攻略ミーティング
30
翌朝、バンチを出発し南東に位置する港町ドラドへ向かう。ドラドからは船でランド国の港町カラムに向け出港した。道中色々とあったが無事に8日後の昼にカラムへ到着することが出来た。色々とあったというのは、盗賊の襲撃や風呂覗き事件、魔物の群れとの遭遇などだ。その辺りの詳細は機会があれば話そうと思う。
カラム到着後、手慣れた感じでモッチョ氏が商会傘下の宿屋を手配してくれたので、俺のやる事と言えばダンジョン情報を聞くためにモッチョ氏と近くの喫茶店に入る事だけだった。なぜ宿屋のロビーじゃないのかって?だって新しい街に着いたら観光したいじゃん?喫茶店で飲んだことや食べたことが無い新商品があるかもしれないし。
モッチョ氏の安全?それは、多分だけど気配を消しているギブソンさん辺りが目を光らせているから問題ないと思う。
メニューを見た瞬間、新しいものが無いと分かった俺はコーヒーを頼み、モッチョ氏も同じものを頼んだ。
「で、ダンジョン調べてくれた?」
得る者が無かったのですぐさま仕事の話を始めた。
「もちろんです。ここから一番近いダンジョンは<迷いの森>。出現モンスターは主に植物系です。次に北東部に<古墳>があります。推奨Lv22でアンデッドが多いと聞いています。最後に3つ目ですが首都南部に<魔の渓谷>推奨Lv26があり昆虫型やワイルドベアなどが主だそうです」
「ふむふむ・・・」
ってことはランドでLv30まで行けるな。上位ジョブに上がってから、ギルドにダンジョン攻略を報告すればDランクに上がるだろう。目標はCランクなので、ランク上げのゴールは近いな。あとは道順だな・・・英霊の石碑は首都にあるから・・・
「うん、大体の道順は決まったな。まずはこの街を拠点にLv22を目指す。」
「で、製作についてはどういたします?」
「Lv22になったら、前回同様3日休みを取って、またウッドと一緒に大量に作るよ」
「承知しました」
「昼食どうする?」
「ホテルで食事の準備をしておくように伝えたので、そろそろ大丈夫かと」
さすがモッチョ氏。
「じゃ、行こっか」
「そうしましょう」
ホテルで昼食を食べ終わって部屋に戻り、ダンジョン攻略について説明を始めた。
「前にも言ったと思うけど、<迷いの森>でLv上げをする。このダンジョンでは植物系の魔物が多い。名前からわかると思うが精神系のデバフを使ってくると思う、というか使う」
「でも格下でしょ?」
「はい、サーラさん失格!お尻ぺんぺんの計ね」
「!!! レッドにならぺんぺんされても・・・」
何を言い出すんですか!辺りに不穏な空気が・・・
「格下って舐めてかかると痛い目に合うから油断大敵ですよ!精神系はマジ危ないから!」
格下の精神系魔法は大抵レジスト出来るが、稀に入ることもある。もしレジスト出来なかったら大変な事になるのだ。
「サーラさぁ、俺が精神系をレジスト出来なくて、サーラのことを魔物だと思って斬りつけたらどうする?逆にサーラが俺を魔物だと思って攻撃してきたらどうすればいい?」
「そ、それは・・・」
そうです、同士討ちが怖いのですよ。
「レッドに斬られるなら別に・・・」
また、なんてことを言い出すんだ・・・
「だから、一応みんなに常時10個万能薬を持っていてもらう。飲んで良し、かけて良しだ。」
取り出した万能薬を試しに飲んでみる。状態異常が無ければ、ただの高価なお茶ですね。すっきりとした味わいでスゥーーと染み込む感じ。これは飲まなくても振りかけるだけで効果があるので、状態異常になった仲間にかけても効果がある。
「明日は安全を考え8人PTで入る。そのあとは<壺>と同じく4人PTに分かれて攻略してLv22を目指す」
みな頷く。
「あと一つ、4人PTになったら幻獣を呼び出して一緒に戦うように」
「なぜっすか?」
「幻獣に俺たちの動きを覚えてもらうのと、魔物使いのLvも上げるためだ」
「どうして魔物使いのLvも上げるっすか?」
「もうお兄ちゃん、少しは考えてよ!」
リーズは理解しているようだった。
「リーズは理由わかっているようだけど説明頼んでいいか?」
「間違っていたらごめんなさい。多分ですが他ジョブも上げると基礎ステータスが上がるから?」
言い終ると不安そうに俺を見つめてくる。
「大正解!劇的に上がるわけではないけれどな。例えばINT50と51でファイアの魔法を見ると多少ダメがアップする程度だ。しかし長い目で見れば与えたダメージ量は大分変ってくるんだよ」
「そうなんすね。よくわかったっす」
「それで、みんなは幻獣のLv知ってるか?」
「レッド様、私のカリーナはLv20です」
「セスも20って言ってたにゃ」
どうやらみんなLv20みたいだ。俺のボレアレスだけLv50のようだ。そんな強かったらゴブ倒せや!と思っていると
(力を失っていたと言ったろう)
(あれ、聞こえちゃった?呼んでいないのに)
(契約したろう?)
(お前はLv上げに使えないから、少し仲間はずれな)
(致し方なし)
「では幻獣のLv上げをしつつ、魔物使いとメインジョブのLv上げを一緒にやるから」
「「「「はい」」」」
「じゃ明日朝、この街の東に2日ほど行った<迷いの森>を攻略する」
あ!
「いや、馬使って行くから2時間位かな。サクッと行って、サクッと帰ってきましょう。初日はゆっくりと攻略するけど8人PTだから2時間位で終わると思う」
「万能薬用意しておくのでアイテムボックスに入れ忘れのないように!」
「「「はい」」」
それから各自自由行動となった。
のんびり書いていきます。




