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キャラバン結成

26


 翌朝、心配になったので宿屋前でウッドの帰りを待つと、モッチョ商会の金馬車の車列が遠くに見えてきた。夜でも目立つ金馬車は朝の日光を浴びて更に輝きを増して注目を集めていたのだが、降りてきた人を見るなり興味をなくしたのか集まりつつあった人だかりは消えていた。3階にある部屋の窓からはサーラ達が身を乗り出して手を振っている。


「兄貴、おはようっす」


「おはよう、ゆっくり休めたか?」


「もちろんっす。兄貴に感謝っす」


『そうか、みんなには黙っておけよ?』

 俺が小声で言うと

『わかってるっす』

 ウッドも小声で合わせてくれた。


「それと製作に関して後で相談があるから」


「了解っす」


「みんな、準備は終わっているから、ウッドも荷物の準備してくれよ」

 窓から手を振っているサーラ達を見ながらウッドに伝えると「了解っす」と急いで部屋に向かっていった。

 モッチョ氏の使いの者から街の南門で待機しているので、俺達を馬車でそこまで送ってくるように言付かっているようだ。それを聞いた俺も急ぎ部屋に戻り、みんなを集めウッドの準備ができ次第出発することを告げた。


「みんなお待たせっす」

 ウッドの準備が終わったようだ。


「あら、ウッドちゃん朝帰りでお顔がツルツルじゃない。何かいいことあったのかしらぁ?」


「リティ姉、俺も男っす。詳しくは話さないけど、とてもいいことがあったっす!」

 何ぃ、良いことだと・・・お前酔っててそれどころじゃなかったはずじゃ・・・


「ほほう、良いことって何があったんだ?」


「兄貴のおかげでミンクちゃ・・じゃなくてモッチョさんと知り合えたことじゃないですか」


「だ、だよな、そうだった。で最後まで?」

 ウッドの方が一枚上手だった。いや、だがここは聞かねば。


「まぁ、そりゃいくッスね」

 ファ~ッ・・・中級だろ?どこに行くっていうんだ・・


「最後までって何があったんですか?」


「月花よ。最後までって言うのは契約書のサインまでのことを言うんだぞ?」

 それとなくゆるりとかわした。月花にはまだ早い!


「そうだったのですね。ウッドも頑張っているのですね」

 何か月花を騙しているみたいで心が痛いな。だがしかし男の友情も大切で・・・でもあいつに先越されたから痛い目に合わせてやらねば・・・いや俺リアルは卒業しているし悔しくなんかないから、やっぱり男の友情を・・・でも俺結構我慢してるよ?・・・やっぱり悔しいし・・・・でもウッドにとってはプライスレスだし、まぁ良しとしよう。


「ウッドも装備のアクセ辺りを作れるようになったのでモッチョ氏に流通を任せることにしたんだ」

 男の友情に軍配が上がった。


「お兄ちゃん、偉いね」

 ウッドがリーズに褒められ満更でもない顔をしている。


「その辺の話は後にしよう。モッチョ氏の使いの人も待っているから、そろそろ行くぞ」

 みんなで金馬車に乗り込み南門へ出発し到着すると、モッチョ氏が出迎えてくれた。


「皆様お待ちしておりました、初めての方もいらっしゃるので自己紹介を。私がモッチョ商会代表のモッチョです。以後よろしくお願いします」

 こんな時でもギッシュスマイル、さすが大商人だな。


「俺がいつもお世話になっている人だ。あとで個々に挨拶をしておくように」


「「「「「「はい」」」」」」


 モッチョ氏のほかに17名ほどの従者及びボディーガードが付くようだ。かなりの人数だが道中の安全を考えると少し心許ないかもしれない。襲ってくるのは魔物だけではないのだ。


「で、モッチョ氏、キャラバンの名前って決まってるの?」


「レッド様が決めると思っていましたので」

 うわぁ・・・・めんどくさ。うーんと、モッチョ氏は幸運持ちで、俺達は戦闘集団で女子率高い・・・うーん、幸運はフォルトゥーナだろ、戦いの女神はセクメト、足してフォルメトでいいか。


「キャラバン名はフォルメトでどうだ?幸運と女神を足したんだけど」


「すばらしい。それにしましょう」

 総勢25名のキャラバン:フォルメト隊誕生だ。


「では、ひとまず港まで行き、グラス本土の港町バンチまで行きましょう」

 俺たちそれぞれ幻獣を呼び出し跨る。呼び出した馬を見ると、何かうっすらと角生えてきてるな・・・・


(角出てるけど、何で)

(力が戻りつつある)

(隠せます?)

(無論可能だ)

(じゃ、お願いね)

(承知)

 心話でボレアレスと会話する。


「おぉおレッド殿、これはなんと、素晴らしい!これが伝説のウォーホース・・・おっと声が大きすぎましたね」

 伝説って言いすぎっしょ。みんな乗ってたし。5000万人プレイヤーが居た時代には5000万頭居たんだよね。


(伝説って言ってるけど、そんなに希少なのか?)

(世界各地に100頭居るかいないかだな)

(あらやだ、希少じゃない)

(うむ、主のおかげで増えてくると思う)

(どうすれば増える?)

(世界を・・・)

(世界を?)

(世界を繋げることが出来れば・・・)

(具体的に教えてくれ)

(本能的な事でこれ以上は我にも知りえぬ)

(ふーん・・・)

 何か隠しているようだけど、これ以上詮索する事はやめた。契約しているから逃げられることは無いと思うけど連携が乱れることは戦闘にも影響するし、戦闘に影響すれば危険が増えるし、結果、命に係わるかもしれないからね。


「じゃ、モッチョ氏、行こうか」


「では、皆に一言お願いできますか」

 ファッ?自分で自分を指さし確認すると、俺らしい。人数的にモッチョ氏が連れてきた方が多いんだからモッチョ氏が言えばいいのに・・・


「あ、えーっと、俺たちはこれから5国を巡る旅をする。困難なこともあるだろうが、みんなで乗り越え楽しく行きましょう」

 みんなが熱い眼差しで俺を見ている。次の言葉を待っているようだった


「では、フォルメト隊出発!」

「「「「「おー!」」」」」


のんびり書いていきます。


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