ダブルでラッキー
24
部屋に案内された俺達は各々ソファに座り一息ついた。お茶でも飲もうかと立ち上がると何故か皆の視線が俺に集まっていた。
「どした?みんなもお茶飲むか?」
「あのね、驚いてばっかりで質問できなかったから今から色々聞いていい?」
サーラが言うと皆も同じなのか目で訴えてきた。
「うん、良いけど。何かあった?」
「何かあった?って言ってる出来事じゃなくない?馬を手に入れるための来たのに幻獣ってどういうこと?」
俺に言われても・・・・助けるとか言ってたの皆じゃん。
「助けるつもりなかったんだけど、みんながさ?」
「私たちが言い出したんだけど、何で幻獣?」
「知らない。運が良かった?」
「はぁ・・・・。結果オーライだけど腑に落ちないわ・・・」
俺も、まさかマウントゲット出来るなんて思ってもなかったからね。
「ラッキーで良いんじゃね?」
ウッドに目配せする。
「そっすね!ラッキーだったっ・・・」
女子組のあんたは黙ってなさい圧力にウッドが沈黙した。すまんウッドよ、俺にも訳が分からんのだと心の中で謝った。
「まぁ、契約もできたし色々考えても面倒だからマウントの有効活用を教えようと思うんだが、いいか?」
女子組は、まだ納得していないようだが話を進めよう。
「幻獣と契約できたってことは、みんな魔物使いのジョブを覚えたと思うんだが、ステータス確認してくれるか?」
「レッ君、私覚えたみたい」
シズク以下みんな頷く
「今後、なるべくマウントに乗って移動するようにしてくれ」
「レッドさん、それにはどういった意味が?」
月花は真面目だな。
「いい質問だ。魔物使いのLvを上げるには使役しないといけない。つまり」
「あ!乗るだけでもLvが上がるということなのですね」
真面目ちゃん、正解。
「そうだ。乗るだけでLv上がるから楽だろ?まぁそれもLv30以降難しいんだけどな」
それとは他に注意点があった。
「乗るのは良いんだけど、人前ではあまり乗らないようにしてくれ。馬にしては立派過ぎる幻獣に乗っていると目立つからな?今まで幻獣乗りに出会ったことないだろ?噂が広まって面倒に巻き込まれたくないんだ。それに幻獣狩りが流行ってもあいつらに悪いだろ?」
と言っても容易く捕まるような幻獣はいないだろが、みんな理解してくれたようだ。
「兄貴ぃ、あれ早いのは良いんすけど、鞍とか無いっすか?振り落とされはしなかったけど、手綱があると気持ち的に落ち着くっす」
ごもっとも。
「だよな。俺も思ったんだよね。だからマウント用にBFA作るよ」
「「「「ほんとに?ありがと」」」」
あら、みんなもそういう風に思ってたのね。
「鞍セット作っておくから、初期設定はマウントと共に行っておくように」
「「「「はい」」」」
良い返事だ。
「さてと、みんなの装備修繕と鞍を作るから。装備は出しておいてくれ」
みんな頷く。これで一段落と。
「そういや腹減ったな、今日の夕飯のメニューは何だろう?」
「ラーメンだそうですよ」
「お、いいね!楽しみだな」
「はい、なんでも材料が余っているらしく、多めに盛り付けているらしいです」
リティスさん、期待値上げるね!
「食べに行こうぜ」
みんなで食堂へ向かった。
そこには、諦めていた〇郎系ラーメンが鎮座していた。極太ワシワシ麺の上に、ややクタ野菜がドンブリと同じ高さに積み上げられている。そして野菜の決壊を防ぐように極厚チャーシューが壁を作る様に囲い、頂にはニンニクが山盛り。コレコレコレ!毎日食べたいけど、体の事を考えると食べられないという魅惑のラーメン。野菜、チャーシュー、麺のどれを食べていくか。順番を間違えると食べきれなくなるという奥深さ。(俺だけかもしれないが)
俺ハッピーだけど、女子組食べきれるのか?ふと見ると、全員やる気だ!
「あー、食べきれなかった人の奢りにするか!」
一応煽ってみる。
「余裕にゃ」
ほほー、言ったなルルよ。
「よくぞ言った!いざ尋常に、いただきます!」
奥の深さを思い知るが良い。まず、野菜を食べる中で5枚のチャーシューの内1枚を野菜と並行して食べる。頃合いを見てスープを吸った麺を上側に引きずりだし麺全体を回転させウドンのような麺をすする。こんな極太面をすするのは女子には難しいはず!
(うっまぁーーーい!)
そこで俺は上級者らしく生卵を注文し、すき焼きの様に卵に麺を潜らせ食べる。うっま。一味唐辛子で味変。その後麺と並行してニンニクを乗せブラックペッパーを振ったチャーシューを無心で食べる。
神豚うっま。
最後のスープは本能が飲んではいけないと告げているので止める。リアルで週一食べていたら健康診断で肝機能E判定貰って食生活改善したからな・・・・。
「ごちそうさまでした!さて、食べきれない人は誰かなぁ?」
そして気付いた。俺がビリだったことに・・・・
「兄貴が一人の世界に入ってたから、みんなかなり待ったっす」
ふーん、そうなんだ・・・みんな凄いのね・・・
「レッドの奢りにゃ!」
「レッ君ありがと」
「ご馳走様」
「あざっす」
良いんです!食べたかったし。みんなもうれしそうに食べてたし。
「おやっさん!ごちそうさまです」
「おう、良い食べっぷりだったな。見ていて気持ちよかったぞ!」
「俺もこれに出会えるなんて思ってもいませんでした。ありがとうございます」
「良いってことよ」
「あと、このラーメンをメニューに入れると良いかもしれませんね。例えばラーメン三郎なんて名前で」
「ん?そうか考えとくよ。ありがとな」
「いえいえ、こちらこそ」
マウントと〇郎系に出会えてダブルラッキーな一日だったな。さて、部屋に戻って寝よう・・・って、確か大部屋にしたような・・・何もないことを祈ろう。三大欲求の食欲が満たされたからな、あとは睡眠欲と性欲か・・・。俺に睡眠欲は無いから、性欲なんだよなぁ。だがモッチョ商会で鍛えた俺に隙はないはず!
のんびり書いていきます。




