「了解にゃ」

「がんばる」


「リティ、ウッド、月花はリーズばかりに負担かけないように。馬との連携も忘れないこと」


「わかりました」

「わかったっす」

「頑張ります」

「レッドさんの期待に応えます」


「現在Lv21だから、明日3回も攻略すればLv22になるはずだ。野営の準備はするが日帰りで行くつもりだ」

 野営したいという意見があったが、もちろん却下。


「Lv22になったら装備更新するから戻ってこないとならないしな。先に攻略の終わったチームは野営場所で待つか、宿屋に戻ること」


「「「はい」」」

 その後、俺たちは馬の装備の初期設定を行って就寝した。明日からは2PTに分かれての戦闘だが、減った分の戦力には馬達が入ってくれる。馬達に俺達の戦闘を見てもらいつつ信頼度を上げ連携が取れるようになっていかなくてはならないので気合が入る。



のんびり書いていきます。

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